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From;秋山大介
これからお話しすることは、恐らく賛否両論あるでしょう。
また、社会的に見て、物議を醸す重要な話になるでしょう。ただ、注意していただきたいのは、これからお話しすることは、「社会的に…」など、そういった意味は全く含まれません。ただ、私はかつて大学院で人事分野を研究していたので、2つだけ私が感じたことを先に言っておきましょう。これからお話しするニュースを見たとき、まず思ったのが「どうやって法律をかいくぐった?」ということが一つです。
統計データで見ると…
もう一つは、必ずこういった話がでると議論されるのが「非正規労働者の増加」です。でも、これって明治時代からの統計データを見ていただくと分かるのですが、歴史的にそれほど変わってないのですよね。単に割合と人口の問題とメディアの出し方でイメージがついているだけなのですよね。ただ、それに法律や企業側の姿勢が変わってしまっただけだということです。
だから、このような類のニュースを見て「いけない!」と主張するのは、まだ早いということです。まさに、ここはシステムトレードと同じで、ニュースをみただけで判断するのは、経験とカンと思い込みの段階であって、システムトレードのような統計がベースになっていないということでしょう。このことについては、私は専門分野ということもあり、もっと話したいことはありますが、日が暮れるので、ここで止めます。
17年勤務派遣社員「雇い止め」…これどう思う?
では、本題です。このニュースを見てください。
↓
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171219-00010003-huffpost-soci&p=1
(『3カ月更新の契約で17年勤務…そして、突然の「雇い止め」 58歳派遣社員の思いは (ハフポスト日本版) – Yahoo!ニュース』より引用)
このニュースを見て、あなたはいったい何を感じたでしょうか?ちなみに、私は元々人事関連のコンサルティングをしていたので、facebookなどでは、人事分野のコンサルタントとつながりがあります。ですので、みんな、どんなことを書くのかな~と思ってみていたら、やはり投稿がありました。その多くは…
「日本の非正規労働者に対するシステムに問題がある」
「日本企業は、いつから人を大切にしなくなったのか」
というものでした。
どうやら彼らコンサルティングも含め、多くの人は、このニュースに対して、統計データの事実よりも「感情(=推測)」を中心に考えているように見受けられます。まさに、システムトレーダーとは違う、経験とカンと思い込みで考えを述べているということです。
ただ、これが本当に話したいことではありません(笑)。話したいことは、このニュースのページを読み進めていただくと、下方向にこの記事を読んだ人のコメントが書かれていて、そのことです。この記事が配信されるまでに埋もれていなければ良いのですが、興味深いコメントがあります。それは、、、
17年も必要とされたのだから…
「17年も必要とされたのだから、後ろ向きに考えず頑張ってほしい」
というものです。多くの人は、コンサルタントたちのような、日本への批判をコメントしています。言い換えれば、「17年も勤めたのに、それはひどいのではないか」ということです。ですが、1人は違いました。「17年も必要とされたのだから、すごいではないか!」と捉えたのです。
これ、本当に面白いですよね。以前、幼児教育の専門家から聞きましたが、幼児期に親から「◯◯をやっちゃだめ」と育てられるか、「◯◯をすると良いことがある」と育てられるかで、大人になったときに全く違うようです。それを思い出しました。また、定番かもしれませんが、この絵を思い出しました。
http://trickart.seesaa.net/article/36273463.html
(『婦人と老婆: トリックアート ~だまし絵の美術館~』より引用)
全く同じものを見ていても、その人の持っている「思考(パラダイム)」で、見えてくるものは全く違うということです。実は、私もあのニュースをパッとみたとき、「17年…いやそれは良くないだろ…」と思いました。ただ、その一方で、派遣社員は、期限があるのだから仕方がないと言えば、仕方がないのだろうと思いました。でも、このコメントを読んだとき、まさしく私の「思考(パラダイム)」が変わりました。全く「思考(パラダイム)」はありませんでした。「17年も」という発想は…。この確かに、派遣社員で17年も必要とされるって、それはスゴイことだと・・・。
派遣社員の選択は正しい思考か?
ちなみに、このニュースでは、もう一つ興味深いことがあります。これは非常に批判を受けそうですが、あくまでも事実を抑えた話で、感情は抜きで考えてください。このニュースを読む限り、この雇い止めにあった方は、家計を支えるために、ずっと働きたかったのでしょう。(申し訳ありません、ここは推測です)そう考えると、彼女が「派遣社員」を選択したのは、果たして最良の選択、そして正しい思考だったのでしょうか?
こんな原則があります。もし、望む結果を出したいなら…
◯望む結果を得られる正しい思考(パラダイム)
↓
◯望む結果を得られる正しい行動・習慣・スキル・手段(正しい思考に沿った行動)
↓
◯望む結果(望む結果を得られる正しい思考に沿った行動から生まれるもの)
という3つのステップを歩むということです。ただし、ここには「成長と変化の原則」が関係してくるので、いきなりはなかなか上手くいきません。試行錯誤しながら正しい思考にたどり着き、その後、望む結果を得るということです。
では、このニュースに出てきた彼女は、こに当てはめるとどうだったのでしょうか?まず、考えることは、望む結果です。望む結果は「家計を支えるために働きつづけ収入を得る」だと思います。では、それを得るために必要な「正しい思考(パラダイム)」は何だったのでしょうか?
もし、彼女が望む結果を得たかったなら…
あくまでも無機質に論理的思考で考えると、もし、この望む結果を得たいなら、おそらく、(このニュースには3ヶ月更新と書かれているので)3ヶ月更新の派遣社員を選択するのは、間違っていたのでしょう。もちろん、私は友人の親のリストラや過去最低の就職氷河期を経験した世代ですので、そのときの環境が違った選択ができなかったかもしれないとも考えます。
「手っ取り早く」の甘いワナ
しかし…もし、このとき望む結果を明確にして、それに対する「正しい思考(パラダイム)」があれば、今の望まない結果にはならなかったでしょう。しかも、記事を読み進めると、資格10個以上とったと書いてあります。でも、次の文章です…
「自分のスキルを証明するものを手っ取り早く得らえる手段」
と書かれています。まさに、これは「成長と変化の原則」を破りました。成長には、必ず通らなければならない過程があるのに「手っ取り早く」変化と成長を手に入れようとしてしまったのです。そして、背景は分かりませんが、「スキルアップすれば、状況が改善できる」と思い込み、再び違う手段を取り入れ、結果を得ようとしたようでした。
ということは、、、彼女は、望む結果を得るために、「手っ取り早く得らえる手段」を考えていたということでしょう。つまり、それは「成長と変化の原則」を無視し、望む結果を得たいのに、「正しい思考(パラダイム)」を持たなかったことで、今の望まない結果を得てしまったのだと、私は考えました。もちろん、このニュースの文章を、そのまま受取って無機質に判断する限りという条件つきですが。
望まない結果になったときに初めにすべきこと
だから、私は自分自身にも、最近話す人にも言います。
「多くの人は、望まない結果になったとき、手段を見直すか、外部環境を批判するが、そこではなく『パラダイム(思考)』が、望む結果に向かっている『正しいパラダイム』であるかを考え直さなければならない。今思い返せば、過去の自分もそうだったから、今はできるだけそうならないように改めている。」
と。「正しい思考(パラダイム)」を持つことは、誰にも邪魔されません。例え、どこにいようが、誰といようが、何をしていようが、自分の思考だけは、誰にも支配されません。反対に言えば、思考は自分自身の自由な選択ができます。だからこそ、自分が望まない結果にたどり着いてしまった場合は、あの3つのステップの原則のように、「自分のパラダイムが誤っていないか?」と問いかける必要があるでしょう。
でもその過程はムダではありません。なぜなら…
そして、気が付きはずです。もし、そこでパラダイムが変われば、「なんて、自分は全く違っていたことをしていたのだろう」と。でも、それは決してムダではありません。それこそが、そこに辿り着くために必要だった「成長と変化の原則」です。ちなみに、この話ですが、全くシステムトレードにつながっていないように見えますが、これは「原則」です。ということは、何にでも通じるものですので、ぜひ、あなたなりに、どの部分がシステムトレードに活かせるか考えてみましょう。あっ、ちなみに、私の中では、もう使い所は分かっています(笑)でも、今回はあえて隠しますね(笑)
何だか、ずいぶん込み入った話になってしまいましたが、本当にこのニュースは、無機質に捉えればこんなふうに考えられますが、これはあくまでも一つの「思考(パラダイム)」です。だから、違った「思考(パラダイム)」で見れば、また違った側面が見られるでしょう。ただ、何よりも一つ思うことがあります。私に色々なことを非常に厳しく叩き込んでいただいた私の師匠は…もし、その師匠がこのニュースでを読んだら、なんて言うのでしょうね~。きっと、こう言うのでしょうね。
「秋山さん、日本は江戸時代から統計データがしっかりと残っている国です。
まず、図書館の地下に行って、その統計データを調べにいきましょう。
それから現場に聞き取りにいきましょう。
話はそれからです。」
と・・・。
その行動、まさにシステムトレーダーと同じですよね。
ー秋山大介
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