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From;西村剛
昨日(3/30)の日本株市場は上昇しました。
日経平均株価は、前日比1.4%プラスの21,454円30銭、マザーズ指数は、前日比1.7%プラスの1206.24ポイントでした。前日の米国株式市場が大きく上昇したことで、為替が円安方向に動いたことが好感し、日本株も上昇しました。
さて、今月は先月に続き暴落があり、いよいよ下落トレンドに突入したと考えられる月でした。なかなか、株価が思うように動かず、苦戦している個人投資家も多いことでしょう。さて、そのような中、いよいよ月曜日からは、4月の株式市場が始まります。
新年度相場
ちなみに、月曜日からは「新年度相場」になりますが、あなたはこの言葉を聞いて、どう感じるでしょうか?これは案外意識しないところかもしれません。システムトレーダーであっても、個人投資家の私たちの区切りは、年度よりも年でしょう。もし、あなたがそのような意識が強く、あまり新年度相場を意識していなければ、ぜひこれからの話はよくお聞きください。
機関投資家の企み…
今、下落トレンドに突入する中ですが、新年度入りするこの4月上旬は、株価が上がりやすいというアノマリーが存在します。では、なぜ4月上旬は、株価が上がりやすいかと言うと、それは「機関投資家の企み」があるからです。彼らは、その企みを進めるために、4月上旬は、保有株比率の調整を行い、買い注文を多く入れやすい傾向があります。
彼らが私たちに内緒ですること
これは、あなたも資金を預ける投資家としての目線で考えると良く分かることです。彼らは、3月末に顧客向けレポートを作成する必要があります。そのレポートには「3月末時点で保有している銘柄」を、顧客である私たちのような投資家に向けて発表します。
ということは…少しでも成績は良く見せたいですよね?例えば、あなたが彼ら機関投資家の立場であれば、ズルのない範囲で、可能な限り成績をよく見せようとするのではないでしょうか。だから、彼らは「成績の悪い銘柄や悪材料を抱えた銘柄を外し、成績を良く見せよう」と企て、それらの銘柄をいったん売却します。
なぜ、4月上旬の株価は上がるのか?
売却してしまえば、当然のことながら、顧客向けレポートに、それらの銘柄を掲載する必要はありません。まさに、ここは彼らの企てともいえる部分でしょう。そして、このようなことをすると、次の起きるのが、いったん売却したので、年度が切り替わったタイミングで行う「買い戻し」です。
この年度が切り替わった4月上旬のタイミングは、3月下旬に売却した銘柄や、そのような部類に入る銘柄を買い戻していきます。そうなると、資金量の多い機関投資家ですので、彼らの動きで、株価が上がりやすくなるのです。このように一部は、その事実を知るとショックを受ける部分かもしれませんが、4月上旬の株価が上がりやすいアノマリーは、十分に理にかなったものだと考えられるでしょう。
ただし、下落トレンドに突入していることには注意!
ただし、必ずお話しすることですが、これはあくまでも統計的に見た場合、高い確率で起きる動きです。つまり、高い確率ですので、必ずしも株価が上がるというわけではありません。この点にはご注意ください。特に、今は下落トレンドに突入したと考えられる時期ですので、注意が必要でしょう。
今月下旬も株価が上がりやすい傾向がありましたが、結果的にはそのような傾向があるにも関わらず、上昇幅は抑えられてしまっています。むしろ、上昇しやすい傾向があるから、株価がもっと下がらなかったと考えたほうが良いでしょう。
アノマリーを使った戦略の強さ
とはいえ、これは統計的に見て存在する傾向です。また、先ほどお伝えしたように、機関投資家の企みを考えれば、理にかなったものです。ですので、このようなアノマリーを使って、ぜひあなたの新しい戦略を作成してみてはいかがでしょうか?
このような再現性の高いアノマリーをもとに作成した戦略はムリなく利益を上げることが可能です。流れに逆らわず、流れに乗って利益を積み上げていくので、長期にわたり有効な戦略になることでしょう。ぜひ、週明けの株価動向を見て、新しい戦略のアイデアを練りましょう。
ー西村剛
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