逆説のビジネスとは？

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最近気になっていた本を週末で読みました。

「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る　「してはいけない」逆説ビジネス学」 / 川田利明

という本で、昔のプロレスを見ていた方ならわかるかもしれませんが、全日本プロレスで活躍していたプロレスラーの川田利明さんが書いた本です。

プロレスラーとして一線から引いた後はラーメン屋を始めて、今年で15年になるそうですが、そのラーメン屋の経営がいかに大変かを身をもって経験したことから、リアルに書かれています。

ラーメンのスープ作りのために、ベンツ３台を売ったということで、ペンつ３台をスープに溶かした、と言うくらい苦労したそうです。

プロレスラーという仕事もかなり大変な職業で、その中でトップまで上り詰めたのですから相当大変だったとは思いますが、それ以上にラーメン屋の経営する方が大変だというのですから、意外な感じもしましたが、読んでみると本当に大変な世界だということがよくわかりました。

始めるときは、あまり考えずに、何とかなるだろうという感じで初めて見ると、思いもしなかった大変なことに直面していかに大変な仕事かがよくわかったということで、今からラーメン屋を開業するならはっきりやめた方がいい、とまで言っており、なかなか普通の本では言えないような本音が語られていて斬新でした。

最初は新しいことを始めるとき、まだ経験したことがなかったり、知識もないため、どんなことが起きるか、何が大変かもわからない状態なので、まあ、なんとかなるだろうという感じで始めるのは仕方ないのかもしれません。逆に、始める時からそれだけ大変なことが分かっていたらその時点で始めようとは思わないでしょう。

自分としても新しい仕事や趣味で新しいことを始めるとき、最初は何が大変かがわからない状態ですが、まあ面白そうだからやってみよう、くらいで始めることが多いです。

ただ、やっていく中でいろいろと知識がついてくると、何が難しくて、何が大変なのか、何が分かっていなかったのかなどがよくわかってきます。

それが分かるようになった時は、かなり勉強したりして知識も付けてきた後なので、その時にどれだけ難しいことをやっていたのかがわかったとしても、ここまできたからにあとには戻れないという状況になり、そう簡単にやめるわけにもいかず、いろいろな葛藤があったようです。

ただ、それでも辞めずに１５年続けてきたというのは本当にすごいことだと思います。

トレードをしていても同じようなことを経験すると思います。SNSや本などで成功したトレーダーの体験や手法などを見ると、簡単に誰でもトレードで稼げるようになる、と勧められて株を始めるという人もいることでしょう。

上がる銘柄を教えてもらえば、あとはそれを買って持っていればいいだけだから、それほど難しいことはないと思うかもしれません。

最初の入り口では、簡単そうに見えるのでじゃあ、やってみよう、という気になるので、始めやすいというので、それは良いことかもしれません。

しかし、ビギナーズラックで最初はうまくいったとしても、長く続けて行く中でそんなに簡単にうまくいくことが続くのはまずないでしょう。

成功しているトレーダー含めて、ほとんどのトレーダーは多くの失敗を経験することになり、それを乗り越えてトレードを改善しながら同じ失敗をしないように地道な努力をしています。

楽に勝てるようになる、短期間で大きくプラスになる、などいろいろな誘い文句に踊らされることもあるかもしれませんが、そんなに最初からうまく成功したトレーダーはあまり聞いたことがありません。

トレードの世界もラーメン屋と同じで誰でもできるようなものでもなく、できるようになるまでに多くの時間と労力、失敗トレード（損切りという授業料）を経験し、日々の努力を積み重ねていくことになります。うまくいかない時期もたくさんあるでしょう。

しかし、たとえうまくいかないときでも、本来失敗して当たり前なので、簡単には諦めずまずは続けて行くことが大事だと思います。

赤字が１４年続いてもラーメン屋を続けてきた川田さんの教訓を参考にして、きつい時も乗り越えて、長く続けていけるトレーダーを目指しましょう。

現役システムトレーダー。売りと買いを組み合わせたデイトレード戦略に特化した独自のスタイルを確立し、安定的に利益を得ている。セミナー講師も務めており、いずれも好評。著書：暴落を上昇エネルギーに変える V字回復狙いの短期システムトレード (現代の錬金術師シリーズ)　出版社 : パンローリング

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