持ち越しの売買ルールの検証の注意点(トレード要素の抜け落ちについて)【夢幻】



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夢幻です。

ウクライナ情勢は落ち着きを見せてきていましたが、4日にウクライナの原発がロシア軍の攻撃を受け火災が発生したというニュースが報じられると相場は大幅下落しました。

4日の日経平均株価は場中800円安、マザーズ指数も場中5%安と売り込まれました。

これまで、ウクライナ軍が善戦しており、ロシアに対する非難や経済制裁から
ロシアの軍事侵攻も長くは続かないと考えられ市場は落ち着いた様子でしたが、
マーケットの雰囲気は一変しました。

核戦争が起こる事を想定している人は少ないと思いますが、この原発を攻撃されることを事前に予想し、考慮していた人は少ないのではないでしょうか?

しかしながら、こういった局面で1つのニュースで大きく株価が変動するという事は、
なんとなく理解出来るのではないかと思います。

したがって、まずはポジションを小さくしリスク量を抑えるのが立ち回りの基本です。

相場のボラティリティは、例えるとコースの難易度と言えます。

今の相場は急カーブが続くコースです。

そして、ポジション量(レバレッジ)はスピードに該当します。

リスク量を落とすという事は、急カーブが続くような場面に出くわしたら、
そのコースに合わせて適切にスピードを調整するのと同じです。

スピードを落とさないと優れたドライバーでもコースアウトしてしまいます。

また、見通しのよい、一直線のコースに戻ったら、あらためてポジションを取れば良いです。

私は、レバレッジ2倍は時速200km、レバレッジ3倍は時速300kmと考えています。

速度を守って安全運転に努めましょう。

持ち越しの売買ルールの検証の注意点(トレードの抜け落ちについて)】

皆さんは持ち越しの売買ルール(オーバーナイト、スイング)の検証におけるトレード要素の抜け落ちについて理解しているでしょうか?

前回の毎日の”オーバーナイト損益を全銘柄調べてみる”を例にとってみましょう。

・買いルール
終値が100円以上
終値がストップ安でない
発注方法→翌日に引け成り行き注文で買い

・売りルール
売りシグナルの翌日に成り行き売り

これで一見良いように見えますが、実はそうではありません。

実際に2022/1/4をスタート日として検証期間を指定し、トレード一覧で見てみると以下のようになっています。

検証①2022/1/4~2022/3/3

4日(火)
5日(水)シグナル日
6日(木)エントリー日
7日(金)イグジット&シグナル日

11日(火)エントリー日
12日(水)イグジット&シグナル日
13日(木)エントリー日
14日(金)イグジット&シグナル日

・・・

これはシステムトレードの達人の”ポジションを保有している間はシグナルを出さない”という仕様があるためです。

これにより例えば、6日の引け後にシグナルを抽出してもシグナルが出ない為、7日の持ち越しの仕掛けは為されず、損益が抜け落ちてしまっています。

本来ならば、6,7,11,12,13,14の持ち越しの損益をすべて計算したいですが、上記で計算されるのは6,11,13で残りの7,12,14は抜け落ちています。

なお、この検証結果は画像の左上で右上がグラフです。

この場合は平均損益は0.05でした。

スタート日を1日ずらして検証期間を2022/1/5~にすると以下のようになります。

検証②2022/1/5~2022/3/3
4日(火)
5日(水)
6日(木)シグナル日
7日(金)エントリー日

11日(火)イグジット&シグナル日
12日(水)エントリー日
13日(木)イグジット&シグナル日
14日(金)エントリー日

・・・

となって、7,12,14~のオーバーナイト損益を調べる事が出来ました。

なお、この検証結果は画像の左下で右下がグラフです。

この場合は平均損益-0.10と同じストラテジーですが、スタート日をずらしてトレード対象となる日をずらした結果この短期間では全く異なる結果となっています。

この抜け落ちがあるため、前回の決算シーズンの持ち越しの検証では、抜け落ちが発生しないように、曜日毎のストラテジーを作り、別々に検証・集計しています。

このようにすれば、すべての持ち越しの損益を調べる事は出来ますが、これを発展させて

”特定の条件の時にオーバーナイトする”といったルールを作る事を想定して、
この特定の条件の傾向を見る時にはこの抜け落ちがかなり厄介です。

例えば、特定の条件が、”当日10%安”などの厳しい条件であれば、その条件に毎日当てはまる事は稀なので、この抜け落ちが発生しづらいのですが

条件が”当日陰線”なら仕掛けるのような比較的出やすい条件だと、持ち越し翌日のシグナルの損益が抜け落ち反映されなくなります。

実際にストラテジーを作る場面ではある程度、厳しい条件になり、この抜け落ちが誤差の範囲に収まっている事が多いのでさほど問題はないですが、パラメータを評価する段階では、この抜け落ちにより結構誤差が出る事は理解しておいた方が良いです。

持ち越し時に同じ銘柄に仕掛けないというのは、実運用ベースで考えられているからだと思いますが、特定の仕掛けにおけるテクニカル指標の傾向を調べる上では、”仕掛け中も含めて仕掛け条件に当てはまるすべてのトレードを検証する”ような設定も必要だと感じました。

では次回もお楽しみに!

 

ー夢幻

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。