なぜ、先物を売ってヘッジなの?



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From;西村剛
八丁堀の事務所より、、、

 

>現物株を100億保有し、
>下落に備え先物を売ることが対策と書かれていますが、
>先物を売ると現物株の値も下がり含み損が増えヘッジにならない
>ように思うのですが、・・・・・・

 

>最初に日経平均先物を売る→日経平均先物に連動する現物株の価格がさがる(現物株
>資産に損失又は含み損が生じる)
>これを回避するために日経平均先物を売った時の値段がさらに下落した状態で決済し
>て現物株損失又は含み損の補てんを図る
>というようなことでヘッジすると考えてよろしいのでしょうか?

 
>>自分の売り注文で、保有している銘柄の株価をわざわざ下げにいってしまうことになります。
>という事は、現物を売ると、自分の持っていた特定の株価が下がるが、先物を売ると、全体が下がる。全体が下がる分
>には、下がった所で買い戻せばリスクヘッジができる、という事でしょうか?

 

いや~、だいぶ壮大な話になってきました。
想像以上の反響があり、驚いています。

 

何にか?

 

カンが鋭く、勉強しすぎているくらい
日々勉強している、あなたであれば、、、
冒頭の言葉を読めば、一目瞭然でしょう。

 

そうです。

 

先週お伝えした「日経平均先物主導の売り」って何だ?の記事のことです。
他にも多数頂いているのですが、
先日のこの「日経平均先物主導の売り」の解説に関して、
再び、疑問の声を多数頂きました。

ご質問を下さった皆さん、
ありがとうございます!

正直、私もここまで反響があると思っていなかったもので、
本当に驚いています。

 

ただ、これは解説が難しいですね。。。

まだまだ、皆さんの中に謎が残ってしまったようです。

今回は、それについて再び解説しますね。

さて、冒頭にもありましたように
再びご質問いただいた中の多くは、このような主旨のものでした。

 

「日経平均先物価格が下がれば現物株も下がるので
ヘッジにはならないのではないでしょうか?」

 

そこんとこ、ど~なのよ!西村さ~ん!!

というところでしょうか・・・(汗)

 

一応、先にお伝えしておきますと、

本質を逃さないためにも、全員の方にもう一度聞いて頂きたいのが、

「日経平均先物主導の売り」とは、
ファンドマネジャーの動きで起きている可能性が大いにある

ということです。

 

だから、今後「日経平均先物主導の売り」という言葉が出てきたら、

「あっ、ファンドマネジャーたちが、現物株が下がりそうだから、
先物でヘッジしたんだな。だから、今日は下がったのか。」

と把握して下さいね。

 

通常のニュースを読む分には、
これで十分です。

 

ただし、この【株式投資ニュース】を毎日欠かさずお読みいただき
周囲のトレーダーの追随を許さないくらい勉強しすぎ!というくらい
熱心に勉強しているあなたは、、、

あっ、持ち上げすぎですか(笑)

いや、本当ですよ。
そうでなきゃ、こんな疑問わきませんから!

 

といことで・・・

そのようなあなたには、

「なぜ、先物を売って価格が下がり、現物株も下がるのにヘッジになるのか?」

本当に疑問なのですよね。

 

これは、非常に高度な質問です。

 

本当は、ここまで理解しなくても十分なのですが、
やはり、この【株式投資ニュース】の読者のあなたは違いますね。

さすがです。

ですので、この「日経平均先物主導の売り」の本質を見逃さないようにしながら、
これから私が解説することをお聞き下さい。

 

再び、あなたは

日経平均採用銘柄で100億円のファンドを運用しているファンドマネジャーだと仮定しましょう。

 

そんな中「明日以降、株価が下がりそうだ」ということを察知しました。

そこで、あなたは預かっている資金を守るため、
この予想される「株価下落の影響を受けないようにしよう!」と考えました。

そして、考えられる対処方法が、この2つでした。

 

○現物株をすべて売却する

○へッジとして日経平均先物を100億円分売る

 

1つ目の対処方法は、ある意味ベストです。
現物株を全て売却すれば、下落しても影響を受けずにすみます。

しかし、ここでネックなのが売買手数料です。
100億円に対する手数料がかかりますので、これは現実的ではありません。

また、このような対処をするときの相場環境は
「出来高が乏しい」状況が多いものです。

このときも例外ではありません。
やはり、「出来高が乏しい」のです。

そうなると、仮に自分が100億円の現物株を売却すると、
自分の売り注文で、不用意に株価を下げてしまう可能性があります。

これでは、この対処方法はヘッジとして有効ではありません。

 

じゃ~、どうするか?

もう、残された方法は、これしかありません。

「へッジとして日経平均先物を100億円分売る」です。

これが、ファンドマネジャーの一般的な方法なのです。

 

日経平均先物は、現物株と比べてレバレッジが1,000倍です。

つまり、仮に100億円分の日経平均先物を売るには、
100億円÷(14,000円×1000倍)=約714枚
「約714枚」を売る必要があります。

今の日経平均先物の出来高が約65,000枚ですから
700枚前後でしたら簡単に売ることができます。

これであれば、現物株と違って、
現実的な対処方法です。

 

だから、ファンドマネジャーは、株価が下がりそうだと思ったら、
現物株ではなく、日経平均先物を売るのです。

 

ここまでは、先日の解説のおさらいですので、
ご理解いただけたのではないかと思います。

 

では、なぜ、この行為がヘッジになるか?です。

まず、現物株のことを考えて下さい。

仮に、株価がその後下がれば、
今保有している100億円分の現物株は、値下がりの影響を受けます。

 

これは、熱心に勉強しているあなたには愚問でしょう。
当然のことです。

 

でも、このままでは、値下がり分だけ、マイナスです。

マイナスのままでは、ファンドマネジャーとしていけません。
何とか、このマイナスは補てんし、最悪でもトントンにしなければいけないでしょう。

 

そうです。

このときに、日経平均先物がヘッジになるのです。

 

もしも、、、

日経平均先物を100億円分売ることができれば
この日経平均先物が利益になり、現物株のマイナス分を補てんしてくれるのです。

これで、収益はトントンにすることができます。

 

ちなみに、、、

日経平均先物について、少し解説を加えておくと、

そもそもこれは、満期日(あらかじめ定められた期日)に原資産を
予め決められた価格で売買するものです。

原資産とは、日経平均株価のことです。

ここでは、取引を「買い」で開始した人は、日経平均株価が満期日時点で「上がれば」利益を得ます
反対に、取引を「売り」で開始した人は、日経平均株価が満期日時点で「下がれば」利益を得ます

 

つまり、株価が下がると予測していれば、
先物を売れば、利益が確保できると考えられるのです。

そう、これがまさにヘッジです。

だから、もしこのとき、
日経平均株価が上がってしまっては、損失になりますので、
ヘッジにはならないのです。

 

いかがでしょうか?

これが、「日経平均先物価格が下がり、現物株も下がってもヘッジになる」理由です。

日経平均先物は、

原資産という基準のようなものが
日経平均株価ですので、この動きに対して、売りで開始するか、買いで開始するかで
利益を得たり、損失を出したりします。

 

今回の場合は、日経平均株価が下がると見込んでいたので、
先物では、売りで開始し、利益を獲得し、ヘッジに使おうとしたのです。

 

現物株がメインの方には、
このあたりの関係が、イマイチつかめなかったかもしれませんね。

 

私も説明不足で申し訳ございません!

 

今回は、「日経平均先物主導の売り」の中身の話から
先物でのヘッジの話にまで広がりましたが・・・

 

もしかすると、これはまだまだちょっとしたことに過ぎず、
もっと、色々と「普段よく目にするが、疑問なもの」があるかもしれません。

もし、あなたも何かありましたら、
ぜひ、お気軽にご連絡下さい!

 

下のコメント欄にご記入頂いてもけっこうですし、
メールでご連絡頂いてもけっこうです。

 

お待ちしています!!

 

hls-tsuishin4

 

 

 

■追伸

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。