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From;夢幻
今回は先週した【検証期間】のお話の続編です。
前回のおさらいから
・検証には、バックテスト(過去検証)とフォーワードテスト(未来検証)がある。
・検証期間の設定については、以下を意識する。
1.様々な相場において検証を行うこと。
→上昇・ボックス・下落トレンドを含む期間を選択する。
2.十分にトレード回数を確保すること。
→10年以上が望ましい。
3.効率良く検証を行うこと。
短い期間で評価指標の目星をつける。
などについて解説しました。
今日は検証データの劣化について考えてみます。
検証データの劣化とは、データが古くなればなるほど、質が落ちるという事です。
検証期間のデータにおいては、例えば、過去の何十年も前のデータは今と制度も環境も大幅に異なる時代における株価データですから、果たしてそれがどの程度役に立つのか、そんな古いデータで検証した結果を信頼してよいのかという疑問を持つ方もいらっしゃる事でしょう。
これについては、様々な見方があると思いますが、私はここでも内的要因と外的要因に分けて考えています。
すなわち
内的要因→人間の本質的な行動パターンに付随するもの→時代に左右されにくい
外的要因→環境により変化するもの→時代に左右される
それぞれについて説明します。
内的要因で着目しているのが、投資家の価格に対する反応です。
例えば、株価が買値から50%上がったら、多少の調整(株価の下落)も気にならなくなり、楽観したり安心したりします。
逆のケースで、いきなり30%も下げたら、さらに株価が下げる事に対する不安や恐怖を感じるかもしれません。
このように、人間が持つ、価格に対する反応はバーゲンセールがいつの時代も購買意欲を掻き立てるように、変わらないのではないかと考えています。
次に外部要因で注目しているのが、注文スピードの変化です。
2000年頃はインターネットがようやく常時接続されたばかりでしたが、時代の変化につれブロードバンド化し、スムーズな発注が可能になっています。
そして、スマホの普及により、場所を選ばずに注文できるようになりました。
そして、昨今見逃せないのがコンピュータによる注文執行のロボット化でアルゴリズムを利用した発注によって発注速度は今後も早くなっていくものと思われます。
つまり、この点が株価に及ぼす影響は、時代によって変化していくのではないかと思います。
こういった時代によって”変化しない内部要因”と”変化する外部要因”が混ざり合って株価が形成されていると考えると私は仮定して考えます。
そして、私が重要だと思っているのが時代によって変わらない、つまり人間の本質的な行動による価格変化です。
これの影響を評価するのには、過去のデータでもあまり劣化しません。
もちろん、データが新しい方が良いですが、過去のデータであっても下落トレンドの株価変動で検証を行っておくことは非常に重要なのです。
そして、様々な仕掛けルールを見ると、過去に遡っても、そして、トレンドにも影響されにくい仕掛けルールというものが確かに存在することが確認できます。
そして、これらの損益曲線の傾きが一定な期間を遡ってみると、2000年以降のデータであれば大体変わらないことが多いです。
この点から私は過去の株価データであっても2000年以降であれば、十分検証に役立つデータであると考えています。
ただ、これより古い1990年代のデータになると極端に傾きが変わったり、トレード回数が減ったりしますので、やはり2000年より前のデータは古すぎるかもしれません。
来週では、これらを踏まえて私の検証期間や手順などを紹介してみたいと思います。
次回、お楽しみに。
ー夢幻
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