決算前は「売り」が有利



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From;斉藤正章
東京の自宅より、、、

 

今月は期末決算のシーズンということもあり、今回は決算発表に関連した真面目なお話しをさせていただこうと思います。

 

さて、決算発表というと、システムトレーダーとしてはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?

決算発表の中でも、5月はほとんどの企業が1年間の決算を発表する特別なイベントです。
3ヵ月ごとに発表される四半期決算や、半年ごとに発表される中間決算の時期よりも投資家の注目が集まるため、株価が大きく変動しやすいからです。

じつは統計的にみると、多くの銘柄は決算発表の直前にピーク(最高値)を付ける傾向があります。決算発表が行われた後ではなく、決算発表の前にです。

 

好決算が発表されて高値を付けるならわかりますが、まだ決算の内容が発表されていないときに高値を付ける傾向があるのはなぜでしょう?

言い方は悪いですが、いわゆる「素人投資家」の方々は、好決算が発表されるかもしれないという「期待」で買っているため、株価が上がりやすいのです。
しかも、株式市場で売買している投資家の多くは、私たちからみれば「素人投資家」の方々が大半です。

そのため、決算発表が近づくほど、好決算を期待して買いを入れる投資家の需要で株価が必要以上に押し上げられるわけです。

 

決算発表直前に株価がピークをつける理由についてはこれでおわかりいただけたかと思いますが、反対に決算発表が終わった後に株価が下落する理由は何でしょうか?

その理由は簡単です。
もともと好決算を見込んで株価が必要以上に上昇しているわけですから、たとえ決算の内容が良かったとしても、多くの投資家の期待以上のサプライズがないと株価は上昇しません。
むしろ、多くの投資家が期待した範囲内であった場合には、株価が下落することが多いのです。

また、決算の内容が期待したとおりならまだマシなのですが、期待を下回る内容だった場合には、恐ろしいほど株価は下落します。期待通りでも株価は上がらず、期待以下で株価が下落するなら、トータルでみた場合には株価が下落する可能性が高いことは明らかです。

 

つまり、決算発表直前には「買い」で入る戦略よりも、「売り」から入る戦略のほうが有利ということがいえます。

 

ということで、ここからが本題です。

決算発表直前には「売り(空売り)」から入るのが有利ということはおわかりいただけたかと思いますが、具体的に「いつ(何日に)空売りを仕掛け、いつ決済(買戻し)をするのが有利なのか」は気になるところです。

そこで、私のほうでざっくりと大雑把ではありますが、何日に空売りで仕掛けて何日に決済をするのがもっとも有利なのかを調査してみました。
まずはじめに、もっとも空売りで成績が良くなるエントリー日(仕掛ける日)を調べたところ、5月11日ということがわかりました。

次に、5月11日の寄り付きで空売りを仕掛けた場合、何日に買い戻しの決済をすると成績が良いかを調べたところ、次のような結果になりました。(1990年~2013年まで)

 

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※右から「イグジット日(決済日)」、「平均損益率」

○5月17日 0.80 %
○5月18日 0.89 %
○5月19日 1.01 %
○5月20日 0.53 %
○5月21日 0.90 %
○5月22日 0.80 %
○5月23日 0.44 %

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尚、今回は傾向を調査するのが主な目的であるため、手数料等のコストは考慮せず、東証一部の貸借銘柄すべてを売買したものとして検証しています。

上記の結果をみると、「20日」だけは周囲の成績とかけ離れているため、偶然の結果と推測しますが、概ね5月19日から離れるほど成績が悪化していることがわかります。
この結果からいえるのは、日付でいうと「5月11日に空売りを仕掛けて5月19日に買い戻すのがもっとも有利」ということでしょうか。

さらにいうと、2004年以降になってからは上昇相場か下落相場かにかかわらず、この傾向が急激に顕著になっていますので、今でも使える戦略といえるかと思います。
ただし、ひとつだけ注意点として、今回はあくまでも銘柄(企業)に関係なく、一律同じ日付で検証を行っていますが、実際には銘柄ごとに決算発表の日が異なるということです。

 

つまり、実際には銘柄ごとに決算発表日を調べて、その直前に空売りを仕掛けたほうが、上記よりも成績が良くなる可能性が高いと思います。

今年はもう5月11日は過ぎてしまいましたが、まだまだこれから決算発表を控えている銘柄はたくさんありますので、ご興味のあるかたは決算発表後に株価がどのような動きをするかを観察してみてはいかがでしょうか。

斉藤正章

 

 

 

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斉藤 正章

2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続ける。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。