日経平均2,494円高で7月を終える。そして大引け後、キオクシアが動いた【西村剛】

【重要】“株の当たり屋”として知られる西村剛が、いま買うべき最有望株を無料公開中!

無料レポートを取得する




7月31日(金)、日経平均は前日比2,494円高の64,362円で引けました。大幅続伸で、一時は65,000円台を回復する場面もありました。

7月最終日にして、今月2番目の上げ幅です。荒れに荒れた7月相場は、大きな反発で幕を閉じました。

そして大引けと同時に、今月の主役だったキオクシア(285A)の決算が出ました。この2つを軸に、7月を締めくくります。

● 31日、なぜ2,494円も上がったのか

31日の大幅高の起点は、前日30日の米国市場です。

30日の米国株はマイクロソフトの好決算を好感して大幅反発し、6日続落していたナスダックが7営業日ぶりに上昇しました。加えて、6月のPCEコア価格指数や4〜6月期のGDP成長率の鈍化を受けて、早期利上げへの警戒感が後退。金利が落ち着いたことで、割高感が意識されていたハイテク株に買い戻しが入りました。

この流れを受けて31日の東京市場は、寄り付きから半導体・AI関連株が急騰しました。アドバンテスト(6857)が4,565円高、東エレク(8035)が3,260円高、イビデン(4062)が3,000円高、SBG(9984)が638円高。日経平均への寄与度が大きい値がさ株が軒並み大幅高となり、指数を一気に押し上げました。

もう一つ、31日は日銀の金融政策決定会合の結果が出ました。政策金利は1.0%に据え置きです。想定通りの結果で、これが相場の安心材料としても働きました。

● キオクシアが決算前にストップ高

31日の主役は、やはりキオクシア(285A)でした。

前日30日の米国市場でメモリ関連株が軒並み二桁上昇したことを受けて、キオクシアは朝から買いが殺到。値幅制限の上限まで買われ、前日比7,000円高(+17.72%)の46,500円でストップ高となりました。

思い出してください。わずか3営業日前の7月28日、キオクシアはストップ安まで売られ、5万円を割り込んで一時4万円台前半まで下落していました。信用取引の追い証も発生し、「2024年夏の再来か」とまで言われた銘柄です。それが、わずか数日で真逆のストップ高です。

この乱高下こそ、7月相場の激しさを象徴しています。

● 大引け後に出たキオクシア決算 は「好決算、でも予想は超えられず」

そして15時30分、大引けと同時にキオクシアの4〜6月期決算が発表されました。

内容は、数字だけ見れば圧巻でした。純利益は前年同期比46倍の8,421億円。売上営業利益率は前年同期の13.1%から71.9%へと急上昇しました。NAND型フラッシュメモリーの販売単価が前四半期比で7割も上昇し、AIデータセンター向けの需要が利益を押し上げました。さらに、最大8,000億円の自社株買いと、1株を3株にする株式分割(10月1日)も同時に発表しています。

自社株買いは需給の改善につながり、株式分割は最低投資金額(現在約400万円)を引き下げて個人投資家が買いやすくなる、いずれも株価にプラスの材料です。

ただ、ここで7月相場の教訓が効いてきます。

純利益8,421億円は、市場予想(QUICKコンセンサス9,687億円)と会社計画(8,690億円)をいずれも下回りました。さらに7〜9月期の純利益見通しも31倍の1兆2,700億円と、市場予想(33倍・1兆3,431億円)に届いていません。

つまり「過去最高の好決算」でありながら、「市場の高い期待には一歩届かなかった」という、7月に何度も見てきたパターンなのです。

● この決算を、どう受け止めるか

ここが今日、最もお伝えしたいところです。

キオクシアの決算は、今月繰り返してきた「好決算でも、市場の期待に届かなければ評価は割れる」という構図の典型例です。サムスン、TSMC、メタ、そしてキオクシア。決算の数字そのものより、「市場がどこまで期待していたか」との比較で株価は動きます。

ただし、キオクシアには他社と違う点もあります。8,000億円の自社株買いと株式分割という、明確な株主還元・需給改善策を同時に打ち出したことです。決算の数字が予想にわずかに届かなくても、この需給材料が下支えになる可能性があります。

注意点として、キオクシアの決算は大引け後の発表でした。そのため東証での決算を織り込んだ取引は、週明けの8月3日(月)からになります。31日のストップ高はあくまで「決算を見る前」の株価です。決算内容(予想未達だが自社株買い・分割あり)を市場がどう評価するかは、週明けの値動きで初めて分かります。

「好決算だから月曜も上がる」と安易に飛びつくのは禁物です。予想にわずかに届かなかった事実と、自社株買い・分割という好材料。この綱引きがどちらに転ぶかを、冷静に見極める必要があります。

● 31日も続いた「いびつな上昇」

もう一つ、31日の相場で見落としてはいけない点があります。

日経平均は2,494円高という華々しい上昇でしたが、東証プライムの値下がり銘柄は59.1%と、値上がり(39.2%)を上回っていました。つまり、市場全体では下げた銘柄のほうが多かったのです。

上昇したのは半導体・電子部品・非鉄金属といったセクターに集中し、一方でKDDI(9433)、ファストリ(9983)、リクルート(6098)、中外薬(4519)、任天堂(7974)、エムスリー(2413)といった内需・ディフェンシブ株はむしろ売られました。

これは30日と全く同じ構図です。半導体に資金が戻る反動で、これまで買われてきた内需・バリュー株が利益確定売りされる。資金が半導体とバリューの間を激しく行き来している。この「シーソーゲーム」が、月末まで続きました。

● 7月相場を振り返って

31日で7月相場が終わりました。

改めて振り返ると、6月25日の年初来高値72,366円から、7月28日には一時61,000円台まで、1万円を超える調整を経験しました。そして最終日に2,494円高で64,362円まで戻して着地。まさにジェットコースターのような1か月でした。

この1か月が私たちに教えてくれたのは、次のことです。相場は「AIに投資しているか」ではなく「その投資が利益になっているか、そして市場の期待をどこまで超えられるか」で動く。キオクシアの決算(過去最高益なのに予想未達)が、その総まとめのような結果でした。

そして、日経平均という一つの指数の裏側で、資金は半導体と内需・バリューの間を激しく移動し続けている。日経平均の数字だけを追っていては、この相場の本質は見えません。

● 8月相場に向けて

来週8月3日(月)は、キオクシアの決算を織り込んだ最初の取引日です。予想にわずかに届かなかった決算を、自社株買いと株式分割という好材料が支えられるか。ここが8月相場の最初の試金石になります。

また、国内企業の決算発表はまだ続きます。7月に学んだ「期待を超えられるか」という視点で、一社ずつ丁寧に見極めていくことが、8月相場を乗り切る鍵になります。

激動の7月を終え、いったん週末で頭を整理する良いタイミングです。目先の急騰・急落に振り回されず、業績と需給の両面から銘柄を選ぶ。この基本を守りながら、8月相場に臨んでいきましょう。

【無料】システムトレードの検証ができる株式投資ソフトのフリー版を無料プレゼントします。こちらをクリックください!


The following two tabs change content below.

西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。