薄利多売トレードで本末転倒?【田村祐一】



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日経平均株価が3万円を久しぶりに突破しました。

菅首相が自民党総裁選に不出馬となったことで、
にわかに株式市場も明るい雰囲気に変化しています。

ここ最近の株価上昇の強さは異常であり、
これを見ている菅首相はどんな気持ちなのでしょうか(苦笑

正直、コロナ対策なんて誰がやっても同じようなものではないかと
思いっているので、少し菅首相が可哀想に感じますね。

さて、雑談はさておき、、、

実は最近、私がマンツーマンの講師として
システムトレードをレクチャーする講座がスタートしました。

それ自体の募集はすでに終わっているのですが、
この講座では、事前審査が設けられています。

事前審査では、申し込まれた方の
実際に実運用で使っているルールを提出いただいて、
それをもとに審査をさせてもらいました。

ただし、審査と言っても、

提出されたルールに改善点があれば審査通過で、
改善点がなければ不合格といった特殊な審査です。

改善点がないほど良いルールなのであれば、
もう教えることがほとんどないので(笑

お申込み自体は結構あったのですが、
実際に何名かはルールが十分素晴らしかったのでお断りしました。

今回は、審査に申し込んだ方のほとんどが
システムトレードの上級者の方でしたが、

その多くの方が、ある一つの問題点を抱えていることが分かりました。

それは、

マルチストラテジーの構成が良くない

という点です。

提出いただいた売買ルールを一つ一つ確認すると、
単体の売買ルール自体に致命的な問題はありませんでした。

細かい点を見ると、気になる点はいくつかありましたが、
総じて、実運用に使用しても問題ないルールばかりでした。

しかし、マルチストラテジーでみると、
かなり致命的な問題を抱えていることが分かりました。

「構成が良くない」という詳細は、以下の2点です。

・ある1種類の戦略の数が多すぎる
・薄利多売系の戦略の数が多すぎる

という2点です。

「ある1種類の戦略の数が多すぎる」というのは、

例えば、「順張り戦略」で複数本ルールを保有しており、時と場合によっては、
運用資金の大半が順張り戦略で買い付けした銘柄で独占される状態を指します。

どんなに素晴らしい戦略であっても、
相場状況によっては、うまく利益が上げにくい時期が当然来ます。

その時に、1種類の戦略に運用資金が偏っていると、
想定以上に損失を被るリスクが発生します。

具体例では、「順張り」をあげましたが、
これは順張りに限ったことではなく、すべての戦略に当てはまります。

運用資金の60%以上が、1つの戦略に独占される可能性がある場合には、
マルチストラテジーの投入する資金の設定を調整する必要がありそうです。

上級者の方ほど、同じ順張り戦略でも、
設定の異なる複数の順張り戦略を保有していたりします。

そういう人ほど、この問題に直面しやすく注意が必要です。

ビジネスでもシステムトレードでも
資源の一極集中は危険です。

次に、「薄利多売系の戦略の数が多すぎる」ですが、
「薄利対売」=「コツコツ小さい利益を積み上げる」ことを指します。

これに当てはまる戦略というと、
「押し目買い戦略」「デイトレ売り&買い」「1泊2日買い」等の
戦略が代表例として挙げられます。

これらの戦略の本数が多ければ多いほど、
不用意に損失を被るリスクが高くなります。

いつ不用意な損失を被るかというと、
「株式市場の急落&暴落時」です。

押し目買い戦略やデイトレ系ルールは、
条件の設定が非常に甘い設定となっています。

トレードチャンスをなるべく増やし、資金効率をよくするために、
ちょっとした株式市場の調整でもトレードが発生します。

株式市場が平常時であれば、それで問題はありませんが、
株式市場の暴落時には、これらのルールはほぼ100%負けます。

株式市場の暴落時に、押し目買い戦略やデイトレ戦略が負けても、
逆張り戦略が機能してくれて、その負け分を補填してくれます。

ただし、これはちゃんとマルチストラテジーの構成が
上手くいっている場合だけです。

「薄利多売系の戦略の数が多すぎる」と、
逆張り戦略がちゃんと機能してくれなくなります。

なぜなら、逆張り戦略でトレードが発生するタイミングよりも、
ずっと浅い下落で、運用資金の大半が使用されてしまうからです。

薄利多売の戦略が、浅い株価の下落時にトレードがたくさん発生し、
それらの戦略で運用資金がほとんど使われてしまい、
逆張り戦略には満足に資金を回すことができなくなります。

その結果、株式市場の暴落時、急落時に、
大きな損失を被って終わってしまうのです。

システムトレード上級者の人ほど、
資金効率を重視して薄利多売系戦略を導入しています。

資金効率を考えることは非常に重要ですが、
いざというときに、大事な戦略にお金が回せなくなるのは本末転倒ですね。

これは私の持論ですが、

「1つの売買ルールをきれいに作成すること」以上に、
「マルチストラテジーの構成の良し悪し」のほうが、

実運用の成績に大きな影響を与えます。

正直どれだけきれいな右肩上がりの売買ルールを作っても、
マルチストラテジーでお金の使い方を間違えれば、
どんなによい売買ルールを作成しても負けます。

システムトレード上級者ほど、いろんな戦略を持っているので、
なおさらマルチストラテジーの構成については注意が必要です。

いかがでしたでしょうか。

もし、少しでも自分に当てはまりそうと思った場合には、
一度マルチストラテジーの構成を見直したほうが良いです。

幸い、株式市場は好調な時期ですので、
見直すならば今しかないでしょう。

急落が暴落が発生してから気付いても遅いです。

ー田村祐一

 

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