売買ルールに寿命が・・・?



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From;西村剛
八丁堀の事務所より、、、

 

「寿命の長い売買ルールと
寿命の短い売買ルールの見分け方について教えて下さい。」

先日、このようなご質問をいただきました。

 

やはり、人間の寿命のように永遠というものは存在しないので、
売買ルールも例外ではありません。

売買ルールにも
寿命というものがあります。

ただ、私たちシステムトレーダーは、
その寿命を少しでも伸ばすべく、
日々売買ルールの改良に励んでいるのでしょう。

 

さて、今日はそのご質問の回答を
あなたとも共有したいと思います。

 

まず、売買ルールの寿命が何かを定義しましょう。

売買ルールのい寿命とは、

「その売買ルールが通用する期間」です。

 

ほぼ間違いなく存在はしませんが、
完璧な売買ルールというものが存在するのであれば、
何十年も通用するでしょう。

ただ、そのような売買ルールは、
私が知る限り、存在しません。

しっかりと改良を重ねていれば、
長く使える売買ルールは存在します。

改良というより、
「進化」させている売買ルールと表現したほうが
良いかもしれませんね。

 

その一方で、
もちろん、中には1年程度で使えなくなってしまう売買ルールもあります。

例えば、
それは、カーブフィッティングを起こしているものです。

もしかすると、
その場合は、1年もたないかもしれませよね。

さて、カーブフィッティングは、
もちろん「しない」ことが前提ですので、

それを除いて、売買ルールの寿命を
どう見極めれば良いのか、お伝えしましょう。

 

さっそく、その答えを言いますが、

そのポイントは、

【平均損益率】です。

 

平均損益率とは、
「1トレードあたりの期待値」とも表現できます。

 

例えば・・・
逆張り型の売買ルールの場合、平均損益率が10%程度あります。

これくらいあれば、
株式市場の制度が変わったり、
市場環境が変わったとしても、
平均損益率の上下こそあれ長期間に渡ってある程度通用するでしょう。

 

一方、デイトレ型の売買ルールはいかがでしょうか。

デイトレ型は、平均損益率が小さい売買ルールです。
この場合、平均損益率が0.5%程度のものも数多くあります。
つまり、1トレードあたりの期待値が0.5%と小さいです。

 

ということは、、、
株式市場の制度変更や市場環境の変化で
売買ルールが通用しなくなってしまう可能性があります。

ですので、平均損益率が小さい売買ルールばかりで運用してしまうと、
市場の変化に対応できなくなってしまうリスクがあるのです。

 

この話、期待値だと分かりにくければ、
単純に利益と手数料などで考えてみてください。

期待値が大きいということは、利益も大きいです。
反対に、期待値が小さいということは利益も小さいです。

 

つまり・・・
仮に、証券会社の手数料が上がったとすれば、
利益が小さいと、それだけマイナスによる影響が大きいですよね。

場合によっては、手数料を考慮すると、
利益が出ているはずなのに、マイナスということもあります。

だから、期待値が小さい売買ルールは、
大きい売買ルールよりも、ちょっとした周囲の環境の変化で
影響を受けやすいので、寿命が短くなる可能性が高いのです。

 

では、これを踏まえ、私自身は
どうやっているか、お話ししましょう。

私は、合計損益も重視するのですが、
必ず平均損益も見るようにしています。

合計損益が大きくても、
平均損益率の小さい売買ルールばかり組み合わせることはしないようにしています。

なるべく、平均損益率が大きい売買ルールと
小さいものを組み合わせて運用するようにしています。

そうすれば、仮に小さいものが崩れても
大きなものはそこまでは崩れませんので、
失敗する確率が下がります。

 

あっ、あなたは気が付きましたよね?

日々熱心に勉強しているシステムトレーダーのあなたであれば、
今、この言葉にひっかかったでしょう。

「失敗する確率が下がる」

 

そうですね、
この売買ルールの寿命の話も、結局のところは、この発想です。

寿命が短いものがあることを受け入れ、
寿命が短いのであれば、それに対応した戦略をとる。

 

それが、私たちシステムトレーダーの術ですよね。

言うなれば、ポートフォリオというものです。

 

私たちシステムトレーダーの目指すとことは
「長期にわたり、安定して利益を上げること」です。

だから、合計損益も良いですが、平均損益率も重視して、
売買ルールの寿命を見極めながら、運用することが重要です。

そうすることで、いわゆるポートフォリオが組め、
長期にわたり、安定して利益を上げることが実現できるのです。

 

そして、その発想の根本が

「失敗する確率が下げる」

というものなのです。

 

もちろん、あなたはこの発想ですよね?

だって、これが利益を上げるシステムトレーダーの根源ですからね。

 

あっ、そうそう、

ちなみに、反対の発想は「利益を上げる確率を上げる」です・・・

あなたは、どちらの発想を重視しますか?

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西村剛 著 斉藤正章 監修

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西村 剛

Yahoo!ファイナンス 株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。 現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事 (過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある) システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。