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From；西村剛
八丁堀の事務所より、、、
『順張りは使うな！』
先月末に、このような話をしました。
ここにきて、株価が盛り返してきたり、
順張りの売買ルールでシグナルが出始めたりしているせいか
先週か今週にかけて
「順張りの売買ルールの改良方法を教えて下さい！」
という質問をいただく機会が増えています。
もうご存じかもしれませんが、
順張りとは、
「上昇トレンドが発生したタイミングで買い、下落トレンドに転じたら売る」戦略です。
戦略としては、非常にシンプルです。
「相場が上昇し始めたら買って、相場が下落し始めたら売る」
たった、これだけです。
だから、カンタンに利益をあげられそうな気がしますよね。
それこそ、去年のアベノミクス・バブルのような状況であれば
こんなことカンタンにできそうです。
だって、上昇し始めたら買って、
下落し始めたら売るだけですからね。
こうすれば、ほんとカンタンに利益は上がります。
ですが・・・
カンタンに見えるものほど難しい・・・
シンプルなものほど難しい・・・
そう、世の中の見えないルールとも言える
このことが実は、この順張りでも起きているのです。
だから、理屈上はカンタンでも、
一筋縄ではいかないのが、この順張りなのです。
きっと、このようなこともあり、
もし、システムトレード初心者の方が取り入れても、
思ったように利益は上がらないかもしれません。
では、いったいそれはなぜなのでしょうか？
これだけ理屈上シンプルで利益が上がるのであれば、
大丈夫そうに見えます。
でも、、、ダメというのは、いったいどのような理由なのでしょうか。
実は、そこには2つの理由があります。
まず、1つ目の理由ですが、、、
それは「勝率が低いこと」です。
順張りは、基本的に「勝率は40～50％」です。
つまり、10戦対決して「4～5勝」ということですね。
ということは、、、反対に言えば、
負ける確率は「50～60％」ですし、
負け数は「5～6回」です。
つまり、、、
トレードに勝つ確率が、良くて半分程度だということです。
だから、勝率の高い逆張りや押し目買いに慣れたシステムトレーダーにとっては、
慣れるまで、ちょっと運用しにくいでしょう。
この勝率の低さが、ダメだと言っている理由です。
では、もう1つの理由はなんでしょうか？
2つ目の理由は「負けのイメージがつきやすい」ということです。
これは、1つ目のものに似ていますが、
内容は、少し違いますので、ご注意を。
順張りのシグナルは、押し目買いと違って、
ポツポツシグナルが発生するのはなく、
相場全体が上昇トレンドに入ったとき、
複数の銘柄のシグナルが、一気に発生します。
だから、、、
もし順張りを単独で運用していると、
トレンドが変わった瞬間に、一気にフルポジションになったり、
はたまた、一気に損がでたまま売却しなければならないのです。
ただ、戦略の性質上、
勝ちトレードがあれば、その利益が大きいので、
それは良い話です。
ただ、一気にフルポジションになっても
1つ目の理由の勝率の面から、勝つ機会が少ないので、
「順張り＝負け」のイメージが強くなってしまいます。
やはり、いくら検証で、将来の利益がある程度分かっていても、
現実で負けが多いのは、精神的に苦痛です。
ストレスになってしまいますよね。
そうなっては、せっかく日中の株価を追いかけたり
株価を見る必要がなく利益を上げられるシステムトレードの
良さがなくなってしまいますよね。
だから、これがダメな理由の2つ目なのです。
しかし、、、
これは決して、本当の意味で順張りがダメだと言っているわけではありません。
ただ、何も知らずに運用してしまうと、
「順張りは儲からん！」
「順張りは負ける戦略だ！」
と、もったいない思い込みをしてしまうことになりますから、、、
だから、あえて「ダメな理由」を話しました。
もちろん、この順張りも使い方を上手くすれば、
非常に有効な戦略です。
なぜなら、
「相場が上昇し始めたら買って、相場が下落し始めたら売る」
という利益を上げやすい戦略ですからね。
では、私たちシステムトレーダーは、
どうやって、この順張りを使いこなせば良いのか？
それは「単独で使用するのではなく、組み合わせて運用する」ということです。
ぜひ、複数の売買ルールと組み合わせて
運用してみてください。
そして、複数の売買ルールの中でも、
順張りは、運用資金の20％程度の比重で運用してみてみましょう。
そうすることで、、、
もし、順張りが上手くいったときは、それなりの利益になります。
反対に、負けが多い性質がありますので、もし負けた場合も、
大きな損失を防ぐことができます。
つまり、、
順張りで利益を上げるコツは、
売買ルール自体を改良するよりも、
複数の売買ルールで組み合わせて、運用するということなのです。
この部分さえ注意しておけば、
もちろん、順張りを運用して大丈夫です。
ただ、ダメな2つの理由を知らなかったり、
単独で運用するせず、複数で運用することが分かっていれば、
非常に有効な戦略の一つでしょう。
ぜひ、ここに書かれたことを十分に頭に入れながら
この順張りを、有効に使っていきましょう！
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西村 剛
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