理解できない!?上級者の売買ルール



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From:西村剛

 「システムトレード上級者のつくった売買ルールを見ても、それが何を意味しているのか、全く分かりません。どうすれば理解できますか?」

 上記は、システムトレードをはじめられたばかり方から頂いた質問です。

 確かに初心者の方が上級者の売買ルールを見ると、何行にも条件式が書かれており、一見すると全く意味が分からないかもしれません。 ただし、今からお伝えする視点を持てば、その売買ルールが何を表しているか、簡単に理解できるようになります。

 本日は、売買ルールを見るときのコツについてお伝えします。

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【逆張り戦略】

1)ボラティリティ(10日)が5%以上

2)日経平均株価の株価位置(100日)が50%以上

3)株価位置(150日)が90%未満

40日前の終値がストップ安でない

5)終値が75日移動平均線以上

6)終値と25日移動平均線の乖離率が-20%以下

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上記のような逆張り戦略を例に、売買ルールの詳細を紐解いていきましょう。(これは、あくまでも例であり、成績を保障するものではありません)

 一見すると、複雑な条件が記載されており、初心者だと理解するのが難しいかもしれませんが、以下の3つのポイントさえ押さえれば、売買ルールの内容を理解できます。

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【ポイント.1】売買ルールの核

【ポイント.2】トレードしない銘柄を決める条件式

【ポイント.3】トレンド判定の条件式

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 上記3つのポイントをおさえれば、おおよそ売買ルールの内容を理解できます。

  1つ目のポイントは、「売買ルールの核」です。「売買ルールの核」とはその名のとおり、売買ルールの根幹を成す条件式を指します。

 例えば、逆張り戦略を例に説明すると、逆張り戦略とは「株価が急落した銘柄を買い付けする戦略」です。よって、株価の急落を定義している条件式が「売買ルールの核」と言えるでしょう。これを、先ほどの条件式で言うと、「終値と25日移動平均線の乖離率が-20%以下」が該当します。

 その売買ルールの特長を一行で表す条件式とも言えます。これはシステムトレードの初心者でも理解できると思います。

  2つ目のポイントは、「トレードしない銘柄を決める」です。

 「売買ルールの核」の条件式だけでは、実運用で使える売買ルールにすることはできません。トレードする銘柄に何らかの制限を加える必要があるでしょう。逆張り戦略で利益が出にくいトレードを除外するという発想です。

 先ほどの条件式群で言うと、

 1)ボラティリティ(10日)が5%以上

40日前の終値がストップ安でない

 が挙げられます。

 「ボラティリティが5%以上」という条件式は、ボラティリティが5%未満の銘柄はトレードしないということを表す条件式です。ボラティリティが5%未満の銘柄は、値動きがあまり無くトレードするのに適さないと考え、このような条件式を加えます。

 また、「0日前の終値がストップ安でない」という条件式は、ストップ安の銘柄は、トレードしないということを表す条件式です。逆張り戦略では株価が急落している銘柄を買い付けしますが、極端に株価が急落している銘柄は、その後も株価下落続く可能性が高いです。よって、ストップ安の銘柄はトレードの対象から除外すべきと考えて、この条件式が加わっています。

 このように「トレードしない銘柄を決める」条件式を加えることで、バックテストの成績を改善するのです。

 3つ目のポイントは、「トレンド判定の条件式」です。

 売買ルールを作成する上で、重要なのは「トレンド」です。同じ逆張り戦略でも、トレンドが上向きなのか下向きなのかでは、まったく異なる成績になります。

 市場全体や個別銘柄自体が上昇トレンド、下落トレンドかを判定する条件式を加えることで、バックテストの成績を改善するのです。

 先ほどの条件式群で言うと、

 2)日経平均株価の株価位置(100日)が50%以上

5)終値が75日移動平均線以上

 が挙げられます。

 「日経平均株価の株価位置が50%以上」という条件式は、市場全体が上昇トレンドにあること意味します。逆張り戦略は、下落相場と上昇相場では、相対的に上昇相場のほうが、仕掛けた銘柄のリバウンドしやすく、リスクが小さい傾向があります。

 また、「終値が75日移動平均線以上」という条件式は、個別銘柄の株価のトレンドが上昇トレンドにあることを指しています。逆張り戦略で買い付けする銘柄は、短期では急落していても、中長期では上昇トレンド形成している銘柄ほど、リバウンドしやすい傾向があります。

 このように、市場全体や個別銘柄自体が上昇トレンド、下落トレンドかを判定する条件式を加えることで、バックテストの成績を改善するのです。

 これが、売買ルールを理解する3つのポイントです。一見難しそうに見えた売買ルールも、上記3つのポイントで構成されていることがほとんどです。 システムトレード上級者の作成するルールは、この3つのポイントで、分解すると案外シンプルに作成されていることが多いです。

 この3つのポイントで分類できない、分類しても理解できない場合には、少しカーブフィッティングを疑っても良いかもしれません。

 初心者が上級者の売買ルールを見る際に、この3つの視点で条件式を見ると、難しそうな売買ルールでも、案外意味が理解できると思います。

 ぜひ参考にしてくださいね。

 

―西村剛

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。