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こんにちは。紫苑です。
前回から資産規模に応じたシステムトレードへの取り組み方をお話ししています。
リスク管理の観点から考えると、どれだけ資産が増えても少額の頃と同じトレードスタイルではさすがにまずかろうということです。
資産規模が大きくなったこと自体で成績(年利)は鈍化します。
これはある程度仕方ないものです。(前回のお話)
一方で、成績が鈍化(悪化)する要因の次元が全く異なる場合もあります。
システムトレードの検証結果は、数字で見えるので、一見、確定的に思えます。
しかし、検証結果を確定的と見なして良いのは、相場というゲームのルールが変わらないことが前提になります。
相場の前提が変わると、エッジの源泉だったものが小さくなる、なくなる、逆回転する可能性があります。
相場の前提の変化は外部環境の変化によるものが多く、私たちいちトレーダーではどうしようもありません。
例えば、中央銀行が介入したとか止めたとか、金利を上げたか下げたとか、インフレが止まらないとか、東証のシステムが変わったとかです。
インプット(外部環境)が違えば、当然、アウトプット(値動き)も変わります。
こうなるとどんなに正しく(≒過去の株価に最適化した)ストラテジーを作っても、成績が奮わなかったり、場合によってはマイナスになったりします。
ゲームのルールが変わったことに事前に気づければ良いのですが、私たちシステムトレーダーが気づけるのは、大抵は大きめのDDをもらった後でしょう。
また、仮に事前に気づけたとしても、ストラテジーの組入比率を下げたり運用を停止したりといった対策はできないでしょう。
そもそもゲームのルールの変更が株価へどの程度影響するかわからないうちに対策をするなら、半ばシステムトレードではなくなります。
ストラテジーが正しく書けない
ストラテジーを正しく書いてもマルチの運用が正しくない
正しくシステムを組んでも相場の前提が変わる
システムトレードであっても損をする要素はたくさんあり、思いがけない形でDDをもらうことも少なくありません。
私はシステムトレードで20年近く運用してきた結果、システムトレードを期待値が著しくプラスに偏った博打だと最近は思うようになりました。
赤が異様に多いルーレット、積み込みができる麻雀、最初からエースが配られているブラックジャックのようなイメージです。
システムトレードと言えどもギャンブル的な要素は排除しきれません。
…と、今の私の資金量から見た注意事項を書きましたが、「期待値の高いギャンブル」というのは決して悪いことではありません。
要は「期待値」と「ギャンブル」を上手に使えば良いのです。
次回からは、この前提をもとに、どのように資産を管理(資金管理ではなく)するかというお話をします。
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