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from;夢幻
先週、12月8日(日)は年末恒例の「年末特別システムトレーダーズ・ミーティング」でした。
今年も100名近くの方が参加されていたようでセミナー、懇親会とも大盛り上がりでしたね!
当日は沢山の質問を頂きましたが、その中で私が重要だと思う内容をシェアしたいと思います。
それは、何故、検証結果どおりの平均損益(期待値)が出ないのか?という問題で、多くのシステムトレーダーの悩みの種となっています。
試行錯誤して成績の良いルールを作ろうと頑張って、これならまず結果が出るだろうとトレードするものの、なかなか数字がついてこない・・・
この数字のズレを生み出す本質的な原因はなんでしょうか?
これは、検証ソフトを使う上で大切で本質的な考え方ですが、非常に気づきにくいです。
このロジックを理解すると
・何故、検証結果とのズレが生まれるのか?
・検証を頑張った(試行回数を重ねた)人の方がズレが大きくなる理由
が理解出来ると思います。
そして、このロジックを正しく理解しているか否かで、検証の質が変わってきます。
では、このロジックを説明していきたいと思います。
懇親会で話している風でお話を再現してみます(笑)
私「検証してストラテジーの成績が悪くなることってありますか?」
〇さん「良くなる事もあれば、悪くなる事もあります。」
私「悪くなる事ってありますか?悪くなった結果って採用しないですよね?」
〇さん「あ、確かに。また違う検証をやり直します」
私「じゃあ、検証してストラテジーの成績が悪くなることってないですかね、
検証回数を重ねるほど必ず成績は良いストラテジーになりませんか?」
〇さん「そうですね」
私「極端な話、適当に数字を調整しても、やり直しがきく限り、最終的には成績の良いストラテジーは出来上がります。この事実に疑問を感じませんか?」
〇さん「!!!!!」
この話の中に、重要な要素が隠れていることに気付きましたでしょうか?
検証結果とのズレの本質は実は、
”悪い(損益がマイナス)結果を自由に捨てる(やり直せる)事が出来る”
点にあるのです。
具体例を示しましょう。
ある検証を行った場合、4つのシチュエーションが考えられます。
①適切な改善→結果改善(期待値UP)
②適切な改善→結果改悪(期待値DOWN)
③不適切な改善→結果改善(期待値UP)
④不適切な改善→結果改悪(期待値DOWN)
※適切な改善とは未来の損益を良くし、不適切な改善は未来の損益を悪くする改善と仮定します。
要は、適切な改善⇔結果改善(期待値UP)とはならない点に着目してください。
適切な改善を行っても、過去のデータでの検証結果上では期待値DOWNとなる場合もあるし、
期待値がUPしても、実は不適切な改善をしてしまっていることも、しばしば起こりえるのです。
しかし、ストラテジーの成績を良くしようと頑張っている人はどんな行動をするでしょうか?
結果が良かった、期待値がUPした事にばかり目が行ってしまうと①、③を選んでしまうことでしょう。
そして、当然③は不適切な改善をしていますので、過去検証上の期待値はUPしていますが、未来の損益は悪くなる事になります。
これが検証結果とのズレを引き起こします。
過去検証を沢山繰り返し、改善を行う回数が多い人ほど、このズレ(誤差)の幅は大きくなります。
検証上の数字と実運用の期待値の差が大きくなるのはこのためです。
ですので、客観的に適切な改善だったのかどうなのか、検証結果を慎重に見て判断する必要があります。
この事から、
・損益が良くなるかという結果に頼らず、傾向やグラフを見たりして様々な角度から検証結果を評価すること。
・出来る限り、改善回数を減らす(ストラテジー設計をシンプルにする)事
・トレード要素数(トレード回数)を絞り過ぎない事
などを意識しておくと良いと思います。
検証ツールは便利ですが、数字を鵜呑みにするのは危険です。
検証結果が示している事実に目を向け、様々な角度から結果を評価して結果につなげていきましょう。
ー夢幻
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