株価が3倍になった銘柄の話・・・

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From；西村剛
東京の自宅より、、、

早いもので
今年もあと1ヶ月あまりとなりました。

12月になると私はある個人投資家を思い出します。

これは2年前の12月のお話です。

彼は、
システムトレードで安定的な成績を残しているにもかかわらず、

「もっと短期間で大きな利益を上げたい！」

と考え、裁量でもトレードを始めました。

12月は、新興市場が例年大きく上がる傾向があります。

そして、その2年前もその傾向通りに加えて
安倍政権誕生の期待から新興市場が大きく上がり始めました。

そのとき、彼はインターネットにあった
いかにも怪しい情報を情報を見つけました。

そこには、とある1銘柄の情報があったようです。

ちょっと怪しさは感じていたのですが、
やはり、「もっと短期間で大きな利益を上げたい！」という欲求が抑えきれず、

その1銘柄に集中投資をはじめました。

もちろん、私はそれを聞いたとき、、、

「危ないですから集中投資はやめたほうが良いですよ」

とアドバイスしました。

しかし・・・
彼自身は、投資経験が長いこともあり、
私のアドバイスがどうこうよりも

「大きなリスクを取っても勝負したい」

と私に話してきました。

「大きなリスクを取っても勝負したい」

もう、この言葉・・・
システムトレーダーの発言ではありませんよね。

いわゆる「相場師」という発言でしょう。
「勝負師」「ギャンブラー」に近いかもしれません。

「もっと短期間で大きな利益を上げたい！」という欲求の時点で
もう違ってしまっていますが、、、

これは私たちシステムトレーダーが目指す成功である
「長期に渡り安定して利益を上げる」とは、
全く別世界の話になってしまいました。

さて、その1銘柄の行く末ですが・・・

なんと！！！！

その銘柄の株価は、年明けの1月に

「3倍」

になりました！！！！！！！

いや～、私もこれは謝罪しなければなりません。

情報が掲載されていたサイトを、
怪しいだなんて言ってしまって、申し訳ない！

それもそれですし、
結果からすれば、彼をストップしたアドバイスは不適格でした。

もちろん、私が軸とすると、
「長期に渡り安定して利益を上げる」とは違いますが、
私も敗北を認めるしかありません。

結果として、株価が3倍になっているのですからね。

だから、私は、

「株価が3倍になったのだから、
きっと彼は大きな利益を上げているに違いない。
大きなリスクを取ってよかったな～。」

と一安心していました。

そして、後日のことです。。。

彼に会ったときに、

「あの銘柄、株価3倍になりましたね！良かったですね！」

と話しました。

しかし・・・

彼の表情は晴れやかではありません。
どこか曇っているのです。
まさに、負のオーラが出ているとでも言うべき雰囲気でした。

私は、心の中で「あれっ？」と思いました。

すると、、、
彼は、こう口を開きました。

「西村さん、実はあの銘柄で大損してしまったのですよ・・・」

「・・・」

「え～～～～～～～～っ！」

私は、驚きを隠せませんでした。

詳しく話を聞いたところ、
株価が3倍になる過程で、急速に上昇する株価に慌ててしまったようです。

信用取引を使ってどんどん買い増して、
上昇トレンドが終わったあとの急落でこれまでの利益を吹き飛ばし、

さらには、、、
銀行預金を解約してナンピン買いをし、
結果的に大損してしまったらしいのです。

では、なぜ、
彼は目をつけていた株が短期間に3倍になったにもかかわらず、
大損してしまったのでしょうか・・・？

それは、トレードにおいて最も重要なのは、
株価の予測が当たることではなく、

どのように行動するか、
つまり「資金管理」が重要なことに気付けなかったからです。

どんなに株価の先行きが分かっても、
資金管理を間違えてしまうと、
利益を上げるどころか大きな損失を被ってしまいます。

「資金管理を徹底する」ことがトレードの世界において、生き残る秘訣なのです。

今年の12月相場、株価が大きく上昇する銘柄もあるかもしれません。

ですが、、、

目先の株価の値動きや予測にとらわれることなく、
資金管理を徹底してトレードに臨んで下さい。

このいかにも出来過ぎた現実の話ですが、
あなたも欲求にかられて一歩間違えると、
こうなる可能性があります。

でも、ここで熱心に勉強しているあなたであれば、間違いなく大丈夫でしょう。

絶対に、欲求に負ける選択はしないでしょうから・・・

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 （過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある） システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。

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