実売買とシグナルを突き合わせる。ルール別損益を見える化する方法

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こんにちは、夢幻です。

前回は、売買履歴DBから、銘柄別・月別・証券会社別の集計ができる、という話をしました。
そして最後に、本当に知りたいのは「どのルールが、本当に稼いでいるのか」だ、とお伝えしました。

今回は、その方法についてお話しします。

 

■ DBだけでは、ルール別集計はできない

売買履歴DBに入っているのは、
「いつ」「何を」「いくらで」「何株」売買したか、という”結果”の事実だけです。

そこに、「この売買はシストレA」「これはシストレB」という情報はありません。

つまり、DBだけを見ても、どのルールが利益を出しているのかは分からない。
ここが、最初の壁になります。

 

■ 答えは、システムが毎日出している

でも、安心してください。その答えは、すでにあなたの手元にあります。

システムトレードソフトが毎日出力している、売買シグナルの抽出ファイルです。
そこには、どのルールが、どの銘柄を、何株、いくらで発注しろと指示したか。
それが、すべて記録されています。

DBが「結果」なら、こちらは「指示」。
この2つをつなげればいい。発想としては、非常にシンプルです。

 

■ どうやって突き合わせるのか

基本的な考え方は、両方のデータに共通する項目を、キーにすることです。

たとえば、日付。銘柄コード。株数。売買区分(買い/売り)。
これらをキーに、シグナルと実際の約定を照合する。

たとえば、6月10日に7203を買った。
同じ日に、ルールAが7203を買うシグナルを出していた。
なら、この約定はルールAのものだろう。そんなイメージです。

すると、実際の売買ひとつひとつに、ルール名を紐付けられるようになります。

 

■ AIには、こう頼む

この照合も、AIに任せられます。
ただし、前回までと同じで、いきなり全部ではなく、まず1日分で「型」を作ります。

「この約定明細と、この売買シグナルの抽出ファイルを、
日付・銘柄コード・株数で突き合わせてください。
一致した約定には、ルール名を付けてください。
どちらにも一致しなかったものは、印をつけて、別に残してください」

出てきた対応を、目で確認する。
ここは、前回のDB作りと、まったく同じ作法です。

 

■ ここまで来ると、見える世界が変わる

シグナルと実売買がつながると、今まで見えなかったものが見えてきます。

たとえば、ルールAは、バックテスト通り利益が出ている。
でも、ルールBは、実売買だとかなり悪い。なぜか。
調べると、指値同値が多く、本来取れるはずだった利益を取り逃している。

逆に、ルールCは、実運用とのズレが小さい。だから、資金配分を増やそう。
そんな判断も、できるようになります。

さらに、もうひとつ。
DBにはあるのに、どのシグナルとも一致しない約定が残ります。
それは、ルールではない取引、つまり裁量です。
手で分類しなくても、突き合わせの「余り」として、裁量が浮かび上がる。

ここまで来ると、単なる集計ではありません。実運用を、改善するための分析です。

 

■ ただし、ひと筋縄ではいかない

正直にお伝えすると、突き合わせには、気をつける点が2つあります。

ひとつは、「一致しないシグナル」には、2種類あること。
出したけれど、刺さらなかった注文。これが、前回の指値同値です。

そして、もう一つが発注しなかった注文です。

何かしらの理由で発注を見送ったり、余力の不足で発注出来なかった注文などがこれに当たります。

「約定しなかった」のか「最初から発注しなかった」のか、分けて見ます。

もうひとつは、分割約定。
「200株買う」というひとつのシグナルが、
実際には100株と100株のように、複数回に分かれて約定することがあります。

すると、株数がそのままでは一致しません。
「合計して見て」とAIに伝え、まとめてから突き合わせてもらう。

どちらも、AIに任せきりにはできません。
判断の基準を、自分の言葉で渡してあげる。
最初から完璧は目指さず、まずは8割うまくいけば十分です。
最後のさじ加減を、人間が握る。ここが、突き合わせの勘どころです。

 

■ AI時代だからこそ、ここまで個人でできる

以前なら、こうした照合を自分で作るのは、かなり大変でした。

でも今は、AIに「DBとシグナルファイルを照合して、ルール名を付けて」と頼める。
「約定しなかったシグナルも、一覧にして」と足すこともできる。

こうした分析基盤を、個人トレーダーが持てる時代になった。
これは、本当に大きい変化だと思います。

 

■ まとめ

今回のポイントです。

・売買履歴DB(結果)だけでは、ルール別集計はできない
・答えは、システムが出力する売買シグナルの抽出ファイル(指示)にある
・日付・銘柄コード・株数で照合すれば、約定にルール名を紐付けられる
・一致しないシグナルには2種類ある。刺さらなかったか、取らなかったか
・どのシグナルとも一致しない約定=裁量。突き合わせの余りで分かる
・分割約定や取りこぼしの扱いだけは、人間が基準を決めて渡す

今週やってみてほしいこと。

まずは、システムトレードソフトの売買シグナルの抽出ファイルを開いて、
どんな項目が入っているか、見てみてください。
日付。銘柄コード。株数。ルール名。

そのうえで、1日分でいいので、
その日のDBと、その日のシグナルファイルを、AIに渡してみる。

「この2つを、日付・銘柄コード・株数で突き合わせて、ルール名を付けて」と頼むだけ。
一致したもの、しなかったもの。その並びを見るだけで、見えてくるものがあります。

 

次回は、このシリーズの集大成です。
AIに「良いツール」を作らせるための、「問いの設計」。
同じ依頼でも、聞き方ひとつで、できあがるツールは大きく変わります。

その話を、お伝えします。

それでは、また次回もお楽しみに!

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。