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夢幻です。
コロナショックから早一年が経過しました。
コロナショックの大暴落の底値が2020年3月19日だったのでちょうど一年経過したという事になります。
暴落の渦中ではまだまだ下がると言われてましたが結局2番底も来ず、株価はこの日を底に、1年もの間、上昇を続けてきました。
底値を付けた2020/3/19終値と2021/3/19終値を比べて、市場の各指数がどの程度上昇したかを調べてみたところこんな結果になりました。
日本の指数
・日経平均16552円→29792円(+80%)
・TOPIX1283p→2012p(+56.8%)
・マザーズ557p→1230p(+120.5%)
・JASDAQ平均2784p→3932p(+41.2%)
アメリカの指数
・NYダウ 20087→32862ドル(+63.6%)
・NASDAQ 7150p→13116p(+83.4%)
この間、買いポジション中心のポートフォリオを組んだとして
東証1部などの大型株中心のPFなら、1年利回りは現物のみで+50%、レバレッジ2倍なら+125%程度が平均値
新興市場中心のPFなら、1年利回り現物のみで+80%、レバレッジ2倍なら+220%が平均値です
例えば、225構成銘柄のユニクロをこの間保有していたとすると
2020/3/19の株価・・・約40000円
2021/3/19の株価・・・約91000円
なので、やはり現物のみでも+100%(2倍)、レバレッジ2倍なら+300%(4倍)以上になっている計算です。
システムトレードなどの短期売買中心のトレード戦略とのパフォーマンス単純比較はできませんが、ここまで一直線に上昇を続けるとバイ&ホールド戦略の凄さが垣間見える相場ではあったかと思います。
●「機関投資家が課せられている説明責任とは!?」
前回のメルマガではトレーダーが持つべき2つの役割、設計者と運用者について説明しました。
〇設計者・・・トレードシステム(トレード戦略)の立案・設計・構築
〇運用者・・・トレード戦略を執行、運用する
そのきっかけとなったとあるシステムトレーダーの話を参考事例として挙げました。
その方は、設計者、つまりトレード戦略の構築は自分でやっていましたが、実際の売買は奥様に委任して、自分は実際の売買から距離を置くことで、シグナル通りの売買を行う事が出来るようになり、運用が上手くいったというお話です。
普通、個人トレーダーはすべてを1人で行っている事が多いため、設計者と運用者といった明確な役割分担をする必要性がありませんが、このように人を軸に役割を分けている事例を見るとそれぞれの役割が明確になってくると思います。
今日は設計者と運用者を考えるに至った、もう一人のトレーダーの話です。
その方は、ソロモンブラザーズアジア証券でデリバティブトレーダーとして活躍し、その後、トレーディングデスクのマネージャーとして活躍したシンプレクス・インスティテュートの伊藤 祐輔さんです。
10年以上もヘッジファンドを中心としたファンド運用を経験しており、日本ではデリバティブ取引の先駆者ともいえる方で、私は伊藤さんからプロのディーラーの考え方を学びました。
その中で、とても印象に残っているのが、個人投資家と機関投資家の違いについてインタビューしたときのお話です。
その中で伊藤さんは、個人投資家と機関投資家(プロのトレーダー)の大きな違いについて”説明責任”が存在する事をお話されていました。
機関投資家はファンドを組成する時に、広く投資家から資金を集めますが、それには、ファンドがどういった投資対象をどのように売買をするか、すなわちファンドの設計方針について明確に定める必要があります。
これらは、ファンドの目論見書に纏められていて、投資家はそれらの目論見書を見てどのような方針で自分の資金が運用されるのかを理解し投資をするわけです。
例えば、
米国株を中心にPFを組み運用をするとか
新興国を中心にPFを組み運用するとか
売りと買いを組み合わせて運用する(ヘッジファンド)とか
最近だと、AIが判断して売買し運用するとかもありますね。
(実際の目論見書は何十ページにもわたり、運用方針が記載されているのが通例です)
つまり、ファンドの目論見書はトレード戦略(システム)の設計書といえるものです。
当たり前ですが基本はこの目論見書に沿った売買を機関投資家は行わなければなりません。
そして、実際にどのように売買したかを投資家に報告する義務があります。
これが”説明責任”と呼ばれるものです。
当たり前ですが、目論見書に書かれていないような売買は許されないわけです。
そんな事をしていたら安心して運用を任せられないですよね。
この説明責任により、機関投資家は厳しいルールの下で、厳格な管理をされ運用されているのだとお話していました。
もし、ファンドの方針に沿わない売買をすると、たとえそれで利益が出たとしても怒られ、場合によっては報告書(始末書)を書かされるようないわゆる過失といえるようなものです。
つまり、利益を出すこと以上にルールを守るという事を課せられているのが機関投資家という存在であり、それに付随する説明責任です。
自己資金を運用して、システムに従えない、ルールに従えないというのは、結局のところ、そういった説明責任を果たす相手が存在しない、とどのつまりは自分自身が良ければそれで良いという甘えがあるのだと、この話を聞いて感じました。
この伊藤さんから聞いた話も、個人投資家でも自身の中で、設計者と運用者の役割分担を意識付けすることになった貴重な話です。
もし、システムに従えない、売買ルールを破ってしまう事があるという方は、運用している資金が他の人に託されているお金と考えたら、あるいは破ったら始末書を書くぐらいの気持ちをもってトレードに取り組んでみて下さい。
あるいは、その度に自分で始末書ノートを作って、反省文を書いても良いかもしれません(笑)
では次回お楽しみに!
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