ソニーやソフトバンクグループって大丈夫?



【お知らせ】
下記リンクのメルマガを中心に情報を更新していく予定です。
無料ですのでぜひご登録いただけるとありがたいです

西村剛の投資戦略メルマガ【無料】




From;田村祐一

先週と今週にかけて、3月決算企業の
第3四半期決算が本格化していますが、

今回の決算では

「ソニー(6758)」
「ソフトバンクグループ(9984)」
「ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)」
「伊藤忠商事(8001)」
「ゼンショーホールディングス(7550)」

といった有名企業が【〇〇】を実施すると発表をしました。

【〇〇】ですが、企業の間では最近流行っていますね。

さて、この【〇〇】がわかりますか?

さっそく、答えを発表します。

それは、【自社株買い】です。

今回の第3四半期決算では、

「ソニー(6758)」⇒総額1000億円(発行済み株式総数の約2.3%相当)
「ソフトバンクグループ(9984)」⇒総額6000億円(約10%相当)
「伊藤忠商事(8001)」⇒総額1000億円(約4%相当)
「ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)」⇒総額50億円(約1.7%相当)
「ゼンショーホールディングス(7550)」⇒総額20億円(約0.7%相当)

※発行済み株式総数のパーセントは、自社株買い発表時の株価で算出しています。

と自社株買いの発表が目立っています。

名だたる大企業に限らず中小型株でも
自社株買いを発表する企業が多くなっています。

自社株買いによって、市場に流通する自社の株式は減少します。
そして、1株当たりの利益が上がるため、株価が上昇します。

よって、自社株買いを発表した企業の株価は、
短期的に上昇する傾向が強いのです。

自社株買いは、発表後に株価が上昇することから、
投資家にとっては喜ばしいニュースと言われています。

実際、上記5社の株価も短期的に上昇しました。

でも、私はこの自社株買いですが、
いいだけのニュースではないと思っています。

企業の最大の目的は、顧客・市場からの「満足」を獲得し、
永続的に成長し続ける過程で社会的責任を果たすことだと言われています。

ここで大事になるのが、永続的に成長し続けるという点です。

成長し続けるためには、何が必要でしょうか?

「設備投資」や「新技術の開発(研究開発)」、
「企業買収」、「人材確保・教育」等が代表例に挙げられるでしょう。

これらを行わないと、いずれ衰退が始まり、
成長し続けることは不可能でしょう。

よって、企業は稼ぎ出した利益の一定数を、
将来の成長のために使用しなければならないでしょう。

この成長という観点から「自社株買い」を見ると、
少し「自社株買い」という行動に対する見方も変化します。

昨今の株式市場では、株主還元を大義名分に、
配当の増配や自社株買いが流行っています。

大きな金額を自社株買いに充てるほど、
インパクトは強く、株価も大きく上昇してます。

ただし、ここで疑問にあがるのが、

「なぜ、その巨額の資金を成長のために充てないのか?」

ということです。

これは、私の推測でしかありませんが、

自社株買いを実施した企業の多くが、今年以降の業績に対して
非常に悲観的な判断を下している可能性が高いでしょう。

来年以降の業績見通しが不透明だから、

・新たな設備投資には慎重にならざるを得ない
・新規で人材を確保するのは固定費の増加につながる
・M&Aを是が日でもしたいと思うほど良い案件がない

といったことが起こっている可能性が高いでしょう。

その結果、足元の業績はそこそこ良好で利益は出ているものの、
稼いだ利益を活用する機会がなく、金余りを起こしているのです。

本来利益が出ているなら、配当を増配すればいいものの、
増配すると、仮に来期以降に業績が悪化し減配になると、
株価が急落するリスクが高く、怖くて実施できません。

一方で、自社株買いであれば、そのような問題は発生しません。

このような思考から、多くの企業が自社株買いを実施しているのでしょう。

すべての企業がそうだとは言えませんが、
大多数がそうではないかと思います。

そして、成長に投資ではなく、守りに入っている姿勢をみると、

来期以降の業績見通しについては、
かなり悪い数字を見込んでおく必要がありそうです。

自社株買いしているから安心と言うよりは、
自社株買いしている企業こそ危ないなんてこともあるかもしれません。

特に、高い成長が期待されている新興企業で
自社株買いなんて策をとるのは、
よっぽどの理由がない限り、意味不明な行動です。

自社株買いしている余裕と暇があったら、
新規雇用したり、M&Aしたり、新しい拠点つくったり、
しなければならないことが山ほどあるはずです。

そういう企業は、目先の株価の下支えに目がくらみ
将来の成長を放棄していると言えるでしょう。

だからこそ、今回の第3四半期決算は、
そういった成長見込みが薄い企業をあぶりだすにはもってこいです。

「ソニー」や「ソフトバンクグループ」が
ただちに業績が悪くなるとは思っていませんが、
そのようなリスクがあることは頭の片隅に入れたほうが良いでしょう。

そして、もし、自分が保有している株が自社株買いを発表した際には、
単に自社株買いによる短期の株価上昇を喜ぶだけでなく、
将来性についてじっくり検討すると良いでしょう。

ー田村祐一

【無料】システムトレードの検証ができる株式投資ソフトのフリー版を無料プレゼントします。こちらをクリックください!


The following two tabs change content below.

田村 祐一

統計データを重視したシステムトレードとファンダメンタルを組み合わせて銘柄分析を行う。株価を大きく動かすイベントに合わせて銘柄を売買する「イベント投資」にも注力。