あの2つの超有名投資法の「決定的な弱点」とは?



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From;西村剛

連休ということもあり、少々柔らかめの話題を…

いつもゴリゴリのシステムトレードの話題や相場解説が多いので、ちょっと違った話題を取り上げましょう。今日取り上げるのは、「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」という話です。もしかすると、システムトレードをはじめる以前は、あなたもいずれかの方法を使っていたかもしれません。どちらも、二大投資法と言えるくらい有名なものですからね。

どちらの方法が有効?

さて、この「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」という話ですが、これは論争というほど、この株式投資の世界では、言われ続けています。何と言えば良いのでしょう。決して交わらないという関係でしょうか。スタイルが全く違うので、政治の世界で言えば、与党と野党が合流するくらいあり得ないということです。

ちなみに、あなたであれば「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」と聞かれたら、どう回答するでしょうか?ぜひ、一緒に考えてみてください…。

いかがですか?答えは出ましたか?おそらく、システムトレーダーであるあなたにとっては「正直どちらでも良い(笑)自分にはシステムトレードがあるから。」というのが素直な回答かもしれません。もちろん、それはそれで良いのですが、あと3分だけ、私の話を聞いてください。システムトレーダーにとって、重要な要素が、この質問から見えきますから。

ファンダメンタルズ分析とは…

まず、この「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析」を整理しましょう。ファンダメンタルズ分析とは、カンタンに言えば、「良い会社」と探す方法です。ただ、ここでやっかいなのが良い会社の定義です。これは色々な定義がありますが、とはいえ私たちは投資家ですので、最終的な部分は「リターンのある会社」の要素が含まれたのが良い会社でしょう。

ですので、どちらかと言えば、そのリターンを求めることから「将来業績が成長しそうな会社」という視点で分析し、良い会社を探すのが、ファンダメンタルズ分析でしょう。ですので、いずれにしても、その銘柄=「会社」を分析し、良い会社を探すのが、ファンダメンタルズ分析です。

テクニカル分析とは…

一方、テクニカル分析とは、チャートを分析して、投資というよりトレードしていくのが、この方法です。私たちシステムトレーダーにとっては、お馴染みですが、様々なテクニカル指標を使って、その銘柄の買いどきや売りどきを発見し、それに合わせてトレードしていきます。

この2つの違いは?

つまり、この2つを並べると分かりますが、対極的な要素を含んでいます。ファンダメンタルズ分析は、銘柄選択の根本は「その会社に成長性があるか?」と銘柄である会社そのものです。ですが、テクニカル分析は、会社は関係なく、「いつ買って、いつ売れば利益が上がるか?」と、会社そのものというよりも、チャートをみて値動きがトレードの判断基準になります。

端的に言えば、ファンダメンタルズ分析は、利益を上げる方法が「会社中心」であり、テクニカル分析は、利益を上げる方法が「チャート中心」です。このように比較すると、全く違うことがわかるでしょう。片方は、銘柄の根本である「会社」を重視し、片方はその会社が必要ではありません。片方は、チャートが必要ですが、片方は、チャートは必要ありません。そうそう、参考までですが、システムトレードは「市場原則中心」です。これを話すと深くなるので、別の機会にお話ししましょう(笑)

相反する要素を持つ

と、このように、この「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析」は、キレイな対極ではありませんが…重視する必須の要素が、お互いに全く違うのです。だから、突き詰めると、テクニカル分析から見れば、これで利益が上がるのに「なぜ、会社を調べる必要があるのか?」となりますし、反対にファンダメンタルズ分析から見れば、「良い会社さえ見つければ、利益が上がるのに、なぜチャートを調べる必要があるのか?」となります。だから、どうやっても交わらないのですよね。

でも、ここで一つ問題提起があります。この2つの分析方法は、お互いに「ある弱点」を抱えていませんか?ということです。せっかくの機会ですので、ぜひあなたも考えてみてください…。

いかがですか?答えは出ましたか?おそらく、「市場原則中心」のシステムトレーダーであるあなたであれば、もうお気づきかもしれませんよね。では、答え合わせをしましょう。

ファンダメンタルズ分析の決定的な弱点

まずファンダメンタルズ分析の「弱点」から見ていきましょう。ファンダメンタルズ分析は、将来業績などが伸び、株価が上がりそうな良い会社を探す方法です。ですが、ここで一つ問題があります。それは、

〇「その良い会社を、いつ買って、いつ売るのが高い確率で利益を上げることができるのか?」が不明

ということです。端的に言えば、将来株価が上がりそうな銘柄は分かっても「いつ買って、いつ売るかが不明」ということです。ということは、例えば四季報などを使って、良い会社を見つけることができても、いざ発注をしようとしても、それは経験とカンと思い込みの世界か、「ひとまず、将来伸びるから、今買っておいて大丈夫だろう」という非常に曖昧なものです。

特に「売りどき」は、その極みでしょう。様々なメディアでファンダメンタルズ分析から出てきた「上がりそうな銘柄」は教えてくれますが、「売りどき」は誰も教えてくれません。もちろん、買いどきも教えてくれません。メディアに登場するときが買いどきなのかもしれませんが、アナリストなどが原稿を書く時期を考えると、全く不明でしょう。

テクニカル分析の決定的な弱点

そして、次にテクニカル分析の「弱点」を見ていきましょう。テクニカル分析は、対象の銘柄である会社がどうこうよりも、「どのようなチャートをしているか」を重視する方法です。ですが、ここで一つ問題があります。それは、

〇「チャート分析をすれば、いつ買って、いつ売るかの判断はできるが、その銘柄が良い会社なのか?」が不明

ということです。端的に言えば、買いどき、売りどきは分かっても、そのパターンに当てはまる銘柄なのかの判断ができないということです。もっと言えば、将来性のない銘柄のチャート分析をして、買いどき、売りどきを知っても、意味はないということです。

しかも、株式市場には、システムトレーダーのあなたであれば承知のように、膨大な銘柄数があります。それを一つ一つチャート分析するのは、ほぼ不可能に近いでしょう。というより、それを実行しても、対象になる銘柄を見つけたときには、もう買いどき、売りどきを逃しているでしょう。

こんな不明点がある2つの方法を、あなたは使える?

つまり、こういうことです。

「ファンダメンタルズ分析は、利益が上がりそうな良い会社は発見できるが、いつ売買すればいいかが不明

「テクニカル分析は、売買のタイミングは分析できるが、利益が上がりそうな良い銘柄は不明

このように、株式投資やトレードの原理原則である「良い会社(銘柄)を、みんなが売ったタイミングで買い、みんなが買ったタイミングで売る」ということが、片方の方法では実現が不可能なのです。もちろん、この2つの方法は、時間軸が「長期」と「短期」で違うでしょう。また、求める利益も「大きい」「小さい」で違うでしょう。

でも、実際にあなたの資金を、この分析結果に投資することを考えると、まだ、ファンダメンタルズ分析は、長期で寝かせておけば、利益が上がるかもしれませんが、テクニカル分析は、厳しいかもしれません。でも、長期で寝かせておけばといっても、それを実際にするのは、精神的に厳しいでしょう。

このように、この2つには利益を上げるうえで決定的とも言える弱点があるのです。では、ここで最初の質問に戻ります。「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」、これはどうなるでしょうか。そうですね、どちらか一方が有効というのはないということです。

でも、この2つが交わると…?

だから、私がオススメしたいのが、この2つは交わることがないと言いながら、一部の人が取り入れている「テクノ・ファンダメンタル」という新ジャンルの方法です。これはお互いの弱点を補いつつ、お互いの強みを活かした方法です。まさに

ファンダメンタルズ分析で良い会社を見つけ、テクニカル分析で、その良い会社が利益になる最高の売買のタイミングを見つける

という方法です。こうやって考えると、非常に理にかなっているのですが…でも、なぜか交わらないのが、この2つの方法です。とはいえ、おそらく、時間軸と求める利益が違うので、交わらないのかもしれません。ですが、こうやって並べると分かると思いますが、どうみても一方では厳しく、両方を使えば「最強のトレード法」と言えてしまうほうな方法でしょう。

この手法の代表的な投資家が「オニール」氏

ちなみに、この方法を使っている代表的な投資家が「オニール」氏です。他にも、私たちがお馴染みの横山利香さんが、このテクノ・ファンダメンタルの使い手です。横山さんは、四季報で成長性の高い良い会社を選び、その会社をテクニカル分析で、売買のタイミングを見て、短期的にだれもがうらやむ利益を手に入れています。

また、四季報での良い会社選びの部分に長けているので、テクニカル分析での売買タイミングを見誤らなければ、ほぼ損切することなく、高い確率で利益を上げることができています。ですので、このテクノ・ファンダメンタルは、非常に有効な方法であることがお分かりいただけるでしょう。しかも、この方法は横山さん以外が使っても再現性が高いので、それも有効性を担保しているでしょう。

実は、システムトレードにたどり着く…

そろそろまとめますが、私の「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」の答えは、どちらかではなく、両方である「テクノ・ファンダメンタル」が有効ということです。しかも、このテクノ・ファンダメンタルですが、色々紐解いていくと、結果的にはシステムトレードと同じ方法にたどり着きます。

システムトレーダーの私たちは検証ソフトを使いますが、テクノ・ファンダメンタルは、それを手動で行います。もちろん、全てが手動というわけではありませんが、分かりやすくいうと、そのような感じです。デジタルと、アナログと言ったところでしょうか。いずれにしても、一見違うように見える方法ですが、この2つは同じものです。

この同じだという話は、ここからさらに説明が必要なので割愛しますが、「ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析のどちらが有効か?」という質問は、これまでの話で、「どちらの強みを選択するか?よりもどちらの弱みを選択するか?」の質問であることに気が付いたでしょう。

また、普段私たちシステムトレーダーは、テクノ・ファンダメンタルをデジタル式のようにやってしまっているので気が付きませんが、この話をふまえると、なぜ上手く利益を上げ続けることができるか、その原理が見えたのではないでしょうか。

でも、不思議ですよね…なぜ、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は、お互いに決定的な弱点があり、組み合わせれば、補完し最強の方法になるのに、交わることがないのでしょうか…?私からすると、ただの意地の張り合いにしか見えません(笑)

ー西村剛

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。