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夢幻です。
前回の値幅制限拡大の変更により、新興株・小型株のボラティリティが急上昇している事を解説しました。
この制度変更は昨年の8月から実施されていますが、本格的に影響が出始めたのは夏以降だと思います。
この件について、当初メルマガに書くつもりはありませんでした。
というのも、この制度変更は多少の影響はあるものの、自分にはプラスに働くだろうと考えていたからです。
我々システムトレーダーのようなボラティリティトレーダーにとっては、このボラティリティの上昇は歓迎すべき事です。
何故なら、ボラティリティの上昇により、平均利益・平均損失がともに上昇し、結果として平均損益が上昇するからです。
ただし、平均損失が上昇する事から、大きな損失を被る割合や、その絶対額も拡大します。したがって、ドローダウンも拡大します。
結果
・ボラティリティを利用し利益を得るトレーダー
・資金管理の適応力がある
・資金力がある
これらのトレーダーには有利に働くと考えられます。
今でもその可能性はあると思っていますが、よくよく値動きを観察して少しまずい事に気づきました。
それはこの制度ですが、拡大適用になった際に
2日間連続ストップ高(ザラバ売買なし)→翌日の上限(高値)を4倍に拡大する
2日間連続ストップ安(ザラバ売買なし)→翌日の下限(安値)を4倍に拡大する
という条件のみ記載があり、当然
2日間連続ストップ高(ザラバ売買なし)→翌日の下限はそのまま
2日間連続ストップ安(ザラバ売買なし)→翌日の上限はそのまま
と片方の値幅だけを拡大しているからです。
当然ながら、適用日の上下の変動幅が違うのでボラティリティが均一にならず、値動きに歪みが出てしまう可能性があります。
例えば、平均利益、平均損失がともに上昇するが、平均損失のほうの上昇率が大きくなる、結果として平均損益がマイナスになってしまうという懸念があります。
ボラティリティの観点からいえば、制限拡大の適用になった場合に、「上下の値幅を共に4倍に拡大する」というのが望ましいですが、そういった制度にはなっていません。
恐らく、この制度を作った背景には、「大きく動く可能性があるストップ値に余裕を持たせる」程度の考慮しかされていないのだと思います。
実際問題として、ストップ高の場合は上値が4倍となりますが、下値はそのまま(1倍)の為、当日の下値リスクが限定されます。
このため、適用日前日や当日にかなり強い動きをする事が多く、この値幅拡大を狙った仕掛けも確認していて、現時点ではこの歪みが不利に働いていると考えています。
そこで、この制限拡大の影響がある程度、データがそろい把握できるまで、こういった銘柄を拾ってしまうストラテジーについては、ポジション量を調整し、ストラテジーの見直しをする予定です。
なお、システムトレーダーとして最も気を付けなければならないのは、ザラバ約定せずに、終日ストップとなっている銘柄の注文取消し忘れです・・・汗
私も年に1~2度はやってしまうのですが、これまでとは比べ物にならないぐらいの損失が出る可能性がありますので、注意してください。
引け前の確認はもちろん、出来れば昼時点で確認、安全を期すならば
その時点で注文を取消しなど対処が望ましいです。
また、過去のメルマガでストラテジーの見直すタイミングをいうのを記事として挙げていますが、今回の件は下記2に該当する典型例となります。
1・多くの人が似たシステムを使う事によるインパクト
2・市場の制度変更によるもの
3・トレンドの変化によるもの
4・外的要因に大きな変化があり、人々の思考が変わった
復習としてこちらの記事も確認してみてください。
では次回もお楽しみに!
ー夢幻
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