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From;田村祐一
一昨日のメールマガジン
「下落相場到来?売買ルールを改良するならコレ!」では、
これからの相場は「空売りのスイングトレード戦略」が機能するとお伝えしました。
これから本格的な下落相場が到来するとしたら、
間違いなく収益性の高い戦略の一つなので、
もし、現状でこの戦略を持っていないシステムトレーダーの方は、
ぜひ最優先で用意したい戦略ですね。
そんな空売りスイングトレード戦略ですが、
売買ルールを作成するときに注意しなければいけないことがあります。
それは・・・「銘柄分散数」です。
空売り型の売買ルールを作成するときに
最も気をつけなければいけないのが、「銘柄分散数」です。
運用資金全体に対して、1銘柄に投資する最大の投資額が
いくらに設定するかというのが非常に大事なのです。
何故大事なのかを詳しく説明する前に、
急に話は変わりますが、あなたはもし、
以下のような銘柄が見つかった時はどうしますか?
●株価が倍になる確率が90%あり、株価が0円になる確率が10%ある銘柄
このような銘柄は実在しませんが、もし、あった場合はどうしますか?
きっと比較的多くの方が
「持っている資金の多く、または全部を投資する!」
と考えるのではないかと思います。
確かに株価が倍になる確率が90%もあれば、そのように思う気持ちも非常に分かります。
それも、そうですよね。
持っている資金の全額を投資すれば、
90%の確率で持っている資金が2倍になる可能性があるのですから。
しかし、実は以上のような銘柄に投資してうまく資金が倍になっても、
ずっと、そのような銘柄に繰り返し、投資をしていると、
いつかは最後に残りの10%に該当してしまい、全てを失う可能性もあるのです。
上記のようなケースは極端な一例ですが、
一銘柄だけに投資すると、いくら魅力的な株であっても、
一回失敗すると大きな痛手を受けてしまうことが分かったのではないでしょうか。
さて、話の本題に戻りましょう。
なぜ空売り型売買ルールは、
銘柄分散数を気をつけなければいけないかと言うと、
空売り後に株価が急騰し、
投資元本以上の損失を被るケースが起こるからです。
空売りのトレードは、理論上損失額は無限大です。
株価が上がり続けている限り、損失は拡大していきます。
空売り型売買ルールの多くは、株価が短期的に上昇している銘柄の
その後の調整を狙う逆張り戦略です。
よって、株価が短期的に上昇している銘柄を空売りするのです。
トレードの大半は、空売り後に株価が調整し利益になるのですが、
トレードの中には株価が調整せずに上昇が続くこともしばしばあります。
その損失率が20%や30%なら、まだ耐えられますが、
ストップ高が連続し損失が60%や70%に広がることもあるし、
酷いと損失率が120%なんてこともあります。
私も過去にとても痛い思いをしたことが2度ほどあります。
その2度ともに投資元本を超える損を被りました。
さて、この元本を超える銘柄を空売りしてしまったときに、
「銘柄分散数」の設定によって、天国と地獄に分かれるのです。
仮に、運用資産の20%を1銘柄に投入していれば、
当然ですが2割を超える損失を被ります。
一方で、運用資産の5%だけの投入であれば、5%程度の損失で済みます。
空売り型売買ルールに限らず、どの売買ルールでも、
銘柄分散数を絞れば絞るほどバックテスト上の成績は良くなります。
しかし、バックテスト上では元本を超える損失がなかったと言っても、
将来にわたって同様にそのようなトレードを回避できる保証はどこにもありません。
バックテストの成績に目がくらんで、銘柄分散数を甘く設定すると、
万が一のトレードを掴むと取り返しのつかないことになります。
空売りのスイングトレード戦略の作成をする場合には、
万が一の損失を被ってもダメージが少なくなるように、
銘柄分散数については、慎重に決めてくださいね。
大事な資産をどのように振り分けるかは、
どの銘柄に仕掛けるのかということと同じか、
もしくはそれ以上に重要なことです。
ー田村祐一
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田村 祐一



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