AIのチャート分析と売買判断についての可能性



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こんにちは、夢幻です。

前回のメルマガで、ラビット(rabbit) r1というAIを搭載したパーソナルアシスタント機器(端末)を紹介しました。(上の画像)

この端末はアシスタントAIが搭載されており、音声やカメラ経由で様々な指示をすると代わりに作業をやってくれる機能が備わっています。

その可能性として前回、カメラ経由でチャートを見せて、チャートの売り買いを判断させて、注文までしてもらえる未来がいつかくるかも、ということを書きました。

それについて、知り合いのトレーダーが

「AIがチャートを判断して、売りか買いかを判断して人間の代わりにトレードすることなんてできるの?」

というような趣旨の質問を頂きまして今回はこれについて整理してみたいと思います。

まず、上の疑問を考えるには作業を2つに分ける必要があると考えていて、

1つは、①AIに情報を与えて(この場合はチャート)、売り買いの判断をさせる事

つまりは、AIによる株価予測です。

もう一つは、②判断に沿って、トレードの執行を行う事です。

今回のAIアシスタント端末で出来る事は、主に②になると考えていて、これはそれほど遠くない未来に可能になると思います。

ただし、AIがチャートを自発的に判断するわけではないので、チャートパターンに応じて、どの売買ルールを執行するか、などは決めておく必要はあるでしょう。

例えば、

チャートパターンA→シグナルA を執行
チャートパターンB→シグナルB を執行
チャートパターンC→シグナルC を執行

こんな感じで、アラートに応じて、注文を出す感じです。

なので、判断基準となる売買ルール(ストラテジー)はあらかじめ用意しておく必要があるのだと思います。

では、①のチャートを判断して株価予測についてAIは出来るのでしょうか?

これも、遅かれ早かれ可能になると考えています。

その根拠となる研究として、「Googleの猫」という研究が昔、話題になったのをご存じでしょうか?

これはGoogleがAIの研究の過程で発表されたもので、「人が猫という存在をAIに教える事なく、自発的にAIが猫を認識することに成功し、示された」というものです。

ここで、前段階があって、人が猫という存在をAIに教えて、AIが猫を認識するというAIの開発手法があります。

このAIに教えるというのは、あらかじめAIに猫の画像や動画、音声といった猫固有の情報をあらかじめAIにインプットし、そのAIに猫を判断させるというものです。

これが猫のデータ(正解のデータ)を教師からの例題とみなして、「教師学習」と呼ばれるAIの学習のアルゴリズムです。

まぁ、これはあらかじめAIに猫がどういうものかを教えているわけで、猫を判断できるのもそこまで違和感はないと思います。

これに対し、Googleの猫では、事前に猫のデータを与えずに、AIが猫を判断出来るようになったのです。

具体的には、Youtubeに投稿されたビデオの中から無作為に1千万枚の画像を取り出してAIに学習させたところ、AIが猫が映っている画像を見分けられるようになる事が分かりました。

この学習方法を深層学習やディープラーニングなどと呼びますが、AIに猫という概念を教えずにAIが猫を判断出来る事が示された事で、世界的にも注目されました。

戻って、ここから考えられるのは、買いで利益が出るパターンを沢山読み込ませれば教師学習により、AIは買いチャートを判断できるようになるでしょうし、売りもまた同様に可能だと思います。

また、深層学習を用いればチャートという概念を教えなくとも、AIはチャートというものを判断出来るのは可能でしょうし、いずれ買い売りの判断も、判断基準のデータ(情報)を与えなくとも可能になってくるのでしょう。

しかし、①の課題はAIの学習に膨大なコストがかかることです。

前回、Meta社のザッカーバーグ氏が2024年中にH100というAIの演算を行うGPUチップを34万個購入するのも、AIの開発のためとありますが、このハードだけで1兆円を超えています。

また、H100を動かすのに、700Wの電力が必要で24時間稼働で、一日あたり数百円、34万台を動かすと毎日電気代だけで1億円を優に超えます(笑)

もちろん、これは世界ナンバーワンのAI企業を目指す投資なので額も桁違いですが、AIの開発には、数千万~億のお金がかかるのが普通なので、まだまだ一般の投資家が活用するのはまだまだ先のお話ではないかと思います。

しかしながら、AIを使ったトレードの自動化レベルであれば、十分に実現、実用可能なコストで出来るのは近いと思います。

これからのAIの発展に期待したいところですね。

では、次回もお楽しみに!

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夢幻

平均年利100%以上を叩き出し、今なお資産を増加し続ける現役の専業システムトレーダー。 会社員時代は投資教育会社の統括マネージャーとして、成果を挙げた個人投資家やプロトレーダー、ファンドマネージャーなどに数多く会い、様々な実践トレードの手法を学ぶ。 斉藤正章氏や西村とも古くから交流があり、「システムトレードの達人」を開発当初から愛用している。 退職後は、当時の資金500万円のうち100万円を設備投資に使い、資金400万円で専業トレーダーに転身。 トレードの利益から生活費を捻出するため、当初は、資産がなかなか増えていかない状況が続くも、「システムトレードの達人」を使い独自の投資手法を構築することで、本格的にトレードを開始した2013年以降は年利回りが50%下回ることがないという安定した実績を残している。