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夢幻です。
前回のメルマガで、平均的な収入の人が完全なFIRE(フルFIRE)を目指す場合、1億円は貯めすぎであるという事を説明しました。
これは、平均年収の400万円のサラリーマンが25歳から30年間かけて1億円を目指す事を想定した場合、月々12万円の積み立てを続ける事で55歳でおよそ1億円の資産に達します。
1億円の資産形成後に、1億円から毎年の生活費400万(4%)を取り崩すと
30年後に資産が残っている確率はおよそ96%
60年後に資産が残っている確率はおよそ89%
これだけ高い確率があるのに対し、
55歳の男女が30年後に生きている確率は
男・・・51%
女・・・73%
と非常に低い確率しかないからです。
ちなみに、60年後に生きている確率は男女ともに0%です(笑)
このデータを見比べて言える事は、
資産が無くなる心配をするよりも、自分がどうすれば長生き出来るのか健康でいられるのかを心配した方が良いという事です。
このように、フルFIREを目指して1億円の資産形成をすると待っている現実は
”資産活用する時間が殆どなく、自分が先に死ぬ”
という事になります。
これは、大半の人が総資産の7~9割の資産を残して死ぬというデータにも合致しています。
ちまたのFIREの情報を鵜呑みにしてそのまま実践し、
60歳前後で資産形成が上手くいったところで、
待っているのは気力も体力も精力も無い自分自身と、
有り余るお金、という悲しい未来となるでしょう。
したがって、”資産の活用・取り崩し”についても、様々なデータを分析して綿密なプランニングをする事が重要になってきます。
しかしながら、FIREの戦略は資産の取り崩しについて、寿命などのデータは考慮されておらず、具体的な最適の取り崩しプランについての戦略がありません。
そこで、私が考えたアイデアの一つが
・自分が死ぬ確率と、資産が尽きる確率を同じ水準に合わせる
というものです。
例えば、
資産が30年後尽きない・・・96%
男55歳が30年後に生きている・・・51%
女55歳が30年後に生きている・・・73%
なのですから、逆に
・30年後に生きている確率が96%ある男女の年齢は幾らか?
を求めてやれば一つの目安になります。
上の表からこの年齢を求めると、男がおよそ26歳、女がおよそ32歳になります。
つまり、資産の生存確率や寿命を考えると、この年齢までに資産を形成し終えて
取り崩し始めると、ちょうど自分が死ぬ確率と資産が無くなる確率が同じ水準になります。
対して、実際に資産形成が終わるのは55歳なわけですから、
男は55歳-26歳=29年
女は55歳-32歳=23年
平均するとおよそ26年もの取り崩し時間の不足が発生してしまうわけで、結果”大半の資産を残したまま死ぬ”という結論になります。
ちなみに、日本人の平均寿命が84歳ぐらいなので、
平均寿命が110歳ぐらいあれば、55歳までしっかり1億円貯め、4%ずつ取り崩すというプランはちょうど良いと言えそうです。
この事から、いくつか考えられる事は
・資産形成のゴールを1億円よりも低く設定する
・取り崩す割合(4%)を高くする
・男性は女性よりも5年ほど寿命が短いので、取り崩しのスタートを早めに設定する
この辺りを調整していく事が考えられます。
次回は別の切り口から資産形成・取り崩しの最適解を探してみたいと思います。
では次回もお楽しみに!
ー夢幻
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夢幻
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