日本株急落…これからどうなる？

2017.12.29

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From；西村剛

昨日（12/28）の日本株市場が急落しました。

これまで、12月の後半は株価が上がりやすい傾向があり、特にこの年末は株価が上がりやすい傾向があるとお伝えしてきました。ですが…昨日の株式市場は、前場こそ堅調に上昇していったものの、その急落しました。この予想しなかった年末の急落に慌てている方も多いのではないでしょうか。そこで、今日は、昨日の急落に対して、私の見解をお伝えしましょう。

なぜ急落？

まず、昨日の日本株市場を振り返ると、日経平均株価は、前日比0.5％マイナスの22,783円98銭、マザーズ指数は前日比1.2％下落の1218.09ポイントでした。前日の米国株式市場が上昇したこともあり、その流れのまま日本株も堅調に推移しました。まさに、これは傾向通りとも言える動きだったのではないでしょうか。

それが…午後になり突然の急落です。前場が堅調に推移し、日経平均株価は23,000円に到達するかもしれないという動きをしていただけに、この急落には驚いた方も多いでしょう。ただ、この急落の原因は明確で「北朝鮮が新たなミサイル発射を計画している」という報道から起きたものでした。

この急落は下落トレンドのサイン？

ですので、今回の急落は日本株そのものの何かあったというわけではなく、再び地政学リスクが要因と考えられるでしょう。だから、これは外部要因ですので、私はこの急落については、それほど心配していません。中には、この急落で「下落トレンドに変わったか？」と思っている方もいるかもしれません。しかし、その心配はそれほどしなくて良いでしょう。

急落のもう一つの理由…

実は、昨日の急落には北朝鮮のミサイル以外にも大きな理由があります。それが、この年末に起きやすい「売買代金の低下」です。やはり、この時期は休暇に入る人が多いこともあり、売買する投資家が減る傾向があります。そうなると、ちょっとした材料で、株価は必要以上に反応し、大きく動くことが多くあります。例えば、他の時期で言うと、お盆の時期などもそうでしょう。

今回は、この売買代金が少ない時期に、偶然「北朝鮮のミサイル」の悪材料が発生しました。それにより、年末年始のヘッジ対策として日経平均先物にまとまった売りが出たことが影響しているのでしょう。つまり、これはあくまでも一時的な対応ですので、急落も一時的なもので、押し目買いのチャンスになるのではないかと考えています。

ただし、IPO銘柄に注意！

ただし、IPO銘柄は注意が必要です。特に、株価が大きく急落した「直近のIPO銘柄」は注意が必要です。直近のIPO銘柄は今週に入り、株価が急上昇しています。つまり、その反動が、この急落で起き、市場全体の動きとは違った動きをする可能性が高いでしょう。

このように、この年末や年始は、お正月の休暇の投資家が多く、売買代金が低下しがちです。そうなると、今回のようにちょっとした悪材料で株価が大きく動きやすくなります。実際、北朝鮮のミサイルの悪材料も、これまで何度も出てきましたが、その回数が増えるごとに、株式市場の反応は鈍くなっていたでしょう。言い換えれば、株価にそれほど大きな影響はなかったでしょう。

私たちシステムトレーダー以外は、この展開に…

ですが、売買代金の低下の状況だと、似たようなことが起きても、市場に与えるインパクトが変わってきます。とういったとき、私たちシステムトレーダーは、いつも通りシグナルに従ってトレードするだけなので良いのですが、私たち以外の個人投資家は大変です。

12月は株価が上がりやすい傾向があると思っていたのに、このような予想外の展開があると、右往左往するでしょう。目の前の株価の動きに翻弄され、気持ちが落ち着かない年末年始の休みを迎えることになるでしょう。今日の株価はどうなるか…年明けの株価はどうなるか…非常に気になり、まさに株価と報道に支配されることになるでしょう。

改めてシステムトレーダーの良さを実感

その点、私たちシステムトレーダーは、全く何も気にしない年末年始の休みを迎えられます。いつでもトレード基準になるのは、売買ルールであり、そこから発生するシグナルです。シグナルが買えといえば買い、売れと言えば売る、それを忠実に続けるだけです。たったそれだけで、着実に利益を積み上げることができるのが、私たちシステムトレーダーでしょう。

そういった意味では、この年末に改めてシステムトレーダーの良さを実感できる出来事が起きたと思います。ぜひ、2017年最後の株式市場でも、これから始まる2018年の株式市場でも、これを継続し、着実に利益を積み上げていきましょう。

ー西村剛

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 （過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある） システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。