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夢幻です。
先日のセミナーのご質問で指値のエントリーについて、買い指値=安値の場合の約定判定についてのご質問を頂きました。
現行の検証ソフトのデフォルト値では、買い指値=安値の場合は全株約定とみなして検証するというケースが多いと思います。
しかしながら、実運用していると、
・買い指値に届いたが、部分約定(発注数の全株が約定せず一部分の株数の約定となる事)となり、利益の一部しか取れなかった
・買い指値に届いたが、1株(1単元)も約定せず、利益とならなかった。
というケースもあります。
当然、これら場合はデイトレの買いルールであればプラス(最悪でも買値=引け値の引き分け)となるので、検証上の数値と比較した場合、利益を取りこぼしている事になり、その影響を気にする方も多いと思います。
これを考慮して、現行の検証ソフトでは
”買い指値=安値の場合は約定なしとし、1ティック下の価格に到達した場合のみ約定とする”
という検証も出来るようになっています。
(システムトレードの達人では”1ティックオーバーで約定”とするというオプション設定がこれにあたります)
当然ながら、1ティック下の価格に到達したという事は買い指値は必ず通過している為、必ず約定したと言えるからです。
さて、売買ルールの設計の際にこの設定を使うか否かについては、様々な意見がある事でしょう。
この設定を採用する事は、1ティック下に到達しなければ約定とみなさないという、かなり厳しい条件で検証する事になります。
検証上でも、この部分約定や未約定のケースを想定し、安全マージンを確保するという点ではこのオプション設定を使うのもありだと思います。
一方で、指値注文において、”買い指値=安値”となったトレード場合は、その価格でぴったり反発したわけですから期待すべき良いエントリーと言えます。
売買ルールによってはその総利益のかなりの割合をこの買い指値=安値のトレードが占めるケースもあります。
この面で、”買い指値=安値”のトレード結果を完全に省いてしまう事も誤差が大きいように感じますが、実際のところどうでしょうか?
実際に2つのサンプルルールを用いて、その影響を観察してみましょう。
ストラテジー例①
・1ティックオーバーなし(買い指値=安値で全株約定)
勝率:53.61%
平均損益:0.13%(平均利益2.19%)
合計損益:39910.56%
売買回数:312412
約定率:86.1%
1ティックオーバーあり(買い指値=安値で約定なし)
勝率:52.96%
平均損益:0.10%
合計損益:31110.84%
売買回数:308108
約定率:84.91%
売買回数の差は 312412-308108=4304回(勝数4215回)となり、
合計損益の差は 39910.56-31110.84=8799.72%となります。
(これは元の合計損益の約22%)
買い指値=安値だった場合の平均損益は8799.72÷4304=2.04%(平均利益は8799.72÷4215=2.09%)となります。
買い指値=安値の場合のトレードは勝ちまたは引き分けとなるため、
1トレードあたりの利益率も2%と高いです。
次は、株価数百円の低位株帯の売買ルールです。
ストラテジー例②
1ティックオーバーなし(買い指値=安値で全株約定)
勝率:54.11%
平均損益:0.27%(平均利益2.65%)
合計損益:8570.69%
売買回数:31354回
約定率:7.29%
1ティックオーバーあり(買い指値=安値で約定なし)
勝率:49.17%
平均損益:0.05%
合計損益:1469.6%
売買回数:28129
約定率:6.54%
売買回数の差は 31354-28129=3225回(うち勝数:2868回)となり
合計損益の差は 8570.69-1496.6=7101.09%となります。
(これは元の合計損益の約82%)
買い指値=安値だった場合の平均損益は7101.09÷3225=2.20%(平均利益は7101.09÷2868=2.47%)
低位株のこのルールの場合は合計損益のなんと8割強を買い指値=安値のトレードが占めています。
この場合は、買い指値=安値で約定なしとするのも厳しすぎますし、一方で、買い指値=安値で全株約定とするのも、検証としては甘すぎると思います。
これらの結果も踏まえ、一つ抑えておくべきポイントとしては、
『”1ティックオーバーで約定”というオプション設定のあり、なしのどちらも過去相場に於いて正しい検証結果を反映してはいない』
という事ではないかと思います。
よって、実検証の場では、このオプションはあり、なしでそれぞれ検証し結果を見比べ、その影響を考慮し、参考とするのが望ましい姿勢といえます。
上記のように、売買ルールにおける株価帯や、ボラティリティ、流動性、指値の位置(約定率)など様々な要素でこのオプションの有無の差は変わってきます。
私自身のこの設定の活用方法としては、
実際運用していて、指値=安値で約定しない、部分約定に終わるケースもありますが、
ストラテジー例②のような低位株ゾーンでなければ
約定するケースの方が多いと感じますので、同値約定ありの方が誤差は少ないように感じます。
同値約定なしですと、実トレードで起こり得る買い指値タッチで約定するケースを一切認めないわけですからね(汗
よって基本はこのオプションなしで検証しますが、上記のように補足でオプションありでも検証し、その影響を確認するようにしています。
このオプションが出来たことで、上記のような計算を用いれば買い指値=安値の場合の、損益や合計損益の差などが確認出来る為、その誤差が気になっていた方にとってはこのオプションは有難いでしょう。
実際に運用する売買ルールでは、かならず買い指値=安値のトレードの割合や利益の割合をどの程度占めるか事前に確認しておく事が好ましいですね。
では次回もお楽しみに!
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