AIに任せていいこと、任せてはいけないこと

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こんにちは、夢幻です。

前回まで、AIで仕分けツールを作りながらぶつかった壁を題材にお話ししてきました。

2か月半、失敗を繰り返してきて、ひとつ見えてきたことがあります。

AIには、任せていいことと、任せてはいけないことがある。
その線が、だんだん、はっきりしてきました。

今日は、その線引きの話です。

■ 任せていいのは「手を動かす」こと

まず、任せて大正解だったこと。

それは、手を動かす作業です。

たとえば、大量のデータを、決めた形に並べ替える。
何百件もの取引を、ひとつずつ分類する。
同じ処理を、毎日、休まず繰り返す。

こういう作業は、人間がやると、時間もかかるし、飽きるし、ミスもします。

AIは、文句も言わず、疲れもせず、一定の速さでこなしてくれる。

ここは、圧倒的に速い。任せて正解でした。

もし全部を自分の手でやっていたら、
このツールは、今も完成していなかったと思います。

■ 任せてはいけないのは「何が正しいか」

一方で、任せてはいけなかったこと。

それは、「何が正しいか」を決めることです。

前回まで、何度もお話ししてきました。

AIは、決まっていない部分を、それらしく埋めてしまう。
そして、けっこうな確率で、外す。

「この取引は、どちらに分類するか」
「この数字を、正解とみなしていいか」

こういう判断を、AIに委ねてはいけません。

もっともらしい答えが返ってくるので、つい信じたくなる。
でも、その「もっともらしさ」が、いちばん危ないのです。

■ 高値より、安値のほうが高かった

実際に、こんなことがありました。

株価には、その日の記録として、4つの値段があります。
始値、高値、安値、終値。

ここには、当たり前のルールがあります。

高値は、その日のいちばん高い値段。
安値は、その日のいちばん安い値段。
だから、高値が安値より低いなんてこと、あるはずがありません。

ところが、あるデータで、それが起きていました。

高値より、安値のほうが高かったのです。

株を触っている人なら、一目で「おかしい」と気づきます。
小学生でも分かる、大小の話です。

でも、AIは、素通りしました。

そのデータを使って、平然と計算を進めていたのです。

■ 私は、AIが勝手に気づくと思っていた

いちばんの誤算は、ここでした。

私は、こう思い込んでいました。

「AIは賢いんだから、こんな当たり前の間違い、勝手に気づくだろう」

でも、違いました。

AIは、指示されていないことは、やりません。

「高値と安値が逆転していないか、確認して」

私は、そう頼んでいませんでした。
だから、AIはチェックしなかった。それだけのことです。

人間なら、言われなくても気づくこと。
それを、AIは平気で見逃す。

賢いのに、抜けている。

この意外さが、いちばんの学びでした。

何をチェックすべきかは、人間が決めて、渡す。
それをしない限り、AIは、おかしなデータでも、黙って使い続けます。

■ 線引きは、シンプルだった

こうして振り返ると、線引きは、意外とシンプルでした。

「どうやるか」は、任せていい。
「何が正しいか」は、自分で決める。

作業は、AIのほうが速い。
でも、正解を知っているのは、自分だけです。

長年、相場と向き合ってきた人ほど、
「何が正しいか」の感覚を、持っているはずです。

その感覚は、AIにはありません。

だから、そこは渡さない。
渡していいのは、手を動かす部分だけ。

この線を引けてから、ツール作りは、ぐっと楽になりました。

■ まとめ

今回のポイントです。

・任せていいのは「手を動かす」作業。速さは圧倒的
・任せてはいけないのは「何が正しいか」の判断
・AIは、決まっていない部分を、もっともらしく埋めて外す
・実際に、高値より安値が高い異常なデータを、AIは黙って使っていた
・何をチェックすべきかは、人間が決めて渡さないと、AIはやらない
・「どうやるか」は任せ、「何が正しいか」は自分で決める

これは、システムトレードにも、そのまま当てはまります。

売買のルールを、どう計算するか。それは、任せていい。
でも、どんなルールに優位性があるか。それは、自分で見極める。

道具は、賢くなりました。
でも、何を正しいとするかは、これからも、私たちの仕事です。

今週やってみてほしいこと。

いまAIに頼んでいる作業を、ひとつ思い浮かべてください。

そして、こう分けてみる。

「これは、手を動かすことを頼んでいるのか」
「それとも、何が正しいかの判断まで、頼んでいるのか」

もし後者が混じっていたら、そこだけ、自分の手に取り戻してみてください。

任せる部分と、握る部分。
その線が見えると、AIは、ぐっと使いやすくなります。

次回は、

AIで誰でもツールが作れる時代に、
それでも私たちシステムトレーダーが強い理由を、お話しします。

それでは、また次回もお楽しみに!

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。

商号等:フェアトレード株式会社
金融商品取引業者 投資助言代理業
登録番号:関東財務局長(金商)第2669号
加入協会:一般社団法人資産運用業協会

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