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From；西村剛
八丁堀の事務所より、、、
「同じ20％と言っても、運用資金によって感覚が違いますよね。
例えば、1億円を運用している人が2000万円の損失というのと、」
10万円を運用している人が2万円損失を出すのでは、
ダメージが全く違いますよね・・・？」
この言葉は、
現役システムトレーダー斉藤正章さんが
セミナーなどで、損失のたとえ話をするときに
よく出すものです。
確かにそうですよね。
1億円だと、2000万円・・・
1000万円だと、200万円・・・
100万円だと、20万円・・・
10万円だと、2万円・・・
どれも全く同じ20％ではあるのですが、
資金量が小さくなるほど、
同じ割合でも損失が数字以上に大きく聞こえます。
おそらくこれは、
株式という特性上の話だからかもしれません。
1億円で2000万円失っても、
株式を購入して、再起を図れますが、
少なければ少ないほど、
買える株の選択肢が減りますので
状況は厳しくなります。
そういったことが背景にあるので、
全く同じ割合でも、感じ方が全く違うのでしょう。
あとは、単純に
損失を受けた際の残金の差かもしれません。
ただ、いずれにしても、
こうやって冷静に見れば、20％という割合が、
どれだけ厳しいものか想像がつくでしょう。
しかし・・・
システムトレーダーのあなたには、
この20％について「忠告」しておきたいことがあります。
それは、、、
「本当に20％の損失を受け入れる覚悟があるか？」
ということです。
もちろん、この20％という数字は
例えですので、これは人それぞれです。
ただ、その割合として見ていただきたいのが、
検証結果の「最大ドローダウン」の数字です。
この割合や数字が、どれくらいなのか？
しっかりと見てもらいたいのです。
これは、システムトレーダーの中でも、
初級者の人と、上級者の人の違いでもあるのですが・・・
その傾向として、
○初級者＝数字を甘く見る
○上級者＝数字を厳しく見る
というものがあります。
つまり、言い換えれば、
同じ20％の割合でも、全く違う見方をするのです。
単純に考えれば、
システムトレード上級者は、それだけ運用しているので、
利益を着実に積み上げ、それなりに運用資金が増えているでしょう。
反対に、これからシステムトレードを始める初級者は、
これから利益を積み上げるので、まだ運用資金は小さいかと思います。
そうなると、冒頭で出た数字で言えば、
上級者になるほど、冒頭の数字は大きくなります。
ですが・・・
上級者は、その割合と実際に受ける損失の大きさを、
単なる20％ととらえるのではなく、
運用資金が小さいときと同じように、
その痛さをとらえるのです。
不思議ですよね？
なぜ、資金に余裕があるのに、
そんなとらえ方をするのか？
反対に、初級者の皆さんは、
これから利益を積み上げることで頭がいっぱいのせいか、
損失を考えることは少なく、
その数字を、あくまでも机上のものとしてとらえがちです。
不思議ですよね？
なぜ、資金に余裕があるわけではないのに、
そんなとらえ方をするのか？
これが、反対だったら、
単純な理屈で考えてもおかしくないのですが、
現実は、このような傾向があります。
では、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか？
その理由は、これです。
「経験の差」
ここ1～2年でシステムトレーダーになったあなたは、
システムトレーダーとして、上昇相場の経験しかないでしょう。
一方、10年近くシステムトレーダーのあなたは、
システムトレーダーとして、上昇相場、下落相場、ボックス相場の
あらゆる相場を経験しているでしょう。
もちろん、その中には、
「リーマン・ショック」や「ライブドア・ショック」などのような
暴落相場もあるかもしれません。
やはり、何事もそうかもしれませんが、
経験が少ないと、命知らずの行動をとることが多くあります。
例えば、運転免許がそうですよね。
私の周囲でよく耳にしますが、
クルマの免許を取ってしまうと、
原付などは怖くて運転できないなどと聞きます。
あんな体むき出しなんて恐ろしいなどとも聞きます。
でも、これが原付だけを乗っている人であれば、
そんな怖さはありませんよね。
もちろん、過去にそのような経験があれば
怖さはわかっていますが、
経験がなければ、それが最良のものですので
怖さはありません。
反対に、クルマに乗ってしまうと、
原付よりも安全なものを知ってしまっているので、怖く感じます。
つまり、この20％の損失というのも
そのような差の部分なのです。
上級者になればなるほど、
過去に様々な経験をしているので、
まったく同じ数字でも厳しく見る傾向があります。
やはりそれは、怖さを知っているからです。
ですが・・・
初級者は、これから期待に胸を膨らませるのと
まだ経験がないので、命知らずの部分もあり、
楽観的に数字をとらえる傾向があります。
ただ、こうやって冷静に考えると、
何度も20％という数字を出していますが、
その20％は、初級者ほど怖い割合ではあるのですよね。
だからこそ、
もし、あなたがまだシステムトレーダーになりたてであれば、
検証結果の数字を冷静に見て、本当にその損失に耐えられるか、
何度も自問自答してみるとよいでしょう。
そして、その数字を机上のものとしてとらえず、
しっかりと現実として受け止められるようにしましょう。
それと同時に、もしあなたが過去に大きな損失を出していれば、
その経験をもとに考えてみるのも良いかもしれません。
単純な話に聞こえるかもしれませんが、
いざ運用をすると、これは非常に重要な話です。
しかも、今年は比較的ドローダウンを受けている
システムトレーダーが多くいます。
だからこそ、今まで以上にドローダウンの数字に対して、
真剣に向き合う必要があるでしょう。
システムトレードは、
どうしても、検証という作業の特性上、
数字をそろえることに集中しすぎて、
本当の部分を見失ってしまうことがあります。
ですが、実際に痛い目にあったとき、
見失っていた自分に気が付くのです。
でも、そうなってからではよくないので、
今回は、このようなお話を、あなたに伝えました。
検証すればするほど、近視眼になる可能性があるので、
その部分だけは、十分に注意してシステムトレードを継続しましょう。
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西村 剛
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