日本株ここから長期で下落か…?



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From;西村剛

昨日(3/16)の日本株市場は下落しました。

日経平均株価は、前日比0.5%マイナスの21,676円51銭、マザーズ指数は、前日比1.2%マイナスの1234.64ポイントでした。昨日の日本株市場は、前日の米国ダウ指数が上昇したことを受け、寄り付きはプラスで始まりました。しかし、その後米国政府高官の解任報道などを受け売りが先行し、日本株が下落しました。

見逃せない「隠れた事実」

ただ、昨日の下落はこれが要因だということで良いのですが、実はこの裏で見逃せない事実が表面化してきました。そして、今これが日本株を低迷させている原因だと分かりました。その見逃せない事実とは、「外国人投資家の売り」です。彼らの動向を調べるために、いつも確認している「投資主体者別売買動向」を見てみましょう。

http://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
(『投資主体別売買動向:日本株 – トレーダーズ・ウェブ(株式情報、FX情報)』より引用)

これを見ると一目瞭然です。ここでは海外投資家と表現されていますが、彼ら外国人投資家は、1月2週目以降、日本株を売り続けています。しかも表の一番上にあるように直近週間(3月1週)も約3700億円と、比較的大きな金額を売り越しています。

この下落の根本は外国人投資家の動き

日本株を動かしている二大投資家である外国人投資家と個人投資家のうち、資金量が多くより彼らの動きで株価に影響を与えていることを考えると、彼ら外国人投資家の動きが、日本株に悪影響を及ぼしていたのでしょう。つまり、彼らのこのスタンスが続く限り、日本株は下落の道をたどると考えられます。

なぜ、彼らは日本株をそんなに売るのか?

では、なぜ彼ら外国人投資家は、日本株を売り越しているのでしょうか?やはり、それは今、日本の政治が騒がしいことや、依然として地政学リスクとして北朝鮮問題が残っているからなのでしょうか?…残念、いずれも違います。実は今もっと大きなことが、世界の株式市場で起きているのです。

まず、それを知るには、外国人投資家の基本スタンスを理解する必要があります。では、彼らの基本スタンスは何かですが、それは「長期的なスタンス」で日本株を売買する傾向があるということです。私たち個人投資家はどちらかと言うと、「投資で買って、トレードで売る」と、半分揶揄したような表現ですが、この言葉が示すように比較的短期売買のスタンスの傾向があります。ですが、彼らは基本的に私たちと違って長期保有を前提に、売買の意思決定をしているのです。

リスク資産を下げる動き

では、ここからが核心です。なぜ、彼らが日本株を売っているか?ですが…それは、日本株に限らず、世界中で「リスクの高い株式の保有比率を下げている」からです。念のため補足しておくと、リスクが高いというのは、他の投資対象よりもという話です。よくリスク資産などという言葉を耳にすると思いますが、様々な投資対象の中で、株式はリスクが高いものに分類されています。

思い返せば分かりますが、株式はもろに世の中の動きの影響を受けます。例えば、分かりやすいのはトランプ米国大統領が当選したときです。すぐに反応して、日本株は急落しました。ですが、次の日には、その反応が異常だった分かり、株価が回復しました。

というように、株式は他の投資対象に比べ、瞬間的に影響を受けることや、全くの0になることはほぼありませんが、他から比べると、資産が大きく目減りする可能性もあることから、リスク資産と考えられています。つまり、今外国人投資家は、その自分たちが投資対象にしているポートフォリオの中から、このリスクの高い資産である、株式全体の保有比率を下げているのです、

実は、日本株だけでなく世界中の株式市場で…

特に、米国の金利上昇懸念、トランプ政権への不信感など不透明な材料が増えてきたことで、世界中の機関投資家が、リスクの高い株式の保有を減らしてきているのです。その代わり、リスクの低い債権にポートフォリオの比率を高くして、資金を株式から債権にシフトしつつあるということです。その結果、株式を売り越すので、株価が下落傾向にあるということです。

もしかすると、今の下落の原因は日本で起きている政治的な部分や地政学リスクが原因と考えている個人投資家も多いかもしれません。ですが、実はこういった日本株そのものではないところで、この下落は起きているのです。その証拠として、日本だけでなく、世界中の株式市場がさえない展開になっています。

この下落はいつまで続く?

そして、ここで注意しなければならないのが、彼ら外国人投資家の基本スタンスが「長期」だということです。それを考慮すると、株式のリスク資産を減らし、債権などのリスクが低い資産にシフトすることは、短期ではなく長期で行われる傾向があるということです。明確な期間は何とも言えませんが、ただ数ヶ月から1年くらいかけて、ポートフォリオの比率を変えるために、資金をシフトさせていくでしょう。

ということは、数ヶ月から1年の間、彼らによる売り圧力が続くということです。つまり、それは今のような状況がしばらくの間続くと考えられるでしょう。そして、それは長期の下落トレンド入りを示すことになるでしょう。

私たちシステムトレーダーがすべきこと

では、私たちシステムトレーダーは、ここから何をすべきなのでしょか?それは、やはり長期の下落トレンドに突入した場合への準備をすること以外ありません。下落トレンドの準備は、これまで様々なことをお伝えしましたが、例えば、資金管理の強化やドローダウンの更新を想定したリスク管理などがありました。

また、その他にこのようなことを考えて、そこから見出されることをもとに準備をするのも良いかもしれません。

◯ここから1年かけて日経平均株価が20%下がると考えた場合、今取るべき行動は何か?

◯下落相場で暴落が起こったときに自分の売買ルールは機能するのか?

このような質問を自身にして、そこから見出されるものをもとに、売買ルールの改良に反映させるのも非常に良い準備でしょう。

これまであまり長期の下落トレンドを考えることはなかったかもしれません。もしくは、考えていても、そこまで現実味がなかったかもしれません。ですが、外国人投資家の動きを見る限り、いよいよ本気で長期の下落トレンドを想定して動かないといけないタイミングにきました。

パラダイムが違うと…

もちろん、システムトレーダーは、そのようなトレンド云々で動くものではないので、堅牢性の高い売買ルールを作成していれば何もする必要はないでしょう。ただ、株式市場が良いとき見た検証結果の捉え方と、株式市場が低迷しているときに見る検証結果の捉え方は、あなたのパラダイムが違うので、同じ数字でも違って見える可能性が高いでしょう。

「See(パラダイム/思考)→Do(行動)→Get(結果/習得)」の原則にあるように、パラダイムが違って入れば、必然的に同じものでも見えるものが変わり、捉える情報が変わります。情報が変わると、次に取る行動が変わります。すると、今度はパラダイムが変わる前と結果や得られるものが変わります。

ですので、楽観的になるのも良いですが、備えて損はないので、ぜひ今のパラダイムであなたの売買ルールを見直しておきましょう。そうすることで、より堅牢性の高い売買ルールになり、それがあなたに着実に利益を積み上げることをもたらすでしょう。

ー西村剛

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。