調子の悪いストラテジー使い続けるor停止する?新しいポジションサイジングのアイデア【夢幻】



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夢幻です。

あなたのポジションサイズ(仕掛け額)はどのように決定されているでしょうか?

一般的に資金効率を最重視するようなポジションサイジングを考える場合、
ありがちなのが”平均損益率”を重視し、平均損益率の高い仕掛けほどポジションサイズを大きく、平均損益率の低い仕掛けほどポジションサイズを小さくするという考えです。

しかし、多くの仕掛けを見ればわかることですが、”平均損益率”の高い仕掛けは”平均損失率”も大きい、すなわちリスクが大きいから”平均損益率”が高くなっていることが多くいです。

このような仕掛けに資金を集中してしまうと当然ながら致命的なドローダウンを覚悟しなければなりません。

よって運用の継続の観点からいうと、”平均損益率”が大きいから優れた仕掛けとは限りません。

こういった考えから私は、致命的なドローダウンを避けるためにポジションサイズの決め方を、平均損失額の大小により決定しており、仕掛け毎の平均損失額を均一化するという考え方を重視しています。

具体的には以下のように決めます

・1発注当たりの平均損失額が運用資産の0.2%以下になる

例えば、運用損失額が1000万円の場合は仕掛け毎の損失は

10000000×0.002=20000円

が目安となります。

つまり、

平均損失率が-5%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷5%=400000円
平均損失率が-4%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷4%=500000円
平均損失率が-3%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷3%=666666円
平均損失率が-2%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷2%=1000000円
平均損失率が-1%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷1%=2000000円

とこんな感じになります。

とはいえ、平均損失額が-1%であっても、-10%の損失を出す取引も長い期間を経ればありますから、これと併用して

ポジションサイズの上限を運用資金の10%未満にする

というように上限を別途決める場合もあります。

このルールを追加する場合は、100万円が上限なので、以下のようになります。

平均損失率が-5%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷5%=400000円
平均損失率が-4%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷4%=500000円
平均損失率が-3%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷3%=666666円
平均損失率が-2%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷2%=1000000円
平均損失率が-1%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷1%=1000000円

このポジションサイズの決め方の良いところは、仕掛け毎の損失を均している事で、ドローダウンを小さく出来ることと、運用資金の増加、減少に合わせてポジションサイズの見直しを行うことができることです。

例えば、ドローダウンを受けて運用資金が1000万→500万になった場合は、仕掛け毎の損失は

5000000×0.002=10000円

となり、当然ながらすべての仕掛けのポジションサイズも半分になります。

上記が私のポジションサイズの基本的な考えなのですが、少し困ることが出てきてしまいました。

例えば、ある仕掛けが急に機能しない、つまり直近の平均損益率が下がってきた場合に少し対処が遅れることがあるのです。

特に、ここ1年ぐらい「過去10年~15年」のような検証期間で作成した仕掛けが機能しずらいと感じるので、少し調整を加えたほうが運用しやすいと考えて、一つ良さそうなアイデアを思いついたので紹介します。

それは、

”直近の平均損益率と長期の平均損益率を比べて、ポジションサイズを動的に変更する”

というやり方です。

具体的には、規定のポジションサイズに(直近の平均損益率)÷(長期の平均損益率)を乗じるというのがすぐ思いつくやり方でしょうか。

例えば、仕掛けルールの作成に用いた検証期間が10年で、直近の参考期間を3年とする場合、それぞれの平均損益率を比べて、ポジションサイズを調整します。

例えば、

検証期間10年の平均損益率が0.5%
検証期間3年の平均損益率0.3%

の場合は、規定のポジションサイズに0.3÷0.5=0.6を乗じます。

この場合は、

平均損失率が-5%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷5%×0.6=240000円
平均損失率が-4%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷4%×0.6=300000円
平均損失率が-3%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷3%×0.6=400000円
平均損失率が-2%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷2%×0.6=600000円
平均損失率が-1%の仕掛けの場合、ポジションサイズは20000÷1%×0.6=1200000円

と計算できます。

つまり、直近の調子が悪い仕掛けには資金の割り当てを減らすという考え方です。

もし、直近の成績がマイナスになった場合は、仕掛けを0にしますが、直近の成績がプラスに転じた場合にまた少額から仕掛ける事になるので運用しやすいのではないかと思います。

直近のストラテジーの調子は悪く使うのをやめようか迷っているというような場合もストラテジーの停止タイミングは難しいと思うので上記のようなポジションサイズのルールを各自作ってみると良いかなと思います。

では次回もお楽しみに!

 

ー夢幻

 

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。