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From;秋山大介
宇都宮の自宅より、、、
2015年2月4日(水)
衝撃的なニュースが舞い込んできました。
「JT飲料製品の製造販売事業から撤退」
関連ページを紹介しておくとコチラです。
<JTは、なぜ「桃の天然水」をやめるのか (東洋経済オンライン)>
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150205-00059876-toyo-nb
(『Yahoo!ニュース BUSINESS』より引用)
これは、私にとって衝撃的でした。
なぜなら・・・
私の学生時代に「桃の天然水」や缶コーヒーの「Roots」は全盛だったからです。
しかも、亡くなった私の祖父は、
JTに勤めていました。
私が2、3歳の頃なんでうっすらとしか記憶にありませんが、
祖父は栃木県の様々なところで所長をしていたこともあり、
社会科見学のように会社に連れていってもらっていたのです。
記憶にあるのは、今思えば、社用車があって、
祖父が会社の近くに行くと、お出迎えがあったような・・・
いかにもその時代だから許される光景を
うっすらと記憶しています。。。
そんな小さな頃から馴染みのあるJTの
「撤退」というニュースだったので、本当に衝撃でした。
JTと言えば、、、
私の中で「日本を代表する多角化経営の企業と言えば?」と質問されたら
○ソニー
○JT
と答えるくらい、代表的な企業です。
大学時代は、
人のモチベーションなどを扱う組織行動論というものと、
「経営戦略論」を中心に学び、
ある意味、趣味のように色々な企業の経営戦略を調べていました。
もちろん、JTもその一社でした。
祖父のところには、
OBにも届くJTの会報誌があり、そのようなものを読んだり、
祖父にJTの歴史などを聞いて、
JTの戦略を調べていました。
JTはスゴいんですよね、色々な観点が・・・
というより、先を読む力が・・・
これくらいなら話して大丈夫だと思いますが、
もう昭和20年代か30年代か正確には分かりませんが、
「タバコはいつか規制される」といって、
そのころから、タバコの売上が落ちても大丈夫なように
食品など様々なものに多角化していたようなのですよね。
そして、その代表的なものが、
飲料事業であり、冷凍食品などの事業なのです。
私の母に言わせると、
せんべいなども作っていた時期があると言っていましたね。
何にしても、
ある意味「専売公社」という名前だったのですから「独占」にも関わらず、
そういったリスク管理を着々としていたのは素晴らしいですよね。
ただ、そうはいっても多角化経営というのは難しいものです。
エクステンション事業という、
今の事業の延長なら、まだ良いですが、
全くの異業種の事業を取り入れ、経営するのは非常に大変だと思います。
その良い例が、
バブルのころの日本企業ですよね。
私の父も、何を血迷ったか
若いねーちゃんに資金を出し、内装屋のくせに雑貨屋を始めたのです。
ま~、惨敗ですよ。。。
その事業でマイナスが出ず、
プラマイゼロで撤退できたからいいですけど、
6歳の子どもながら、
「お父さん、やっちゃったな~」と思っていました。
だから、私個人としては、
多角化経営は反対で「餅は餅屋でいろ!」という考えです。
とはいえ、それは各企業がとる戦略ですので、
多角化経営をする能力があれば、それはOKだと思います。
話はそれましたが・・・
とにかく、JTは世間ではどう言われているか分かりませんが、
独占に甘んじることなく、しっかりとリスク管理していたのです。
その一つが
この「飲料製品の製造販売事業」です。
撤退の理由は、業界全体が成熟し、
体力勝負になっているということでした。
でも、この徹底の決め方、そして時期・・・
素晴らしい・・・
実は、私にとって、このニュースは、
衝撃と言いつつも、
「素晴らしい」
と思ったものでした。
先ほど、私の父の話をしましたが、
私の父も、雑貨屋の撤退時期を間違えたら、
今頃どうなっていたかな?とよく言っていました。
私もそれは同感です。
父は、ここから
「自分みたいな小企業のオヤジは、自分の得意分野だけに集中していればいいんだ」と学び
得意分野だけに集中しました。
しかも、、、
ウチの実家は内装屋ですので、
いわゆる「インテリア」とつくような
クロス(壁紙)、カーテン、じゅうたんなど
華やかな部分もやっていたいのですが・・・
全て撤退したのです。
残したのは、、、
完全に専門用語ですが、
「軽量下地」「ボード」というジャンルだけです。
同じ内装業でも、撤退する部分は撤退してしまったのです。
はじめは衝撃的でしたが、
数年後、それが功を奏し、
バブルがはじけた不況で、同業他社がパタパタと倒れる中、
私の実家は生き残りました。
そして、同業他社が勝手にいなくなってしまったので、
いつの間にか、県内でトップに近いポジションまで上がったのです。
もし、あの雑貨屋の失敗を失敗と受け止めず
そのまま行っていたら・・・
そして、もし内装屋の中でも、
撤退する分野を作っていなかったら・・・
きっと、今はなかったのでしょう。
ちなみに・・・
私は今日の話で経営戦略の話をしたいのではありません。
これ、システムトレーダーに置き換えてみてください。
多角化経営は、まさにマルチストラテジーですよね?
売買ルールを作ることになれて、
しかもマルチストラテジーを覚えると、
愛着ある売買ルールは、全て入れたくなりますよね。。。
というより、
全て組み合わせれば、とんでもない利益が上がるように見えますよね。
でも・・・
残念、、、違います・・・
組み合わせる量よりも、「質」ですよね?
もしくは、組み合わせ方ですよね?
ということは。。。
もし、いまあなたが量を勝負でマルチストラテジーに挑んでいるならば、
今のあなたには「撤退する勇気」が必要かもしれません。
「撤退する勇気」「勇気ある撤退」
なぜか、撤退には「勇気」が付けられますが、
勇気が必要か、必要ではないかは別として、
利益を圧迫している売買ルールを冷静に見つけ出し、
そこはドライに組み合わせから外すことが必要でしょう。
ぜひ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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