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東証の市場再編が本日行われます。
東証1部、東証2部、マザーズ、ジャスダックと言った区分がなくなり、
プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の
3つの新しい市場区分に再編します。
株式投資をしていれば
ほとんどの方が知っていると思います。
市場再編が行われることで、
私たち個人投資家にどのような影響があるのでしょうか。
ファンダメンタル投資の視点と
システムトレードの視点でそれぞれ私なりの考えをお話しします。
「〇〇さんの息子さん、東証1部上場企業に就職だって」
なんてフレーズが使われていましたが、
これからは、「プライム上場企業」という名前に変わるんですかね?(笑
このメールマガジンを書きながら、
そんなことを考えていました。
話はそれましたが、まずはファンダメンタル投資の視点から
東証の市場再編について私なりの結論をお伝えします。
結論から言うと、ファンダメンタル投資の視点から言えば、
今回の市場再編は全く影響はないです。
そもそも今回の市場再編は、正直市場再編と呼べる代物ではないです。
東証1部に上場している銘柄の約85%の銘柄が、
市場再編後の最上位のプライム市場にそのまま移ります。
もともとこの市場再編は、
東証1部という日本市場の最上位市場に
その最上位市場に上場しているのには
そぐわない銘柄が最近増えてきたから行われたものです。
しかし、ふたを開けてみれば、
東証1部の約85%がプライム市場に移るので、
個人的には市場再編の意味があるのか全く理解できません。
単純に東証1部の上場維持基準を厳しい方向に
設定変更するだけでも十分だったような気がします。
なんとも日本らしい改革?で着地したので、
私たち個人投資家にとっては、大きな影響はないです。
しいて言えば、東証1部銘柄で、
プライム市場に上場できなかった約15%の銘柄については、
少し影響があると言った感じでしょうか。
機関投資家は、最上位市場の銘柄しか買えないといった
投資対象の銘柄に一定の制限をかけて運用しているケースがあります。
プライムに上場できなかった銘柄を
機関投資家が保有を手放さざるを得ないことから、
そういった銘柄については、短期的に株価が下がる可能性があるでしょう。
とは言っても、そういう銘柄は時価総額が小さく、
普段は投資家に見向きもされていない銘柄ばかりなので、
ほとんどの投資家にとっては、無関係の話でしょう。
ファンダメンタル投資では影響は皆無ですが、
システムトレードではどうでしょうか。
システムトレードについては、
少しだけ影響があると私は考えています。
システムトレードでは、売買ルールを作成する際に、
トレードの対象をあらかじめ決めてルールを作成します。
「全銘柄」を対象としたルールであれば、
これまでと変わらずに運用できますが、
対象を限定している場合には少し注意が必要です。
以下に、各市場ごとの影響度を私の基準で記しておきます。
東証1部 → 影響度:小
東証2部 → 影響度:小
ジャスダック → 影響度:大
マザーズ → 影響度:大
日経225 → 影響度:小
TOPIX → 影響度:小
東証1部銘柄を対象とした売買ルールについては、
少し過去の検証結果として成績は下がるものの、
「東証1部」を「プライム」に変更するだけで、
売買ルール自体に大きな影響はないでしょう。
その理由は、ファンダメンタル投資の話で申し上げた通りです。
ほとんどの東証1部上場銘柄がプライムに移行するからです。
問題は、ジャスダックとマザーズでしょう。
ジャスダック銘柄とマザーズ銘柄は、
多くがグロース市場に移ります。
両市場ともに、新興企業の上場が多く、
今回ひとつの市場にまとめられました。
多くの投資家にとって、ジャスダックもマザーズも
新興株のイメージを持っており、
今回の統合についてはそれほど問題視していないかもしれません。
しかし、この統合はシステムトレーダーにとっては大問題と言えます。
なぜなら、両市場ともに規模の小さい会社が多いと言う意味では同じですが、
行っている業務の内容が全く異なります。
ジャスダック市場は、サービス業や小売業の割合が高い市場です。
東証1部の構成と似ており、昔ながらの業務内容が多いです。
一方で、マザーズ市場は、ITや最先端技術等の新業種が多いのが特徴です。
言い方は悪いのですが、
ジャスダック=古い業種、
マザーズ=新しい業種
といった感じです。
これらが同じ市場にまとめられますので、
株価の傾向が全く異なる銘柄が入り混じってしまいます。
その結果、マザーズを対象に作成した売買ルールを、
単純に「グロース市場」を対象に変更しても、
売買ルールの成績は維持できません。
ジャスダックについても同様です。
むしろ、マザーズ市場向けの売買ルールを何も考えずに、
グロース市場を対象に運用すると、損失が出るでしょう。
よって、市場再編が行われたとしても、
マザーズ向けの売買ルールは、
マザーズ銘柄を対象としたまま運用を継続したほうが良いです。
おそらく、グロース市場も、時間がたてば、
どんどん新しい技術を持った成長期待銘柄がどんどん新規上場し、
徐々にもとのマザーズ市場のような構成になっていくのではないでしょうか。
ただ、それにも時間はかかると思いますので、
少なくとも数年は待たなきゃいけなそうです。
東証の改革って、数年に1度行われていますが、
まともに良かった改革ってあまりないイメージなんですよね。
やるなら、もっと大胆に、かつ投資家のためになるならいいのですが、
いつも微妙な、お茶を濁すようなことばっかりで。。。
困ったものです。
ー田村祐一
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田村 祐一



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