「株はメンタルが大事」の間違い。正解は○○○をコントロールする【夢幻】



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夢幻です。

株はメンタルが大事と良くいいます。

類語では株は握力が大事という言葉もあります。

前者は損失に耐える事を指し、後者は利益の確定を我慢する事を指します。

要は、現状のポジションを維持し、ルール通り本来のEXITポイントまで耐える事です。

いずれも、精神論のように聞こえますが、はたしてそうなのでしょうか?

もし、この課題に対し、メンタルを鍛えよう”と考えているとしたら、それは間違いです。

正確に言うと、メンタルを鍛えるのは長い相場経験が必要なので別の角度から対策すべきです。

例えば、今のような下落相場では、買いポジションを維持するのは損失が拡大し、ストレスがかかります。

特に、セリングクライマックスのようなマーケットのすべての銘柄が激しく下落するような場面では、損失が広がり恐怖を感じる事でしょう。

このようなメンタルが大事と言われる場面に対し、課題に適切に対処するためには、問題を正しく認識する必要があります。

この恐怖はどこから来るのでしょうか?

これは、リスク量(資産に対する変動率)が自身のリスク許容量を超えているため起きている恐怖です。

それを理解して頂く為に、簡単な事例を挙げてみます。

今、あなたが1000万円のポジションを持っているとします。

通常は数パーセント程度の資産変動かもしれませんが、下落相場に見舞われ、一日で-10%、100万円の含み損を抱えたとします。

この時のリスク量は総資産に対し0.1、つまり10%です。

もし、あなたの資産規模が1000万円ならこの100万円を一日で失う事は精神的に苦痛を伴うはずです。

例えば手取り20万円の兼業投資家であれば、これは5か月分の収入に相当します。

この恐怖は、

『資産が目減りする事により、あなたの未来が変わってしまう。
未来の生活が奪われるかもしれない』

という不安からくる恐怖です。

では、少し極端な例を出しますが、宝くじに当たるとか何かの幸運が起きて、明日あなたの口座に10億円が振り込まれるとしたら、どうでしょうか?

恐らく、1000万円のポジションの資産変動で更に損失が拡大しても、さほど痛みを感じないと思います。

それは、資産が100倍になった事で、リスク量も1/100の0.1%まで下がったからです。

仮に、1000万円のすべてを失っても、この10億円がある限り、あなたの未来は変わらないからです。

つまりメンタルの問題ではなく、リスク量の過多の問題なのです。

ですから、メンタル云々ではなく、リスク量を下げる(コントロールする)が対処としては正解となります。

そして、このリスク量が大きすぎるが故の恐怖は、過大なリスク量により、ワーストケースが見えなくなる、どのような損失が起こり得るのかを把握できていないことによる事が多いです。

人は、未来が想定できない事が起きると特に恐怖を感じるからです。

そして、マーケットは得てして、そういったリスクを取りすぎる強欲な投資家を狙い、
恐怖で適切な判断能力を奪い、本来とは違った場面で損切りをさせ損失を出させる(資金を奪う)ような動きをします。

そもそも、メンタルが大事などというリスク過多な状況にしてはダメなのです。

自分に起こり得るリスクをきちんと事前に測定し、それに対処するスキルがあれば、メンタルなど必要ないのです。

システムトレードにおいては、起こり得る最大損失は過去検証における最大ドローダウンとなります。

最大のリスクを測定出来ている事は、システム運用継続の大きな強みでしょう。

また、メンタル=リスク許容量とも言え、

メンタルを鍛える=リスク許容量を増やす、と考えるのではなく、

運用を続けながら、自身にとっての最適なリスク量を見極め、常にリスク許容量を越えない範囲で利益の最大化を目指す事が大事です。

そして、そういった経験を続けていくことで資産変動に慣れていき、
自身のリスク許容量も上がっていきます。

では次回もお楽しみに!

ー夢幻

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。