逆張り好きは日本人だけ?



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From;西村剛

「逆張り好きは、日本人の傾向みたいですよね」

これは先日、斉藤正章さんが言っていた言葉です。確かに言われてみれば、著名な外国人投資家や機関投資家から、「逆張り」という言葉はあまり聞きません。だから、どちらかと言うと、海外では反対の戦略である順張り戦略が好まれるのでしょう。

なぜ、私たちは順張り戦略を好まないのか?

ちなみに、少し前に

◯なぜ、私たちシステムトレーダーに順張り戦略があまり好まれないのか?

◯私たちシステムトレーダーを含めた個人投資家は、なぜ順張り戦略より逆張り戦略や押し目買い戦略を好むのか?

こんなことを考えたことがあります。私も個人投資家向けのファンダメンタルズ投資の個別指導をしていた頃を含め、個人投資家とのお付き合いは1000名以上です。ですので、その経験を振り返り、私たち個人投資家には、どのような心理が働いているか考えて見ました。すると、こんなことが分かりました。

私たちの購買心理

「私たちは、高いものが安く買えるバーゲンセールを好む傾向がある」

「オークションのように値上がりの期待があっても、高いものはあまり買う気がおきない」

これは、株以外でも、何かを購入する際の購買心理でしょう。100%とは言い切れませんが、多くの人が自分が狙っていたものが、バーゲンセールなどで安く購入することができれば、高い価値のものを安く買ったと感じ、嬉しくなるでしょう。そして、これは株だけの話かもしれませんが、安く購入したものが、本来の価値で売ることができれば、それは利益になるので、より嬉しいということでしょう。

こちらは根本的に苦手

一方…仮に高い価値のものがあり、オークション形式のようなもので、将来価値が上がると分かっているものは、案外手を出しにくいでしょう。例えば、クラシックカーやビンテージワインなどが、そういった類かもしれません。または、切手やアンティークコインなども、そういった類でしょう。このようなものは世界に収集家がいるので、値崩れしにくく、むしろその希少性から値上がりしやすいものです。ですが、このような高いものが更に高くなる可能性のあっても、なかなか手は出しにくいでしょう。

全く株とは関係ないように見えますが、まさに私たちには、このような心理が働いているのだと思います。だから、特に私たち日本人は、言わばバーゲンセールのような逆張り戦略や、プチ・バーゲンセールのような押し目買い戦略を好むのでしょう。そして、反対に、このような心理から、順張りがあまり好まれないのかもしれません。

なぜ、海外では順張り戦略が主流なのか?

でも、斉藤さんの言葉にあったように、外国人投資家を見てみると、私たちにとっては少々心理的にカベのある「順張り戦略」が好まれる傾向があります。実際、常勝投資家集団と言われた「タートルズ」は、順張り戦略がメインです。タートルズは、株に限定することなく、上昇トレンドが発生しているものに飛び乗り、そして、次々と乗り換えていくことで常勝していった伝説とも言われる常勝投資家集団です。

また、外国人投資家に限らず、私たち日本人でも資金量の大きいシステムトレーダーや、機関投資家など、資金量の多い人にとっては好まれる戦略です。なぜ、彼らがこの順張り戦略を好むかと言うと、「順張り戦略は手仕舞いをしっかりと管理すれば、ドローダウンが小さい戦略」だからでしょう。

まさに、購買心理のところで説明した通り、将来の値上がりを期待できる株を購入します。そして、基本的にはそのような銘柄を狙って資金投入するので、資金管理さえ上手くすれば、利益が大きくリスクが抑えられる戦略なのです。

私たちが起こす錯覚…

しかしながら、個人投資家には、この順張り戦略は敬遠されがちです。例えば、私たち以外の個人投資家が、上昇トレンドのとき、私たちシステムトレーダーよりも利益を上げているのではないかという「錯覚」を起こしますが、彼は、「順張り戦略とは認識していない」でしょう。偶然、上がりそうな銘柄に飛び乗ったら上がっただけで、それがどんな戦略なのかは明確に区別がついていない可能性が高いでしょう。

ですが、何となく利益は上がる。もしくは、含み益が増える。しかし、何となくなので、再び同じ上昇トレンドが来ても、同じように利益を上げられない。もしくは、含み益は増えたが、戦略になっていないので、売りどきが分からず、手仕舞いに失敗し、損失になってしまう。このようなことが起きるのでしょう。だから、結局、私たちシステムトレーダーが、上昇トレンドで思ってしまう「私たち以外の個人投資家は…」というのは、錯覚に過ぎないでしょう。

順張りを阻む2つのカベ

では、ここまで理屈が分かれば、もう順張り戦略を入れないという選択はなくなるでしょう。しかし、まだ私たちシステムトレーダーにとって、この順張り戦略はカベがあります。それが

「順張り戦略が全体の成績を下げしまう」

「結局は、効率良く利益を上げられる逆張り戦略に戻ってしまう」

ということです。

実際に、順張り戦略を運用したことがあるシステムトレーダーのあなたであれば実感すると思いますが、単体でどれだけ素晴らしい順張り戦略を作成しても、マルチストラテジーに組み込むと、むしろ10~20%分の利益が減っているなんてことがよくあります。そうすると、順張り戦略への資金配分を下げ、成績を改善しますが、それでも追いつかず、いつの間にか、順張り戦略の配分がほとんどなくなってしまう。また、それを経験してしまうと、結局は効率良く利益を上げられる逆張り戦略に戻ってしまうということがあります。

そして、、、ここが重要なところですが、「だから順張り戦略を外してしまい、上昇トレンドが発生するたびに、周囲の個人投資家の動きを錯覚し、一人で悔しい思いをしてしまう」となり、再び順張り戦略に挑戦するが…の負のループになっているということです。

順張りのポイントは「手仕舞い」

でも、順張り戦略は、あなたも十分に理解しているように、長期的に利益を上げていくには、外せない戦略です。ですが、今致し方なく外している戦略かもしれません。もしそうであれば、「手仕舞いのタイミング」に着目してみると良いでしょう。順張り戦略を上手く運用するには、ここがポイントです。

ー西村剛

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。