ゲームストップ株を巡る攻防、日本でも似たような現象は起きている?【夢幻】



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夢幻です。

早いもので2021年も1月の相場が終了しました。

日経平均は意外にも月末に崩れ28000円を大幅に割ってきました。

新興市場もマザーズが週明けは1300ポイントまで戻しましたが週末には1200ポイントまで下落、やや崩れやすい展開になってきたように思います。

昨年2月のコロナショックから間も無く一年、今年も波乱の2月相場となるのでしょうか・・・

〇株価に影響を与える制度変更に注意

・ニューヨーク市場で起きたゲームストップ株を巡る攻防

上に掲載したチャートはニューヨーク市場に上場しているゲームストップという銘柄のチャートです。

1月13日に31ドルだった株価はわずか10営業日で347ドルと急騰しました。

以下、直近の株価推移を載せますのでご覧ください。

1/21 43.03ドル 前日比+ 3.91ドル(+ 9.99%)
1/22 65.01ドル 前日比+ 21.98ドル(+ 51.08%)←1日で1.5倍
1/25 76.79ドル 前日比+ 11.78ドル(+ 18.12%)
1/26 147.98ドル 前日比+ 71.19ドル(+ 92.71%)←1日で1.9倍
1/27 347.51ドル 前日比+199.53ドル(+134.84%)←1日で2.3倍
1/28 193.60ドル 前日比-153.91ドル(– 44.29%)←1日で半分

特に、1月26および27日は1日で約2倍になるという驚きの上昇を見せています。

このゲームストップという会社はゲームの小売りチェーン店で、
日本で近い業態でいうとGeo(ゲオ)のような会社です。

業績も低迷している会社であり、これほどに株価が急騰する事は市場の常識的には考えにくいです。

何故こんなことが起きたのかというと、空前絶後の「空売りの踏み上げ」があったようなのです。

流れとしてはこんな感じ

シトロンキャピタルやメルビンキャピタルというファンドがゲームストップ株に空売りを仕掛けた事から始まり、シトロンは自社の会員にも空売りを推奨
     ↓
理由はバリュエーション(企業価値)で見た場合、割高だったから
     ↓
シトロンはこの空売り推奨する動画をアップし、売り煽り
     ↓
これを見たRedditコニュニティー(RedditはSNS)のユーザーが激怒
     ↓
Redditユーザーが一致団結してゲームストップ株を買い上げる(ロビンフッダー)
     ↓
10営業日で株価10倍となり、シトロンとメルビンは大損失を受けポジションを清算、白旗を挙げる

この前代未聞の空売り踏み上げ事件はニュースとして取り上げられ、ゲームストップ株を取引できるネット証券会社はゲームストップ株に取引制限措置をかける事態となり、1月28日はこれが原因で一転反落し-44%の急落となったようです。

短期的には需給が大きく株価を動かし、それが原因で企業価値とは全く別次元の株価を付ける事もあり得るという事を理解するのに面白い事案だと思います。

・日本のマーケットでも起きているゲームストップ株と似たような現象

ゲームストップ株のように1日で株価が2倍になる事はまずありえません。

これはNY市場は値幅制限が無いのに対し、東証の上場銘柄は値幅制限(ストップ高・安)があるからです。

しかし、規模の大きさこそ違えど似たような現象は水面下では起きています。

それは、昨年8月から値幅制限の拡大要件の見直しがあったからです。

見直し前)ストップ(高or安)が3営業日連続した場合、翌営業日から値幅制限の上限(or下限)を2倍に拡大

見直し後)ストップ(高or安)が2営業日連続した場合、翌営業日から値幅制限の上限(or下限)を4倍に拡大

※ただし、ストップはいずれも終日ストップで、日中に売買が成立していない事が条件

見直し前はストップ(高or安)が3日連続だったので、この値幅制限拡大が適用される事はほとんどありませんでした。

ストップ高連続なら、もの凄い好材料が出た場合など
ストップ安連続なら、もの酷い決算が出た場合など
それに加えて、値動きの軽い小型株でたまに適用される事があるぐらいだったと思います。

これが、ストップの条件が1日減ったのに加えて、適用された場合の値幅制限の拡大も4倍と大きくなったために、これを逆用した動きが散見されています。

特に空売りを踏み上げる動きが目立ちます。(売りは貸借銘柄でないとできませんが、買いはすべての銘柄で出来るため)

具体的何が起こっているのかというと、条件のストップ1日目の翌日にものすごい買い(売り)が入り、連続ストップが起こりやすくなっているのです。

つまり、見直し後の連続ストップとなった場合の4倍適用を狙った買いです。

場合によっては1日で100%以上動くケースも理論上はあり得る事となり、ゲームストップ株のような踏み上げが起こるケースも今後あり得るでしょう。

これにより、急騰銘柄の空売りや急落銘柄の買いの売買ルールが値幅制限で4倍適用となり、思わぬ損失を被る可能性が起きやすくなっています。

特に、気を付けなければならないのが、シグナル発注銘柄が終日ストップや場中の材料などで特別気配のままストップになるケースです。

いずれもストップで引けた場合は翌日もストップまで担がれて、4倍適用コンボを食らう可能性があります(笑)

これらを売買する売買ルールの損益にどのような影響を与えるかも気になる所ですが、発注を出している注文がストップになっていないかは必ずチェックし注文を取り消すなどこまめな対処が必要になってきていますのでご注意くださいね。

では次回もお楽しみに!

 

ー夢幻

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。