資産1億円の高い壁、毎月いくら積み立てれば30年でリタイア可能?【夢幻】



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夢幻です。

今週の相場は週明けから大きく崩れました。

週末の連休にかけて中国の不動産大手の恒大集団(エバーグランデ)が
デフォルトの危機というニュースが報じられたことで相場は急変。

日経平均は1週間足らずで29500円まで1000円ほどの下落となりました。

その後、中国政府が恒大集団の債務不履行(デフォルト)を回避するよう指示したとの一報が報じられた事でひとまず株価は反発、週末にかけては30000円を回復し、ひとまず落ち着いた印象です。

しばらくボラティリティの高い相場が続きそうですね。

●FIREのためのサブプラン

前回のFIREベーシックプランの復習とサブプラン(サイドFIRE)について

FIREベーシックプランのおさらい(概要)

・リタイア後の年間支出額(生活コスト)を決める
・年間支出の25倍が目標貯蓄額
・資産はインデックス投資や国債などの安定資産で運用

例えば、サンプルケースとして、
生活コストが年400万なら、目標貯蓄額は1億円となります。

このケースの場合、目標貯蓄額が達成したら

・当初決めた生活コスト分(400万円)を毎年取り崩す
・貯蓄額1億円から投資利益が見込めるのでほぼ資産を減らす事無く維持可能
・30年後に資産が0になる可能性は4%程度と低い

ちなみに、資産が残っている確率は96%程度ですが、この場合は中央値ベースでも投資元本(1億円)より資産が増えているそうです。

これらは1990年代に米国で行われたトリニティスタディの研究がベースとなっています。

前回、この目標資産額の25倍は4%ルールというものに基づいているという話をしたのですが、

”インデックス投資と国債の平均利回りをおおよそ4%として、その利回り分を取り崩す”という前回の解説は間違っており、

正しくは、

”インデックス投資と国債の平均利回りはおおよそ7%で計算されており、そこからインフレ率を3%として4%ルールが定められている”

が正解でしたので、訂正しておきます。

実際はインフレ率に応じて400万円の実質的な価値が目減りしてしまいますので、それも考慮されており、実際はインフレ率を考慮して取り崩す形になります。

400万、412万、424万・・・といった感じで、インフレ率分、取り崩す額を調整して計算されているようです。

その分、平均リターンの7%から差し引かれて4%が定められて
いるというわけです。

なお、トリニティスタディの研究では30年間の成功確率(資産が0にならない)が示されていますが、その後、有志によりEarley Retirement Nowというサイトでは更にアップデートされたデータがあり、同じように1871~直近2015年までのデータを元に算出した結果

30年後に資産が残っている確率・・・95%
40年後に資産が残っている確率・・・86%
50年後に資産が残っている確率・・・74%
60年後に資産が残っている確率・・・65%

となっています。

つまり、50歳でリタイアして毎年4%を取り崩しても、50年後の100歳まで資産が残っている確率は74%となっています。
(Earley Retirement Now→https://earlyretirementnow.com/2016/12/07/the-ultimate-guide-to-safe-withdrawal-rates-part-1-intro/)

確かに、この取り崩し戦略は非常に有効で、25年分の資産で50年間も取り崩せる確率がこれだけあるのは驚きですね。

ちなみに、このデータの作者は若いうちにFIREする場合は、取り崩し率を4%→3.5%にする事を薦めています。

何故ならこの調整をするだけで

30年後に資産が残っている確率・・・100%
40年後に資産が残っている確率・・・98%
50年後に資産が残っている確率・・・93%
60年後に資産が残っている確率・・・89%

と、成功確率が大幅にアップするからです。

投資で如何に資産を形成するかも大事ですが、如何に出口戦略(取り崩し戦略)が大事かもわかりますね。

●リタイア後も好きな事を仕事にするサイドFIRE

ところで、サラリーマンの平均手取り額の毎年400万円を取り崩すのですら
まず1億円の資産が必要というのはFIREがいかに高い壁か分かります。

ちなみに、どれぐらい難しいかというと、50歳で1億円の資産を築くには

・毎年の積立金額は12万円、年間で144万円
・想定利回り5%
・20歳から初めて50歳まで30年間

でようやく一億円程度の目標貯蓄額に到達します。

上の画像は金融庁のページで1億円貯めるシミュレーションをした結果ですので、見てみてください。

(金融庁の資産運用シミュレーション:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html)

内訳は積み立て元本が4320万円、運用収益は5667万円です。

税金を考慮すると更に月額+1万円ほど上乗せが必要となり、相当節約出来る人か年収が高い人でないと難しい印象です。

1億円の貯蓄額が現実的でないとすると、生活コストの100%を運用収益から賄うFIRE(これをフルFIREと呼んだりします)から少しスケールダウンするFIREもあります。

これはサイドFIREと呼ばれ、これは生活コストの一定率は運用収益から賄い、その他を仕事による労働収益から賄う考え方です。

例えば50%を運用収益から賄う場合は400万の生活コストの内200万は投資で、残りの200万を仕事で稼ぐ計算です。

これであれば、目標貯蓄額は200万×25倍=5000万で達成となり、毎年4%の200万を取り崩す計算です。

投資の収益で生活コストの半分をカバー出来ているので、労働による収益のベースを落とすことが出来、仕事が選べるようになります。

そもそも、FIREの思想事体が、早期リタイアして好きな事をするという人生設計(ライフデザイン)の考えもあるので、好きな事をしつつ(多少お金も稼げるよう模索する)というのが現実での落としどころかもしれません。

さて、FIREまでの資産形成と取り崩しのイメージが沸いた皆さんは、システムトレードなどアクティブ運用で利回りをアップ出来れば

・もっと目標貯蓄額も小さく
・もっと取り崩し額も大きく

出来るのでは?と考える方もいるかもしれませんので、次回は自分で運用をする事を想定したFIREプランを考えてみたいと思います。

では次回もお楽しみに!

 

ー夢幻

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。