Nuts倒産の歴史を振り返ると見えてくる、株式市場の闇【夢幻】



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夢幻です。

去る9月16日にジャスダック銘柄であるNuts(証券コード:7612)が倒産し、
破産手続きを開始しました。

倒産には、主に民事再生法・会社更生法などを適用し、会社存続を目指す場合と
倒産手続きをし、会社を清算するケースに分かれますが、

上場企業で破産手続きになったケースは比較的少なく約7年ぶりとの事です。

この9月16日にリリースされた破産手続き開始のIRを受けて、
株価は9月16日の終値30円から翌日17日の始値は6円と5分の1の価格まで下落
先週の終値では4円まで値下がりしました。

しかも、この破産手続開始決定のIRに記載されている内容には驚かされるばかりです。

どんな事が書かれているかというと、

2月に証取委に金商法違反の嫌疑で強制調査、外部調査委員会を設置

4月、監査法人元和により帳簿上8億円あるはずの現金預金が50万円しかない事実が発覚
監査法人元和は監査契約を解除した

8月、監査人として、監査法人アリアを選任、2020年3月期の有価証券報告書を作成するも現金が枯渇、資金調達の術もなく監査報酬を払えず監査法人アリアからも解除される

上場維持に必要な9月末までの有価証券報告書の提出が出来ない&事業の継続が困難なため倒産と、杜撰な経営の一部が明らかになりました。

一方で、このNutsという企業は識者の間では有名な仕手株であり、運営実態の無い
いわゆるハコ企業としても有名な銘柄でもありました。

何故なら、過去の決算書などを精査すると、売り上げ以上の役員報酬、交際費が計上されている期も多々あり、常識で考えてもおかしな点が多々あったからです。

そんな事もあり、ずっと100円未満の低位株で放置されていたわけですが、アベノミクス相場で株価も上昇に転じます。

アベノミクス当初19円だった株価も2017年の高値は365円と約20倍弱の株価を付けました。

その背景として、マーケットの好調さの追い風に加え、

医療関係を始め、様々な事業に参入するとIRを連発したり、

それに乗じて仕手筋や煽り屋が買い煽りをして株価を吊り上げ

それにイナゴが群がるというお馴染みの構図があったように感じます。

こういったNuts倒産の事業の歴史や株価の推移を振り返ると、

株式市場は上場企業の有用な資金調達の場であると共に、

マネーゲームの場でもあるという事が如実に浮き彫りになってきます。

Nutsは良くも悪くも、後者の代表的な銘柄として一世を風靡した
多くの投資家の記憶に残る銘柄だったと言えるでしょう。

株式市場のマーケットで資産形成する難しさは
少なからずこういったマネーゲームの世界にも足を踏み入れてしまうところにあります。

その結果、株式市場で勝ち組に入るのは約1割という厳しい現実があります。

この為、株式市場への参加は目的意識を明確にし、冷静さと慎重さが求められます。

そして、目的意識を明確にするためには、アナタの人生のビジョン、生き方を描く必要があり、その中で自己分析をし、価値観を明確にする必要があります。

ここを見極められると”どの程度のリスクを取り、どの程度のリターンを望むのか”が見えてきます。

例えば、堅実な資産形成を目指すのには、Nutsのような仕手銘柄は避けるべきですが
短期的な利幅を狙い大きな利益を目指すならNutsのような銘柄は選択肢に入るかもしれません。

こういった銘柄の特性を良く理解してトレードする事でより利益を狙う事が可能となりますが、同様に、株式市場を取り巻く環境を良く理解しておく事で、勝ち組上位1割に入る事も比較的容易になります。

次回は、株式市場を取り巻く投資業界の闇ともいうべき構造について、
解説していきたいと思います。

お楽しみに!

 

ー夢幻

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。