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From;田村祐一
こんなタイトルをつけているから、
もしかするとシステムトレーダーの方は、
ビックリしたかもしれません。
そして、システムトレードを実践していない方からすると、
「えっ!?こいつシステムトレード良いって言ってるくせに、
システムトレード否定するとか、信用できないな」
なんて思ったかもしれません。
先に弁明させてもらいますと、
システムトレードを否定しているわけではないです(笑
なぜ、今日はこんなことを書こうと思ったかと言うと・・・
実は、最近システムトレード上級者の方から、
実運用を進める中で、このような悩みを抱えているという話を聞きました。
その悩みとは、
「実運用と検証結果に差が出て不安になり、自分のやっている
システムトレードが本当に大丈夫かと心配になってしまう」
ということでした。
やはり、検証結果のように実運用が上手くいかないと
「自分の運用に自信が全く持てない・・・」
という考えが、頭をよぎってしまうのです。
いえ、よぎるというよりも、
実際、私のもとに、こういった連絡をいただいたのですが。。。
まぁ、たしかにシステムトレードを実践している中では、
一時的に損失を抱える時期があるのは当然でしょう。
そんなことを思いながら、その方の話を聞いていると、
「ん?」と思うような話が出てきました。
「今年の利回りは現状20%程度しかなくて、
バックテストの過去の利回り80%と比較するととても低い」
「あまりにも成績が低すぎる」
ということでした。
正直な私の感想としては、
「プラスならいいんじゃないの?」でした。
たしかに、バックテストの結果と実運用の乖離が
大きすぎるのは問題ですが、
平均年利80%のシステムでも、
年によっては、20%に落ち着くことはあるでしょう。
私は、そう思い、そのように伝えたのですが、
その方はどうも納得していないみたいです。
実は、この方のように、成績自体はプラスでも、
バックテストと実運用の乖離に悩む方は意外に多いです。
しかも、、、
このようなことは「熱心に勉強しすぎるシステムトレーダー」に、よく起きます。
正直、熱心に勉強していないシステムトレーダーには、
このようなことは起きません。
熱心に勉強しすぎているシステムトレーダーは、
検証回数が、他のシステムトレーダーよりも非常に多いです。
スポーツで言えば「練習はウソをつかない」の練習を、たくさんしているのです。
だから、自信をもって実運用しているはずです。
でも、野球でいえば、たった一球を打ち損じたために、
その自信を打ち砕かれ「野球をやめます」となってしまうのです。
ただ、これは勉強しすぎていない人には、
分からない感覚でしょう。
さて、この悩みを解決するには、
どうすればよいでしょうか?
やはり、悩みを解決するためには、
その悩みを抱く原因を特定しなければいけません。
その原因とはいったい何でしょうか。
もちろん、人によってそれぞれ原因は違います。
ですが、実は一つだけ共通していることがあります。
それは、、、
「システムトレードへの過度な期待」です。
過度な期待というと語弊があるかもしれませんので、
もう少し詳しく説明しましょう。
それは決して、「システムトレードで利益を上げたい!」ということではありません。
過度な期待とは、
「システムトレードなら、勝率100%で毎日売買して、ドンドン利益が積み重なるだろう。
だから、自分もものすごい利益を上げるトレーダーの仲間入りだ!」というようなことです。
もう少し違う表現をすれば
「完ぺきなトレード手法」「完ぺきな売買ルール」というのを求めているのです。
私も、これまで多くのシステムトレーダーの育成にたずさわってきましたので分かるのですが、
熱心に勉強しすぎて悩みを抱えるシステムトレーダーほど、このような傾向があります。
勉強しすぎるくらいですから、
「あと、もうちょっと頑張れば、もっとすごい売買ルールができるだろう!
よし、あと10回検証を頑張ろう!」
という具合に、もっと良いもの、もっと良いものと突き詰めすぎてしまうのです。
そして、その突き詰めたものを実運用しはじめます。
ですが・・・
上手くいくときは良いのですが、
上手くいかないときは、
「なぜだ!あそこまで完ぺきな売買ルールを作ったのに!おかしい!」
となってしまうのです。
そして、この「おかしい」という感情がいつの間にか、
自分の売買ルールに対する自信喪失につながり、
ひどい時には「システムトレードはダメ」という結論に至ってしまうのです。
ということは、、、
この悩みは、この原因を解決すればOKなのです。
これまた実は、、、の話ですが、
実は、、、
システムトレードを長年続け安定的に利益を上げているシステムトレーダーには、
とある共通点があります。
それは、
「売買ルールに100%を求めず、テスト運用をしている」
ということです。
利益を安定的に上げ続けているシステムトレーダーは、
売買ルールの完成度が100%になる前に、テスト運用してします。
テスト運用とは、運用資金全額を投入するのではなく、
一部の運用資金で、実運用するということです。
もちろん、これは私も西村剛も斉藤正章さんも行っています。
売買ルールを作成し、
「この売買ルールは、ある程度統計的に優位だ」
と分かったら、少額の運用資金で実運用してしまうのです。
すると、これは私たちも同じことですが、
検証では分からなかった改善点というのが見えてきます。
そして、当然のことながら、
その改善点を改善して、本格的実運用をするのです。
ですので、イメージとしては
通常の階段ではなく、らせん階段を上っていると言えば良いでしょうか。
通常の階段のように次の踊り場まで行けば何階とすぐに上に行くのではなく、
らせん階段のように、徐々に上に上がって、いつの間にか目的地に着いているような感覚です。
売買ルールも一気に仕上げず、徐々に仕上げていくのです。
また、もちろんそうは言っても、
運用する中で「どうも、この成績はしっくりこないな~」と思うときもあります。
その場合は、運用中の売買ルールを
以下の2つのポイントで、再確認します。
1つ目のポイントは
売買ルールが「カーブフィッティング」を起こしていないか確認することです。
カーブフィッティングとは、日本語で言うと過剰最適化といって、
カンタンに言えば、自分の都合の良い売買ルールになっているということです。
自分の都合の良い売買ルールとは、
売買ルールが成立する条件が、色々ある状態です。
おおざっぱな言い方かもしれませんが、
人が見て「こんな条件に当てはまる銘柄あるの?」と思われてしまうようなものです。
これは、案外気が付かないうちに起きてしまいます。
だから、一度、自分の売買ルールの条件式を
一つ一つずらして再検証して、資産曲線の形状を確認します。
もし、カーブフィッティングになっていなければ、
おおむね、最初の検証結果と同じになりますが、
カーブフィッティングになっていれば、そうはなりません。
もし、カーブフィッティングになっていれば、
当然のことながら、その売買ルールを実運用で使用するのは危険ですので改良します。
そして、2つ目のポイントですが、
厳密に言うと、売買ルールの確認というよりも、
あなた自身の確認になってしまいますが・・・
「全体の成績は良くても、直近の成績がイマイチではないか?」という視点です。
2000年くらいからバックテストを行うと、
約20年近い株価データで検証することになります。
平均年利というのは、各年度の利回りの平均なので、
成績が良かった年と悪かった年の平均です。
良くあるのが、2012年以前の成績が極めて良好なものの
2012年以降の成績は上がっているもののパッとしないケースです。
例えば、
2000年~2009年平均利回り:100%
2010年~2018年平均利回り:10%
ならば、平均利回りは55%となります。
ただし、2010年から直近までが年利10%ならば、
おそらく2019年も年利10%になりそうですよね。
これは極端な例ですが、
平均利回りはあくまでも平均であり、
毎年コンスタントにその数字がでるというものではありません。
上記の例のような錯覚を引き起こすこともあるでしょう。
ですから、直近の成績もしっかり利益を上げられているか
確認することは非常に重要なことでしょう。
思っていることを書いていたら、
かなりの長文になってしまいました(;´Д`)
私は、自分が作成した売買ルールについて、
100%信じるということはしません。
バックテストの平均利回りなんて、
必ず下回るものだと思って運用しています。
過去の最高の年の利回りと、最低の年の利回りを見て、
その数字の3割減程度を見込んでいます。
最高が70%で、最低が10%ならば、
実運用では最高が約50%、最低が約5%程度で見ます。
むしろ、最高は想定せず、常に最低を意識して、
その年のパフォーマンスをイメージします。
過度な期待をして裏切られたらつらいですよね。
せっかく年利20%出せてるのに、
最高の50%を絶対目標にしていたら、
当然残念な気持ちになりますよね。
でも、最低の5%を絶対目標にしていれば、
嬉しい気持ちになりますよね。
同じ年利20%なのに、
それに対する感情は真逆です。
システムトレードを実践し続ければ、
自ずと利益はつみあがっていきますから、
それなら、嬉しい気持ちでトレードしたいですよね。
もし、自分が過度な期待をしていると思ったら、、、
ぜひ、最低の絶対目標に目を向けてみてください。
そうすると、今感じている不満が、
一気に晴れてきませんか?
ー田村祐一
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田村 祐一



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