ゴールドの急騰/株は売るべき?/今週のトレードアイデア/今起きていること/弱気のセクター/強気のセクター/いま注目している株



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どうも、中原良太です。

今日も、最近のニュースを踏まえた投資や投機のチャンスや、株に関するよくある疑問などにお答えしていきます。

 

ゴールドの急騰

ゴールドが急騰しています。ここ25年間だけ区切ってみると、米国株よりもパフォーマンスが良いらしいです。

上のチャートは、純金ETFの日足チャートです。

おおまかな目安として、純金ETFは200日平均から15%以上プラス乖離すると天井となることが多いです。このチャートで言うと、青い線を上回ると危険サインです。

そもそも純金は「安全資産」ですから、順張りには向きません。イケイケどんどんで成長する新興企業でもあるまいし、ここまで価格が上がるのは「異常だよな」と思います。

上のチャートは、純金価格とS&P500配当込みリターンを比較したものです。なんとゴールドの方がパフォーマンスが良いです。S&P500も割高だと思いますが、ゴールドはもっと割高かもしれません。

このグラフを見ても「これからはゴールドの時代だ!」とは思えなくてですね。むしろ「いつバブルが弾けるんだろうか?」と心配でヒヤヒヤします。

もっと長期で見て、米国株と債券、ゴールドを比較したこんなチャートがあります。

引用元:VOX

https://www.vox.com/personal-finance/2014/7/22/5877329/less-than-a-quarter-of-americans-get-the-most-important-investment

 

引用元はジェレミー・シーゲル教授の本です。1802〜2012年の210年で、株式投資のインフレ調整後リターンは年6.6%、債券は年3.6%、純金は年0.7%、USドルは年-1.4%(インフレに負けている)です。

上から確認していきましょう。

米国株(stocks)はPER15倍くらいの時期が長かったですし、この場合の益回りが6.5%です。業績がインフレと連動するとして、株式投資の実質利回りが6〜7%となったのは納得がいきます。

債券(bonds:長期国債、bills:短期国債)も上がった、というのは、実質金利がプラスだった期間が長かったということです。

このグラフを見ればわかるように、「株式と債券は、バブルにならず、十分なガバナンスがある限り投資対象として優れている」と分かります。

足元では、アメリカは関税でインフレになるかもと心配されているので、債券利回りが本当に魅力的かは分かりません。物価が6%上がってるのに金利4%とか言われても「足りん!」となりますし💦

純金(gold)は、ほぼインフレと連動しています。一時的に上がることはあっても、結局は純金は「安定しているモノに過ぎない」ので、落ち着けば元通りです。

金本位制が終わったのがつい50年前のことなので、インフレはここ50年でもっと悪化していると思います。

足元で純金が上がっている理由はよくわかりませんが、中国が買っているんじゃないかという話がありますね。目先の物価上昇を見越してのものなのかもしれません。

「ドルが弱いだけだ」と主張する人もいるでしょうが、もしそうであれば円建てで見たら純金価格は上がらないはずです。それにトランプ大統領が率いる共和党は引き締め的ですから、それなら逆じゃないかとも思います。

どこかで大きなショックがある気がするので、手が伸びません。

最後、ドル(US dollar)はみるみる価値がなくなっていますね。インフレの恐ろしさです。

インフレ率が2%なら、大体30年そこらで物価が2倍です。60年で4倍です。人生90年とすれば、90年後には物価が8倍です。その分、貨幣の価値は減っていきますから、そりゃ恐ろしいですね。

結局は、「ゴールドだ何だと考えるよりも、社会に貢献してお客さんを幸せにして長く繁栄する会社の株を妥当な価格で買って分散投資して、インフレに備えながら複利リターンを最大化する」のが一番、地に足がついていると思うんですよねー。

裏付けのない銘柄が急騰したところで「リスキーだなあ」としか思わないので、流行に振り回され過ぎず、手堅くやりたいですねー。

 

株は売るべき?

週末にまた「持ち株を売った人が良いですか?」という問い合わせが届きました。株を売った方が良いか?と悩んでいる方も多いと思うので、今一度触れておきます。

以下のグラフをご覧ください:

これは、我が家が目指している株式投資のゴールです。このグラフのように金融所得を右肩あがりに増やすことを目指しています。

このグラフのように、金融所得が右肩上がりになる未来が見えてるなら株を売る必要はないと思います。逆に、ガラガラッと崩れてしまいそうならば、株価が下がる前に売ってしまうか、別の株に乗り換えたいところです。

参考になるかは分かりませんが、筆者の3〜4月の大きな取引は以下のとおりです:

【一部売却】

– 建設機械(景気後退懸念)

– 3PL(益回りが低いため)

【購入】

– 解体工事

– 食品卸

– 自動車部品

– 食品スーパー

トランプ関税の影響で業績が悪くなりそうな建設機械株はロットを落とし、もっと低いリスクで、高い利回りになりそうな株へと乗り換えました。

同じように、益回りの低い3PL株を売って、もっと利回りの高く、リスクの低そうな株へと乗り換えています。

結果として、トランプ関税の前後で金融所得が増えたんで、「トランプ大統領ありがとう!」という感じですね。年初と比べても、配当収入は20万円くらい増えています。

困るとすればリーマン危機みたいなのが起きるリスクですが、その場合は、さすがに日経インバースを買うなどしてリスクヘッジしようと思います。

しかし、よくある景気後退で済むなら、粛々と投資していれば問題なく乗り切れると思います💡

 

今週のトレードアイデア

トランプ相場が一段落してきました。MOVE指数も下がってきたので、ひとまず「下落相場継続だけれど、暴落につながる心配はなさそうだな」と感じています。

一方、世界情勢がだいぶ動いたので、リバランスをするには良い機会だと思います。

景気後退が逆風になりそうな株を売り、トランプ関税が逆風になりそうな株を売り、逆に問題なく儲かりそうな株を買い、追い風を受ける株を買う、というのが良い気がしています。

トランプショックから3週間が経ち、「大体こんな感じのトレードがうまくいきそうだな」というのがまとまってきました。今日は、ここのところをまとめていきます。

 

いま起きていること

ざっくり、いま起きていることを整理していきます。

– 貿易量の低下

– 設備投資の先送り

– 金利低下(債券高)

– 円高(ドル離れ)

– デフレ

– 資源安

この5つが、トランプ関税で起きている、と思います。

これらが「逆風」に働く株は、売る必要こそないまでも、ナンピン買いするのはちょっと違う気がしています。

一方、これらが「追い風」に働く株があるなら、しっかりポジションを取って、追い風を満喫したいところです。

 

弱気のセクター

貿易量の減少で、すでにコンテナの流通量が減っているそうです。海運株に取っては打撃が大きそうです。高配当株なので注目している人もいるでしょうが、さわりにくいです。

設備投資の先送りが増える、となると機械や電気機器などの景気に敏感なセクターは買いにくいですね。

また、円高が続く場合は外需企業は買いにくい。ちょうどトランプ関税の影響を受けやすいセクターでもあるので、関税の行方が固まるまでは「怖くて手を出せない」という人も増えそうです。

インバウンド消費もそろそろ落ち着いてくる気がします。となるとインバウンドで稼いできたセクターは厳しいと思います。

また、関税がデフレ圧力となるのであれば中古品も売れなくなると思います。新品でも安く買えるようになりますからね。

金利が下がっている、ということは銀行が儲からなくなる、ということでもあります。だから銀行株もパスかなあ。金融系は手を出しにくいかも。

資源安も厳しいので、原油の元売り、資源開発系の株も買いにくいですね。

バフェットが買った五大商社をNISAで買おうか悩んでいる方もいると思います。三菱商事とか人気ですね。ただ、資源安が業績悪化に繋がりそうなので、バフェットも円建て債をあまり起債していないそうなんで、「どうなんだろう?」と僕は懐疑的です。

中国からのダンピングが厳しくなりそうなので、鉄鋼、非鉄金属などの素材系もパス。

繊維製品は何気にEUが規制強化していた気がします。そもそも儲かっているイメージがないのもありますし、手を出しにくい。

 

強気のセクター

逆に、強気のセクターを考えてみます。

金利が下がっている、ということは、レバレッジを効かせやすいセクターに追い風です。商社とか小売とか物流とかですかね。商社は食品商社とか強い気がします。インフレ系で根強い需要があるから安心してレバレッジを効かせられます。

円高が追い風になる会社としては輸入株ですね。うちは食品卸の株を買ってます。コストが安くなるので、たぶん採算も改善すると思うからです。

食料品も輸入品を扱う会社はコスト抑制につながるかもですね。

デフレ圧力が働く、ということは、「モノが余っている」ということなので、特に中国と競合しているメーカーは厳しいかもです。

逆に、「モノは余っていてもヒトが足りない」状況は続く気もします。資本集約的な会社よりも労働集約的な会社の方が伸びやすい環境になってくるのかも。景気が良いなら人材派遣とか良さそうですが、悪いなら「リーマンでも業績が伸びたサービス業」とか狙い目かもですね。

建設業は追い風かも。円高で材料費が安くなればラッキーだし、そうでなくても2024年問題でタダでさえ人手が足りていません。足りないものは高く売れるのが世の常ですから、まだまだ稼げると思います。

同じ理由で、トラック運送業者とかも業績が良くなりそうですね。2024年問題で人手が足りていません。足元でも株価が好調なところが多いです。ガソリン代も安くなるんだったら、もっと業績良くなりそうです。うちも持っています。

あと、「モノが余るんだったら、置き場所が必要だよね」とも思うんで、倉庫とか伸びるんでしょうかね。

資源安ということは、資源を「使う側」の会社は儲かりそうです。電力会社はエネルギー価格が下がると採算が良くなりますね。電気代もこれから安くなりそうです。

電気代が安くなる、というなら、スーパーやドラッグストアなどの採算も改善するでしょう。2022年に電気代が高騰して苦境に陥ったスーパーはたくさんありましたが、その逆が起きそうです。こないだ、うちも食品スーパー株を買いました。

あとはタイヤメーカー。資源価格が下がると合成ゴムの製造コストが落ちます。原油の下落はタイヤメーカーにとってプラスなことが多いです。ただ、タイヤメーカーは海外売り上げ比率も高いです。円高で相殺される面もあるかもなあ。

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。昔は四季報4000銘柄を読破しながら散々バックテストしました。社会情勢が変わった時に、「この会社には追い風」「この会社には逆風」とパッと判断できるようになりました。読破は無駄じゃなかったです(笑)

 

いま注目の株

リーマン危機でも黒字を維持していた守りに固い会社として、ガリレイ(6420)に注目しています。ちょっと古いですがチャートをご覧ください:

前に取り上げたのは今年の1月でしたが、今の株価は2777円まで上がっています。絶好調ですね。

ガリレイは業務用冷蔵庫や冷凍冷蔵ショーケースなどを製造販売する企業です。こういうやつです:

画像引用元:ガリレイ

https://www.galilei.co.jp/info/618/

国内で初めて業務用冷蔵庫を規格化して販売したメーカーだそうです。モーターを規格化して成長したマブチモーターを彷彿とさせますねw

規格化というのは「オーダーメイドじゃない、カスタマイズしない」ということで、規格を決めることで部品の共通化ができ、大量生産できるし、メンテナンスもしやすくなります。

2011年以降、株価が右肩上がりに成長していて、文句なしの「テンバガー」です。

もともと同社は、創業者の福島信夫氏が木工の技術を生かして業務用冷蔵庫を作ったのが始まりです。

現社長の福島豪氏は1977年生まれ。2022年5月に社長に就任しましたが、45歳という若さでの抜擢となりました。

2025年4月18日時点でPERは11.45倍(四季報予想)とお買い得な感じがします。

足元10年で売り上げも右肩あがりに伸びており、順調です。業績推移がこちらです:

2025年3月期の業績は増収・減益の見通しですが、24年期が伸びすぎただけなので、問題ない気がしています。

NISAなどで買って放置していれば、気づけばすんごく上がっているんじゃないかなーなんて期待していますw

トランプ関税の影響で相場が揺れていますね。荒れ相場だからこそ本質をしっかり見極めたいところです。

相場が荒れている時は立ち振る舞い方しだいでピンチもチャンスに変わります。

今後も新しいニュースがたくさん出てくると思います。また気づいたリスクやチャンスがあったら共有しますねー。

 

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中原良太

個人投資家・トレーダー。一児の父。18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」受賞。四季報オンラインで『カブ天気予報』を一年半連載。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。パズル大好き。妻と娘はもっと大好き。