どんな相場でも通用する!?最強のバックテストの期間設定法【まとめ】



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from;夢幻

今回は先週した【検証期間】のお話の続編です。

前回のおさらいから

○検証データの劣化について

・株価データは様々な要因で形成されており、”時代に左右されにくい”内的要因と”時代に左右されやすい”外的要因がある。

・前者の代表的なものとしては、人間の感情の変化からくる行動パターンに付随するもので、価格への反応がある。

・後者の代表的なものとしては、インターネット・スマホ・アルゴリズムによる発注スピードの高速化がある。

・長期的かつ安定的な収益確保を目指すため”時代に左右されにくい”要素を主体としたエッジを狙う。
この評価には過去の相場の検証結果も有用で、様々なトレンドで検証しておくことが望ましい。

・仕掛けルールには、時代の変化に左右されやすいルール、左右されにくいルールが存在する。また、相場のトレンドに左右されやすいルール、左右されにくいルールが存在する。

・損益曲線が一定の傾きを維持している仕掛けルールは時代の変化に左右されにくく、相場のトレンドにも左右されにくいルールと考えられる。このルールを逆用して過去の株価データの有用性を観察すると、2000年以降は一定の傾きを維持している事が多い。

以上について解説しました。

最後の部分について少し補足します。

株価データ自体は、外的要因により変化していますが、これを仕掛けルールのベースで見ていくと、少し事情が変わってきます。

つまり、内的要因と外的要因のウエイトが仕掛けルールによって違うのでは?と私は考えています。

損益曲線が一定の傾きを維持しているという事は、内的要因つまり人間の行動パターンによる投資行動がその仕掛けを支配していると考えています。

分かりやすい一例をあげると、暴落局面による株価急落からの急反発でしょうか(笑)

こういった局面では、多くの投資家に株価急落という恐怖の感情が生まれ、投資行動を支配します。
熟練の投資家でなければ感情に左右されない適切な売買をすることは難しいですよね。

逆にこの時、適切に仕掛ける事が出来れば、利益を出しやすいといえます。
こういった内的要因主体の仕掛けルールは長期的に優位性が維持されやすいのではないかと思います。

仕掛けルールには様々なタイプがありますが、人間の感情が支配しているタイプの仕掛けルールは割と損益曲線が安定している傾向があります。

こういった損益曲線が安定しているタイプのルールであっても、2000年以前の値動きはあまりパッとしないことが多いです。この点から私は古いデータを使うにしても2000年以降の株価データを使うことにしています。

さて、最後に私が検証期間について、どのような設定をしているかを簡単に紹介しておきたいと思います。

期間は2006~直近2019年の14年間です。

下落トレンド、ボックス、上昇トレンドの比率は3:4:7になります。少し上昇トレンドに寄った調整になりますが、今後も現行の上昇トレンドが継続することを考えるとこのぐらいのバランスで良いのではないでしょうか。

実際のバックテストですが、少しここからはトリッキーです(笑)

1.検証期間を2つに分け、それぞれで検証を行います。

①2006~2012年までの7年間(下落、およびボックス相場)

②2013~2019年までの7年間(上昇相場)

2.それぞれ別々の期間ごとに【一定の方針に従い】ストラテジー設計(主に補足パラメータの選定)を行います。①と②でそれぞれストラテジーが出来ます。

3.①で作ったストラテジーを②の期間でフォーワードテストします。

4.②で作ったストラテジーを①の期間で逆フォーワードテストします。

5.それぞれのフォーワードテストの結果を踏まえて、①、②の選定パラメータを比較検討し、ストラテジーの最終調整を行います。

6.最終調整したストラテジーを①、②の検証期間でテストします。

大体のフローを示すとこんな感じですが、検証期間を2つに分ける大きな目的が2つあります。

1つは検証時間の短縮です。

検証期間を2つに分ける事で、2つのパソコンとライセンス(電池)を使えば並列して同時に検証が可能です。検証期間が半分になるのでバックテストの時間も半分になります。

2つめは、違ったトレンドの相場で別々にバックテスト、パラメータの評価を行う事により、パラメータの良し悪しが浮き彫りになるという事です。

ポイントはそれぞれの期間で【一定の方針に従い】、ストラテジー設計を行うことです。

要はケースバイケースで判断するのではなく、一定のルールで機械的にパラメータの選定を行うことです。こうして最終工程で2つの期間の検証結果を見比べた時に、どういった方針が良い結果に繋がったかがきちんと評価できます。

これを突き詰めていく事で、どのような相場でも通用する安定した売買ルールの作成が可能になるのではないかと考えています。

検証期間の選定や検証手順についてはいろいろ個性が出る部分で、テーマとしては面白い部分ではないかと思います。皆さんも一度考察してみると良いかもしれませんね。

ではまた次回お楽しみに。

ー夢幻

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。