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From;田村祐一
先日投資を始めたばかりの友人と食事をしている中で、
「プロに投資のパフォーマンスでは絶対にかなわない。プロはずるい」と嘆いていました。
たしかに、プロは膨大な時間とお金をかけて投資を行うことから、そのような文句がこぼれてもおかしくないかもしれません。
でも、本当に個人投資家はプロ投資家に勝てないのでしょうか?むしろ、私は個人投資家のほうが投資では有利だと思っています。
それは、なぜか?
プロ投資家とは?
株式市場には「プロ」と呼ばれる存在がいます。彼らは、投資信託のファンドマネージャーであったり、証券会社が自己の資金で運用するディーラーであったりします。
彼らは、一日の大半を投資の分析に費やし、かつ入手できる情報も膨大。へたしたら、一般人には入手不可能な情報も手にして運用しているかもしれません。そして、なにより優秀な人材が運用しています。
これだけ聞くと、たしかにプロ投資家は恐るべしでしょう。正直勝てる見込みはなさそうです。
プロ投資家の弱点は?
ただし、今お伝えしたのは「プロ投資家」の良い面だけです。実は、プロ投資家には、致命的な弱点が存在します。
それは、【機動力のなさ】です。
プロ投資家は、数百億、数千億、機関によっては数兆円もの、とても大きな資金量を運用しています。この莫大な規模の資金を運用するのは、非常に困難です。
例えば、あるAという銘柄が非常に魅力的な銘柄を見つけたとしましょう。
個人投資家であれば、気に入った銘柄があれば、すぐに運用資金の一部をその銘柄に回すことが出来るでしょう。しかし、プロ投資家はそうは行きません。
有望な銘柄が合ったとしても、プロ投資家の運用資金額が大きすぎて、銘柄に投資する資金量に限界があります。時価総額が100億円の銘柄に、仮に5億の資金を投資したら、自分の注文のせいで株価が吊り上げられてしまう目に見えています。
そして、仮に5億円投資して、10%の利益5000万円が獲得できたとして、運用資金が1000億円のプロ投資家にとっては、微々たる儲けにしかなりません。
よって、プロ投資家は、買い付けできる【銘柄】と【投資資金量】に非常に厳しい制限があるのです。プロ投資家が問題なく投資できるのは、全上場銘柄約3700銘柄のうち、10%にも満たないのではないでしょうか。それ以外の銘柄については、買い付けできる資金量に制限があるなどで、満足に投資できないかもしれません。
さらに、投資信託の運用については、もっと厳しい制限が課せられます。投資信託は、新規で設定する際に、運用時の約束事(信託約款)が決められ、その約束事の中で運用が行われます。
そして、その中の一つに【投資方針】と言うものがあり、「運用資産の90%以上を投資する」や「株式の組入比率は、原則として高位を維持します」という趣旨の内容が書かれています。
言い換えると、運用資産の大半を常に何らかの投資に回していると言うことです。
日本で販売されている投資信託は、運用資産の大半を常に投資に回しているフル投資型の投資信託が多い傾向があります。
常に運用資産の大半を何かに投資していることから、急な株式市場の変動があると、もろに影響を受けてしまいます。仮に、急騰相場が来た場合にはラッキーですが、暴落相場が来た場合には目を当てられません。
なぜなら、暴落相場がきても、個人投資家のようにすぐに投資から撤退できないからです。そして、致命的なのは、そういった暴落時でも「運用資産の90%以上を投資する」といった約束事は守らないといけないからです。
ただ、運用資産の減少を、指をくわえて見ているしかできないと言うことです。
余談ですが、投資信託を選ぶ際には、キャッシュポジションを機動的に取れるかどうかが非常に重要な選定要因になります。フル投資型投資信託は、下落相場時には非常にリスクが高いので、キャッシュポジションの規定については注意深く見た上で、購入を検討すると良いでしょう。
いかがでしょうか。ざっとプロ投資家のハンデを確認しましたが、これがもし自分に課せられたハンデだとしたら、ものすごくきつくないでしょうか。
もしこのハンデを負うならば、私なら投資をやめているかもしれません(笑
個人投資家が勝てる点は?
個人投資家は、買い付けする銘柄や投資資金量に特に制限はありません。そして、相場が急変した場合には、いつでも逃げることが出来ます。
この優位な点を活かして投資を行うことで、「小(個人投資家)」が「大(プロ投資家)」を超えることができると言えるでしょう。
くしくも、10月5日の西村剛のメールマガジンでも記載されていますが、今は「新興株」の勢いが非常に強い相場となっています。
この新興株は、プロ投資家がハンデを負っている市場です。よって、10月以降の相場は、プロ投資家を超える絶好のチャンスと言えるでしょう。
「時価総額が小さくて業績変化率が高い銘柄」にぜひ、注目してみてくださいね!
―田村祐一
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田村 祐一



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