システムトレードに期待しすぎ?



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From;西村剛
八丁堀の事務所より、、、

 

昨日、初心者の方で勉強熱心な方ほど、
実運用を進める中で、このような悩みを抱えがちだという話をしました。

その悩みとは、

「実運用と検証結果に差が出て不安になり、
システムトレードを一時やめようかと思ってしまう」

ということでした。

 

昨日は、そんな状況ばかり話しましたので、
そのような方向けに、少し具体的な解決方法をお伝えしましょう。

さて、この悩みを解決するには、
まず、その原因を特定しなければなりません。

その原因とはいったい何でしょうか。

もちろん、人によってそれぞれ原因は違います。
ですが、実は一つだけ共通していることがあります。

 

それは、、、

「システムトレードへの過度な期待」です。

 

過度な期待というと語弊があるかもしれませんので、
もう少し詳しく説明しましょう。

それは決して、「システムトレードで利益を上げたい!」ということではありません。

過度な期待とは、
「システムトレードなら、勝率100%で毎日売買して、ドンドン利益が積み重なるだろう。
だから、自分もものすごい利益を上げるトレーダーの仲間入りだ!」というようなことです。

 

もう少し違う表現をすれば
「完ぺきなトレード手法」「完ぺきな売買ルール」というのを求めているのです。

私も、これまで多くのシステムトレーダーの育成にたずさわってきましたので分かるのですが、
熱心に勉強しすぎて悩みを抱えるシステムトレーダーほど、このような傾向があります。

勉強しすぎるくらいですから、

「あと、もうちょっと頑張れば、もっとすごい売買ルールができるだろう!
よし、あと10回検証を頑張ろう!」

という具合に、もっと良いもの、もっと良いものと突き詰めすぎてしまうのです。

そして、その突き詰めたものを実運用しはじめます。

 

ですが・・・

上手くいくときは良いのですが、
上手くいかないときは、

「なぜだ!あそこまで完ぺきな売買ルールを作ったのに!おかしい!」

となってしまうのです。

 

そして、この「おかしい」という感情がいつの間にか、
システムトレードへの不信につながり、結果的に停止という結論に至ってしまうのです。

 

ということは、、、
この悩みは、この原因を解決すればOKなのです。

これまた実は、、、の話ですが、

実は、、、
システムトレードを長年続け安定的に利益を上げているシステムトレーダーには、
とある共通点があります。

それは、

「売買ルールに100%を求めず、テスト運用をしている」

ということです。

 

利益を安定的に上げ続けているシステムトレーダーは、
売買ルールの完成度が100%になる前に、テスト運用してします。

テスト運用とは、運用資金全額を投入するのではなく、
一部の運用資金で、実運用するということです。
もちろん、これは私も斉藤正章さんも行っています。

売買ルールを作成し、
「この売買ルールは、ある程度統計的に優位だ」
と分かったら、少額の運用資金で実運用してしまうのです。

すると、これは私も斉藤正章さんも同じことですが、
検証では分からなかった改善点というのが見えてきます。

そして、当然のことながら、
その改善点を改善して、本格的実運用をするのです。

 

ですので、イメージとしては
通常の階段ではなく、らせん階段を上っていると言えば良いでしょうか。

通常の階段のように次の踊り場まで行けば何階とすぐに上に行くのではなく、
らせん階段のように、徐々に上に上がって、いつの間にか目的地に着いているような感覚です。

売買ルールも一気に仕上げず、徐々に仕上げていくのです。

 

また、もちろんそうは言っても、
運用する中で「どうも、この成績はしっくりこないな~」と思うときもあります。

その場合は、運用中の売買ルールを
以下の2つのポイントで、再確認します。

 

1つ目のポイントは
売買ルールが「カーブフィッティング」を起こしていないか確認することです。

カーブフィッティングとは、日本語で言うと過剰最適化といって、
カンタンに言えば、自分の都合の良い売買ルールになっているということです。

自分の都合の良い売買ルールとは、
売買ルールが成立する条件が、色々ある状態です。

おおざっぱな言い方かもしれませんが、
人が見て「こんな条件に当てはまる銘柄あるの?」と思われてしまうようなものです。

これは、案外気が付かないうちに起きてしまいます。

だから、一度、自分の売買ルールの条件式を
一つ一つずらして再検証して、資産曲線の形状を確認します。

もし、カーブフィッティングになっていなければ、
おおむね、最初の検証結果と同じになりますが、
カーブフィッティングになっていれば、そうはなりません。

もし、カーブフィッティングになっていれば、
当然のことながら、その売買ルールを実運用で使用するのは危険ですので改良します。

 

そして、2つ目のポイントですが、
厳密に言うと、売買ルールの確認というよりも、
あなた自身の確認になってしまいますが・・・

「極端に短期間の成績で判断していないか」という視点で成績を見直すことです。

昨日のこの記事でもお伝えしましたが、
売買ルールは、どれだけ優れていても、成績のよくない期間は必ず存在します。

だから、そういう意味では、
1ヶ月程度の運用成績が悪いだけで「この売買ルールは使えないのではないか?」と判断するのは危険なのです。

売買ルールが、本当に実運用できるかどうかの判断は、
少なくとも「3~6ヶ月」は成績を見ておきましょう。

それから、判断するのが良いでしょう。

 

ちなみに、斉藤正章さんは以前「1年」程度テスト運用して、
その売買ルールの良し悪しを判断すると言っていました。

ここからも分かるように、決して短期間で判断してはいけないということですね。

 

いかがでしょうか。

確かに、システムトレードは、金融のプロの私の目から見ても、
素晴らしいトレード法です。

そして、株をしている多くの個人投資家に習得していただきたい方法です。
ただ、その反面、私があなたに少々過度な期待を持たせてしまっている部分もあるかもしれません。

もし、そのような誤解を与えてしまっていたら大変申し訳ないのですが、
うは言っても、私が知る限り、多くの個人投資家が着実に利益を上げられる方法です。

だって、今回の話でお分かりいただけたと思いますが、

「テスト運用できたり、どこが悪いか発見できるトレード法」なのですから。

ということは、改善ができるトレード法だということです。
改善ができれば、成績は徐々に上げていくことができます。

そして、売買ルールは、終わりなき旅ですので完成はありませんが、
改善するごとに、100%の完成度に近づいていくのです。

あなたも色々なトレード法をご存じだと思いますが、
案外、このようなものってないと思いませんか?

ありきたりですが・・・(笑)

「継続は力」です。

システムトレードとは、まさにそのようなトレード法ですので、
長期的な視点で、ぜひ私たちと一緒にがんばっていきましょう!

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■追伸

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。