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「幕の内弁当じゃ、ダメだ!」
と、こんなことを以前言われたことを思い出しました。
あなたは、いきなり「幕の内弁当じゃ、ダメだ!」
と言われても、何のことやら・・・ですよね。
続きを聞いて下さい。
「幕の内弁当じゃなくて、鮭弁やのり弁にならないとダメなんだよ。
焼き肉弁当でも、ハンバーグ弁当でも何でもいい。
けど、幕の内弁当じゃ、ダメだ!」
というものでした。
ちなみにこれ、
私自身が久々の登場になってしまいましたが・・・
例の先輩から言われた言葉です。
いつ言っていたのか
記憶は定かではないのですが、
けっこう意味不明な言葉だったので覚えているのです。
でも、実はこの言葉、
案外、深い話をしているのですよね。
もしかすると、私もあなたと話したことがあるかもしれませんが、
私は、サポートセンターで、皆さんからご質問を日々頂いています。
そんな中、ここ最近これまでのトレード法に見切りをつけて
システムトレードに切り替える方が多いことあるのかもしれないですが、
こんな質問をよく頂きます。
その質問とは。。。
「この前の暴落でも利益が上がって、その前の株価がどんどん上がるような相場でも
利益の上がる売買ルールはありまんせんか?」
というものです。
結論から申し上げると・・・
もしかすると、期待している皆さんをがっかりさせるかもしれませんが、
ほぼ「ない」と言っても過言ではないでしょう。
一応、ないことはないでしょうけど、
これを実現するには、超高速発注など、人間業を超える技術がないと難しいです。
ですから、現実的ではないということですね。
でも、暴落相場でも、株価が上がる上昇相場でも
どちらでも利益が上がる売買ルールというのは
本当にないのでしょうか?
その答えは、、、
「あります」
です。
ただし、条件があります。
それには「マルチストラテジー」という、
複数の売買ルールを同時に運用する戦略が必要です。
例えば、暴落相場には、そのような局面で利益を上げる逆張り型の売買ルールを使い、
上昇相場では、順張り型の売買ルールを使うのです。
加えて、ボックス相場なら、この売買ルールというように
想定される相場に合わせた売買ルールを複数持つことで、
あらゆる相場に対応することができるのです。
良さそうですよね。
このマルチストラテジー。
でも、、、
1つだけ注意があるのです。
私がこの話をすると
「いいね~。そのマルチストラテジーとやら。さっそくやってみるよ!」
とすぐに飛びつく人がいます。
もちろん、すぐに行動するのは良いです^^
それは最高です。
しかし、、、
ここで重要なのが、取り組み方なのです。
私の言葉で言うと、アレでしょうか・・・
「アメリカ人になってから、日本人になれ!」
ですね。
意味不明ですか・・・(笑)
言いたいことはこうです。
例えば、メジャーリーガーなどを見ると露骨に分かりますが、
アメリカのスポーツ選手は、とんでもない投げ方や打ち方をしますよね。
特にバッターは、スゴイですよね。
あれ、日本だったら、絶対にダメですよね。
でも、アメリカでは認められます。
それは、なぜか?
なぜなら、彼らには「強みを伸ばす」という文化があるからです。
それこそ、不得意な球があれば、それは捨て
得意な球をもっと打って、不得意を隠せばよいという考えです。
まさに、アメリカナイズですよね(笑)
さすがです。
日本人には、ちょっと感覚が合わないかもしれませんが、
これで強打者が生まれているのですから、これはこれで良い考えなのでしょう。
それに対して、日本人は、、、
同じく野球にしますけど、バッターは特に「打てないゾーンをなくす」ことが求められます。
例えば、3冠王の落合氏が良い例でしょう。
清原和博元選手との違いは、落合は不得意なゾーンがなかったが
清原には、不得意な内角があったことだとも言われています。
やはり、日本人の感覚は、
「全てを打つ」=「素晴らしい」という考えなのでしょう。
「そつなくこなす」という言葉があるくらいですから
それが根付いているのだと思います。
でも、、、この話をアメリカ人が聞いたらどうでしょうか?
「Why???」と言われてしまいそうですね。
「良いところだけ、徹底的に伸ばせばいいじゃん」と言われてしまいそうです。
さてさて、
ずいぶんと遠回りな話をしてきましたので、
そろそろ話をまとめましょう。
やはり、私たちは日本人として「全てを打つ」感覚が根付いてします。
それは、DNAレベルの話でしょうから、仕方がないですよね。
でも、この感覚をシステムトレードに
「いきなり」入れてしまうと大変なことになってしまいます。
行く末は
「挫折」です。
売買ルールには、逆張り、順張り、押し目買い、空売りなどなど、
様々な型があります。
そして、マルチストラテジーは、これらのいくつかの売買ルールを
「全てを打つ」感覚で取り入れます。
しかし、、、
これは「いきなり」取り入れると大変です。
何が大変か?
それは「一気に複数の売買ルールを完成させなければいけない」ということです。
これ、大変ですよね。
もちろん、中上級者になり、
1つの売買ルールが完成したら、次の売買ルールにいったり、
研究を兼ねて、複数を同時進行で作成するのは良いかもしれません。
しかし、まだシステムトレードに切り替えたばかりの方が
いきなり、複数の売買ルールを作成するのは非常に厳しいものです。
では、どうすればよいか?
それは、、、気持ちを「アメリカ人」にするのです(笑)
マルチストラテジーは、話自体が良いこともありますし、
私たち日本人の「全て打つ」の感覚に近いです。
ですから、そちらを「いきなり」求めがちですが、
システムトレードに関しては、アメリカ人の感覚を入れた方が良いでしょう。
西村の特別プログラムの受講者の皆さんもそうですが、
最初は、ご自身の性格にあった売買ルールの型を見つけ、
それをひたすら改良し、1つ完成させます。
言わば、弱い部分は捨て、強い部分だけを伸ばしているのです。
まさに、アメリカ人的発想ですね。
だから、まずは「捨てる勇気」と「我慢」を持って、
1つの売買ルールを作成することに取り組みましょう。
例えば、、、
順張りが肌に合うとして、順張りのルールを作成している人が、
先月末の暴落のときに、
「しまった、逆張りを作っておけば・・・」
と思ったかもしれません。
しかし、ここも我慢なのです。
そして、「捨てる勇気」を持つべきなのです。
まずは、肌に合う順張りを作って、強みを伸ばさなければ、
逆張りのストレスにやられて、トレードの継続が実現しません。
それでは元も子もないです。
だからこそ、まずはアメリカ人的な発想になって、
1点集中でいってみましょう。
ちなみに、、、これはあくまでもシステムトレードを始めたばかりの方の話ですので、
1つの売買ルールができた方は、次のルール次のルールに進んで、マルチストラテジーを実現して下さいね。
そうそう、1つ忘れていました(汗)
幕の内弁当の話ですが、、、
あれはこういうことです。
鮭弁やノリ弁などは、個性があります。
一方、幕の内弁当は、そつがないのでは、パッとしません。
どうやら、先輩は
まず私に「個性を活かして、強みを伸ばせ」と言いたかったようですね。
若いうちから幕の内弁当になっても、
ベンチャー企業では、生き残れないと言いたかったようです。
もしかすると、トレードの世界もそうなのかもしれませんね。
あの斉藤正章さんも、
あらゆる売買ルールを幕の内弁当のように抑えながらも、
逆張りという究極の鮭弁のような「強み」を持っていますから。
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田村祐一
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