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夢幻です。
先日のメルマガで、「加齢によるお金の効用の減価の法則」について解説しました。
これは、お金の価値は加齢、つまり、
健康・体力の低下、好奇心の低下、精力の低下により、
取り出せる価値(この価値とはあなたにとっての相対的な価値)の量は低下していく
というものです。
この事実を理解するとベーシックなFIRE戦略には致命的な欠陥がある事に気づきます。
それは完全なFIREを目指すと、資産活用する時間が殆どなくなってしまう事です。
これはどういう事か順を追って説明します。
まずFIREのセオリーに従えば、
資産形成に用いる戦略は”インデックス投資×積み立て投資”
そして、資産活用(資産の取り崩し)に用いるのが4%ルールというものです。
4%ルールは、生活費の25倍の資産があれば、毎年4%を取り崩す(出金する)をしても、
元本資産をほぼ減らす事無く生活していけるというものです。
仮に、年間の生活費をサラリーマンの平均年収400万程度と仮定してシミュレーションを行ってみます。
すると資産のゴールは
400万×25倍=1億円になります。
では、”インデックス投資×積み立て投資”で1億円を貯めるにはどのぐらいの積み立て資金と時間が必要でしょうか?
1億円の資産が形成出来るのはあなたは何歳になっているのでしょうか?
仮に、社会人になって少し落ち着いた25歳から資産形成を始めるとし
積み立て中の平均年収を平均の400万程度として以下の条件
資産形成のスタート・・・25歳
毎月の積み立て額・・・12万円(年間144万円・貯蓄率36%)
インデックスの利回り・・・5%
でシミュレーションしてみると、30年間でちょうど1億円になる計算で
資産形成終了した時の年齢は55歳になります。
この1億円があれば、インデックス投資で400~600万程度の不労所得があるので、4%の取り崩しルールによりほぼ元本を減らす事なく毎年400万円を引き出す(取り崩す)事が出来ます。
具体的な数値を挙げると、長期的なシミュレーションによれば、
30年後に資産が残っている確率はおよそ96%
60年後に資産が残っている確率はおよそ89%
です。
これだけの高い確率ならよほどの不運が無い限り、ほぼ資産が尽きてしまう事な無いといえるでしょう。
しかし、一方で、私はある事が気になりました。
それは、
55歳になってから30年以上生きられる確率ってどのぐらいあるのだろう?
という単純な疑問です。
そこで、厚生労働省の平均余命のデータから30年生きる確率を計算してみたのが上の図の表です。
これによると、55歳時点から更に30年後に生きている確率は男性がおよそ51%、女性が73%です。
資産が残っている確率が96%もあるのに、それよりも自分が生きている確率の方がはるかに低いのです。
これは平均寿命から計算した確率なので、お金を有意義に使える健康寿命で考えればもっと確率は低くなります。
この結果から、平均的な収入の人が完全なFIREを目指すと
資産活用する時間が殆どなくなってしまい、
資産が尽きるよりもかなり早く死ぬ事になります。
前回、
お金にも気力にも充実している40~60歳の間に資産を上手く活用する事が望ましい
と説明したのはこのためです。
今回、1億円まで資産形成するプランを考えましたが、現実的ではなく、
”貯めすぎ”、つまり過剰な資産形成プランになっていると言えそうです。
では、どうすればよいのか?
そのあたりを次回解説していきたいと思います。
では次回もお楽しみに!
ー夢幻
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夢幻
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