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From;西村剛
昨日(2/5)日経平均株価が、突然「592円」の大幅急落しました。
日経平均株価は、前日比2.5%マイナスの22,682円08銭、マザーズ指数は、前日比2.7%マイナスの1288.78ポイントでした。まさに急転直下の急落です。昨日急きょこちらの動画レポートも配信しましたが、この急な展開に焦っている個人投資家の皆さんも多いでしょう。そこで、今回は単刀直入に今後の日本株の展開について、私の見解をお伝えします。
大幅急落の要因は?
まず、抑えておかなければならないのが「なぜ、急落したか?」その要因でしょう。その要因はシンプルです。「米国の長期金利上昇」です。その背景には、米国で発表された消費支出や雇用統計などの内容が、予想以上に良いということがあります。
この好調を背景に、米国の政策金利引き上げが予想以上のペースで進むのではないかという懸念から、米国10年債の利回りが急上昇し、約4年ぶりの水準まで到達しました。そして、それが引き金となり、米国10年債の利回りを受けて米国が急落し、日本株も連動して急落しました。
この急落の要因を言うと「米国経済の予想以上の好調による金利引き上げ懸念」です。つまり、経済が悪化しての大幅下落ではないということです。むしろ、好調過ぎによる大幅下落と考えられるでしょう。
ポイントは金利3%のカベ
今、米国10年債の利回りは急上昇し、2.8%台になっています。この利回りですが、3%を超えると、実体経済に悪影響を及ぼすと言われています。もし3%を超えそうな場合は、米国政府が何らかのコメントを出すなど、対処しれくると考えられます。
つまり、これらのことを考えると、今の株価は、米国経済が好調過ぎることを受けて、米国10年債の利回りが3%になり実体経済に悪影響を及ぼすことを織り込んでいると考えられるでしょう。そして、仮にそのカギとなる利回り3%を超えるようなことがあれば、米国政府が何らかの行動をしてくるでしょう。
米国政府の陰謀か…?
だから、今年2018年の日本株は、日本政府が消費税増税を再び延期するわけにはいかないので、それまで株価の好調を維持するという日本政府の思惑に加え、この米国政府の陰謀めいたものまでが、動き始めたのかもしれません。ただ、陰謀と言っても日本も米国も、実体経済に悪影響を及ぼしたくないという思惑があるから出てくるものでしょう。
このように今回の急落の要因を考えると、陰謀めいたものが見え隠れするものの、結局は「米国経済が好調過ぎる」というものです。そして、その影響で、一線を越えさせたくない「米国10年債の利回り3%」という水準があるので、その動き次第で変わるということです。
ここからもう一段の大幅急落も…
そういった意味では、この大幅急落は一時的なものであり、押し目買いのチャンスと言えるでしょう。しかしながら、1つだけ注意点があります。押し目のチャンスだからと言って、今日(2/6)の株式市場が一気に戻してくるとは限りません。もう一段の急落があってもおかしくない状況ですので、その点には十分に備えておきましょう。
私たちシステムトレーダーが備えるべきもの
もちろん、私たちシステムトレーダーは、このようなときはチャンスですが、想像を超える急落があったときリスクを一気に背負う可能性もあります。だから、その点だけは想定し、資金管理を念入りに見直しておくと良いでしょう。過度なリスクを取りすぎていないかを見直し、銘柄の分散数やレバレッジや、最大ドローダウンを更新したらどう対応するかなど、事前に確認できることは確認しておきましょう。
この急落は楽観的な部分はありますが、それは長期的に見た場合のことです。短期的に見ると、繰り返しになりますが、もう一段の大幅急落は十分にありえます。ですので、チャンスだとは考えつつも、十分な準備は決して怠らないようにしましょう。
そうそう一つ言い忘れました…昨日の急落について、こちらの動画でも解説しています。
ー西村剛
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