良いツールは、良い問いから生まれる。AI時代の「問いの設計」

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こんにちは、夢幻です。

AIでツールを作る、というこのシリーズも、今回でいったん区切りです。

ここまで何回かに分けて、売買履歴DBを作り、その上に集計を乗せ、シグナルと突き合わせてきました。
AIを使えば、自分だけの分析ツールが作れる。それは、もう十分に伝わったと思います。

最後に、ひとつだけ。
私がAIを使う中で、いちばん大切だと感じていることをお伝えします。
それが、「問いの設計」です。

 

■ AIは、「何を作るか」までは決めてくれない

AIは、とても優秀です。
でも、「何を作ればいいか」までは、決めてくれません。

「売買分析ツールを作って」と頼めば、何らかのツールは出てきます。
でも、それが自分の欲しかったものとは限らない。

AIは、言われたことを、一生懸命やる。
だからこそ、こちらが何を求めているのかを、整理しておく必要があります。

 

■ だから、まず「何を知りたいか」から考える

AIに相談するとき、私は最初に「どんなツールを作ろうか」とは考えません。
まず考えるのは、何を知りたいのか、です。

「ルールAの利益が知りたい」の、一歩手前。

バックテストと実売買は、どれくらいズレているのか。
指値同値は、どのルールで多いのか。
どの証券会社で、約定率が違うのか。

まず、知りたいことを、言葉にする。
すると、必要なデータも、必要なツールも、自然と決まってきます。

 

■ ツールから考えると、遠回りになる

以前の私は、「こんなツールが欲しい」から考えていました。
でも今は、逆です。

知りたいことがある。だから、そのためのツールを作る。

このシリーズも、最初から売買履歴DBを作ろうと思っていたわけではありません。
実損益を分析したい。だからDBが必要になった。
ルール別に見たい。だからシグナルとの照合が必要になった。

知りたいことが先。ツールは、後からついてきます。

 

■ 一度で、完成させようとしない

もうひとつ大切なのは、最初から完成品を目指さないことです。

「全部の履歴を、ルール別に集計して、グラフにして」
一度に全部やらせると、どこかでズレても、気づけません。

うまくいくのは、こうです。
まず、小さく作る。1日分だけ渡して、目で確認する。それから、広げる。

このシリーズで毎回やってきた「1日分で型を作る」が、まさにこれです。
動くものを作り、使ってみて、「ここも見たい」と思ったら、また相談する。
ひとつのツールに、私は何十回も、AIとやり取りしています。

一回で完璧を目指さなくていい。対話しながら、育てるものです。

 

■ 頼むときは、迷いどころを先に潰す

そして、いざ頼むときには、コツがあります。

AIは、迷うところを、勝手に決めます。
だから、曖昧な点を、頼む前に自分で決めて、言葉で渡す。
「分割は合計して」「発注していないものは、別枠で」と。

ついでに、AIは気を利かせて、都合の悪いデータを落とすことがあります。
「省略しないで」「該当なしも見せて」と、はっきり頼んでおく。

そして、自分が何者かも、一言添える。
「私はシステムトレーダーで、複数の証券会社を使っている」
それだけで、答えが、こちら仕様に寄っていきます。

 

■ 問いの設計は、トレードと同じ

ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。

システムトレードでも、いきなり売買ルールは作りません。
まず「どんなエッジがありそうか」と仮説を立て、検証する。

AIも、まったく同じです。
知りたいことを考える。必要なデータを整える。ツールを作る。結果を見る。また改善する。

この流れは、システムトレードそのものです。
だから私たちは、もともと、問いを立てる訓練を積んできているのです。

 

■ まとめ

今回のポイントです。

・AIは「何を知りたいか」までは決めてくれない
・まず問いを立て、その後にツールを考える
・知りたいことが決まれば、必要なデータも見えてくる
・ツールは一度で完成させず、対話しながら育てる
・頼むときは、曖昧な点・省略・前提を、先に言葉で渡す

良いツールが作れるかどうかは、
AIの知識量より、問いの立て方で決まります。

今週やってみてほしいこと。

新しいツールを考える前に、ノートに、
「自分は何を知りたいのか」を、3つ書き出してみてください。

そして、その中から1つだけ選んで、AIに相談してみる。
「ツールを作る」ではなく、「問いを育てる」という感覚が、分かってくるはずです。

 

最後に。

このシリーズで、ずっとお伝えしてきたことがあります。

AIは、土台のない人を、一気に引き上げる魔法ではありません。
土台を持っている人の伸びしろを、何倍にも広げる道具です。

長年、検証と運用を積んできたあなたには、その土台があります。
あとは、良い問いを立てるだけです。

ただ、ひとつ、正直に言っておきます。

ここまで、問いの設計を、きれいにまとめてきました。
でも、実際に私が作ったときは、こんなにスムーズではありませんでした。
壁にぶつかっては悩み、やり直す。その繰り返しでした。

次回は、私がツールを作りながら、実際につまずいたこと。
そのリアルな実体験をもとに解説します。

それでは、また次回もお楽しみに!

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。