恐るべきカーブフィッティングの罠(その5)【夢幻】



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夢幻です。

今回はカーブフィッティングのまとめです。

まず、カーブフィッティングが起こる根本的なロジックとして、

シス達などの検証ソフトを使って、ストラテジーの成績を良くしようと

検証を繰り返せば繰り返すほど、

数年に一度の〇〇ショックといった市場の大暴落や

個別株においては、外れ値とも言えるような、大きな損失を

排除する事が出来るのでした。

もちろん、その時に用いた条件式と排除した損失に明確な因果関係があり、それを正しく評価出来ていると仮定すれば、カーブフィッティングではなくなります。

しかしながら、検証をやみくもに行い試行錯誤を繰り返して
ストラテジーの成績が改善するような条件式を場当たり的に探すようなやり方では、
必然的にこのようなカーブフィッティングしたストラテジーしかできません。

この事から、カーブフィッティングを避けるガイドラインとしては、

・傾向を確認したり、おかしな損益分布の歪みがあれば、その理由や背景を確認する。

・小型株ではなく、大型株を狙う。

・大まかな傾向を掴み、パラメータを絞り込み過ぎない

・複数のパラメータを使わず、最低限のパラメータを用いる

この辺りに気を付けて、ストラテジーを作ると良いのでした。

また、前回説明した通り、個別株は損益分布のバラつきが大きいです。

これはそもそも新興銘柄の方が銘柄数が少なくトレード回数が少ない事と、
その上、値動きも軽いので1つの材料などの突発的な動きによる外れ値(大きな利益・損失)が損益の分布に大きく影響してしまうからです。

これに対し、東証一部は損益分布バラつきが小さく、傾向が分かりやすいです。

それは新興銘柄に比べると銘柄数が多く、トレード回数自体も多いのと、
流動性がある事で1つ材料などで突発的な動きが出たとしても、そこまで大きな外れ値が出にくい上に、
トレード回数が多く、1つのトレードの損益が大きくても全体の損益の分布に与える影響は少なく適度に均されるため、損益のバラつきが出にくいからです。

次に別の視点としてグラフを観察しながら、
更にカーブフィッティングの理解を深めていきたいと思います。

本文上に掲示されている損益グラフを見てください。

これは、新興銘柄を前日終値から一定率下がった場合に買い付け、引けで売るという単純なストラテジーです。

検証は資金無制限の標準モードで行っています。

グラフに〇が付いている部分があると思います。

グラフが垂直に下げている部分に青〇
グラフが垂直に上げている部分に緑〇

を付けています。

これらはいずれも、一日で大量の銘柄がシグナルの条件を満たし約定した日を示しています。

つまりは、個別銘柄の動きではなく、マーケット全体に大きく変動があった日ですなわち暴落や暴騰があったときの動きです。

青〇はトレードの大半がマイナスとなり、一日で大きな損失を出しグラフが垂直に下がっています。
緑〇はトレードの大半がプラスとなり、一日で大きな利益を出しグラフが垂直に上がっています。

さて、前出の”ストラテジーの成績を良くしようと検証を繰り返す”と

これらの〇を付けた日のトレードはどうなるでしょうか??

青〇を排除する条件式を入れると、ストラテジーの成績は(ものすごく)良くなります。
→その条件式は良い条件式として採用されます。

緑〇を排除する条件式を入れると、ストラテジーの成績は(ものすごく)悪くなります。
→その条件式は悪い条件式なので採用されることはありません。

結果として、青〇はどんどん削除され、緑〇は残ったままになります。
こうして綺麗な右肩上がりのグラフが出来上がるというわけですね。

このように、グラフの変化を見る事で、その条件式がどのような変化を及ぼしたかを視覚的に確認する事が出来るのがグラフを見る利点です。

①検証結果を数値を大まかにチェック
②固有の条件式の傾向を表形式にまとめ傾向を調べる
③グラフを目視で変化をみる
④個々のトレード結果でトレード事象を確認

このように深堀りすることで、どのような改善をしたのか、
適切な改善なのかを把握出来るようになります。

次回は番外編として、マルチストラテジーのカーブフィッティングについてお話したいと思います。

次回、お楽しみに!

ー夢幻

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。