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夢幻です。
2022年は個人投資家にとって厳しい相場のスタートとなりました。
個人投資家の主戦場と言われる新興市場ですが、
マザーズ指数は前月比-23%と大幅安となりました。
1月の安値は719ポイントと2020年10月の高値1368ポイントからおよそ半値引き
しかし、コロナショックで527ポイントから半年程度で1368ポイントまで駆け上がっているので、この程度の下げはあって当然なのかなと思います。
当初は中値の900ポイントあたりまでの調整を想定し、
そこで一旦揉みあう事を予想していましが、
その900ポイントも一気に突き抜けて700ポイントを割れそうな所まで下がるとは少し驚きですね。
●一月相場、相場急変のサインはいつ?
1月相場、特に底を付けた最終週で退場に追い込まれる、あるいは追証寸前だった投資家も多かったのではないかと思います。
本来ならば、1000ポイント割れ、遅くとも900ポイント割れ辺りで
ハイレバレッジな強気勝負は控えなければならないところです。
恐らく1月の下落をレバレッジを使い、勝負し続けた投資家の資産は
ピーク時の半分、下手をすると1/3ぐらいになってしまうケースもあり得るでしょう。
こうなると短期間で取り戻すには2020年のような指数が2倍になるような相場が来ないと難しいと思います。
個人的には現時点でピーク時の3割引き、7割程度の資産が残っていれば合格点かなと思っています。
実は1月末の相場ですが、分かりやすい最後の逃げ場(ターニングポイント)がありました。
それは1月24日の夜間、NYダウが大きく動いたことがそのサインです。(上の画像の矢印参照)
この日のダウは34070ドルで始まり、途中大きく下げて33150ドルと約900ドル下げ(前日比では1100ドルの下げ)、引け前に急反発して34364ドルと1200ドル戻して引けており、大きな下髭陽線となりました。
しかし私が着目したのは、底値から大きく戻した事ではなく、その指数の変動幅です。
以下のNYダウの変動率の推移を見てみます
日にち 値幅 変動率
1/18 399ドル 1.1%
1/19 532ドル 1.5%
1/20 820ドル 2.3%
1/21 667ドル 1.9%
1/24 1270ドル 3.7% ←値幅の急拡大がサイン
1/25 1045ドル 3.0%
1/26 939ドル 2.7%
1/27 765ドル 2.2%
1/28 924ドル 2.7%
このように、1/24の値動きでボラティリティが急上昇し、
その後の変動率も大きくなっている事が分かります。
●生き残りの立ち回りは保有株と指数のボラティリティをチェックする
下落相場、暴落相場の立ち回りとしては、
『総資産に対する”リスク量”を一定に保つ』
という事を前回お話ししました。
”リスク量”=ポジション量(建玉量)×ボラティリティ
とあらわされ、前回は簡易的にボラティリティを考慮せず一定と仮定し、
ポジション量≒レバレッジを一定に保つことにより、
リスクコントロールする立ち回りをご紹介しました。
今日はボラティリティを含めたリスク量について説明します。
例えば、1000万の資産に対し
ケース1)
・建玉時価・・・2000万円(レバレッジ2倍)
・保有株の変動率・・・日次平均2%
の場合、総資産に対するリスク量は
2000万×0.02=40万
40万÷1000万=0.04(4%)となります。
同じように、1000万円の資産に対し
ケース2)
・建玉時価・・・2000万円(レバレッジ2倍)
・保有株の変動率・・・日次平均5%
の場合、総資産に対するリスク量は
2000万×0.05=100万
40万÷1000万=0.1(10%)となります。
つまり、リスク量とは”総資産に対して、どのぐらい資産が日々動くのか”を数値化したものです。
上のどちらのケースもレバレッジは2倍ですが、リスク量は全く違います。
この事から、リスク管理にはレバレッジと同じぐらい、保有銘柄のボラティリティも重要だとわかります。
日次1%以内に収まる大型株であれば、レバレッジ2倍以上でもそれほどのリスク量ではありませんし、日次3~5%動くような新興銘柄であれば、レバレッジ1.5倍でも高いと言えます。
個人的にはリスク量は0.01~0.02程度に抑えたいところです。
●ボラティリティの性質からリスク量の変化に着目する
さて、ここで、1月下旬のマーケットの話に戻ります。
まず、押さえておきたい事が、ボラティリティの一般的な性質として、直近数日のボラティリティと当日からその後数日のボラティリティには正の相関があるという事です。
分かりやすく言うと、『一旦大きく動くと、しばらくその大きな動きが続く』
NYダウでもサイン日の1月24日に3%を越えてからも2%を越える変動率で推移しています。
また、NYダウと日経平均株価にはある程度値動きに連動性があるため、
NYダウの変動率が上がると、日経平均やマザーズ指数、個別株の変動率も上がる傾向があります。
このような流れで、NYダウが大きく動いた→日本市場も今後大きく動く可能性が上がったのです。
当然、この25日の朝の時点では、投資家各々のリスク量が自動的に引きあがったので、
リスク量が許容範囲のギリギリの投資家はポジション調整(減らす)をし
リスク量を落とす事が生き残りの為の最善手となります。
ただ、この日、マザーズ指数は約1%のギャップアップでスタートしました。
もしかすると、24日のNYダウの1000ドルを越える反発の動きを見て
アメリカ市場の底打ち感からマザーズ指数も一旦底打ちとみて買戻しに
走った投資家も多かったのではないでしょうか?
上のボラティリティによるリスク量の急上昇を考慮すれば、
もし反落に転じた場合、どれほど自殺行為であるか理解して頂けると思います。
実際、25日のマザーズの寄りは820ポイントでそこから結局25日は寄り天で日中6%の値下がりとなり、翌々日27日にも6%の値下がりとなりました。
このように、下落相場が続き指数のボラティリティが大きくなっている時には
下落幅もかなりの水準となるため、相場の変化を捉え、的確に対処しないと致命傷となります。
なお、システム系のような短期トレーダーの場合のリスク量のコントロールは個々のストラテジーの仕掛け量を減らすという方式が使えるので、是非取り入れてみてください。
大きく動く銘柄に資金を入れたくなりますが、生き残る為、ドローダウンを落とすためには大きく動く新興銘柄には小資金で、小さく動く大型株には大きな資金で取りに行くのが正解かなと思います。
では次回もお楽しみに!
ー夢幻
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