「量より質」作戦!!!!!



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From;斉藤正章
東京の自宅より、、、

 

新年あけましておめでとうございます。

斉藤正章です。

 

昨年は良くも悪くも株式市場が乱高下を繰り返したので、うまく自分のルールがフィットした方とそうでない方の両極端に分かれた年だったかもしれませんね。

私個人の感覚としては、過去にはあまり例のない動き方であったため、システムトレーダーとしては利益が取りづらかったのではないかと思います。

 

さて、完全に私事ではありますが、先月の12月19日から20日にかけて、2012年から毎年出場を続けている「神宮外苑24時間走」に出場してまいりました。

 

毎年この時期になると書いているので、ご存じの方も多いかと思いますが、この大会は名前の通り「24時間で何キロ走ることができるか」を競うウルトラマラソンと言われる競技の一種です。

 

じつは、今回以前の自己記録は、初めて出場した年(2012年)の約152Kmが最高で、翌年は疲労骨折のまま強硬出場して途中で棄権(ただし記録は112Kmで公認)。さらに翌年は重度の風邪のまま強硬出場してまた棄権(記録は43Km)という結果です。

 

2年目以降は故障や風邪などが主な敗因とはいえ、じつは個人的にも練習をした割にはあまり成長をしたという実感がありませんでした。

 

どのくらいの練習をしたかというと、その年にもよりますが、大会の3か月くらい前になると、だいたい月に350~550Kmくらいは走っていました。

 

仮に月に500Kmを走ろうとすると、走る前後の準備等を含めて70~80時間くらいの時間が必要でしょうか。
会社員の人が月に200時間の労働だとすると、じつにその40%近い時間を走るためだけに充てる必要があるわけです。

 

ところが、今回の大会前は、仕事の関係もあって例年ほど走るための時間が取れないのがわかっていたため、例年よりも少ない練習時間で自己記録を更新するための方法を考えなければならなかったのです。

 

そこで私が実践した方法が「量(時間)を減らして質(負荷)を上げる」ということです。

ひとことで言うなら「量より質」作戦ですね。

 

じつのところ、統計上だけでいえば、走った量と成績はある程度比例することがわかっているのですが、それはあくまでも練習の中身(質)を考慮しない場合の話です。

 

私の考えでは、たしかに走った量と成績には相関性があるのは確かでしょうが、6分/Km(時速10Km)のスピードで500Kmを走るのと、4分/Km(時速15Km)のスピードで500Kmを走るのとでは、効果がまったく同じはずがなく、当然後者のほうが効果が高いと思います。

 

そう考えた私が限られた時間内で最大の成果を得るために実践した内容は、「走る時間はすべて限界のスピードで走る」ということです。

 

例年でいうと、たくさんの距離を走らなければならないという固定観念に縛られていたため、だらだらと5分30秒/Km(時速11Km弱)くらいで走ることが多かった(ゆっくり走らないと疲労が取れないため)のですが、今回はもともと時間がないのがわかっていたので、とにかく強い負荷をかけてみようという意図からです。

 

実際に私が行った練習は、「ランニングマシンのスピードを時速16Km(さらに2%の傾斜)に設定して走り、辛くなったら休む」ということをひたすら繰り返しただけです。

この練習は私には少々辛すぎるため、せいぜい1日に1時間が限界でした。

 

結局、私が大会前の3か月に走ることができた距離はわずか150~200Kmしかなかったので、例年と比べると3分の1程度しか走っていないことになりますが、いつもとは違う感触がありました。

何が違うかというと、5分/Km(時速12Km)で走っていても、鼻歌が歌えるくらいのジョギングペースに感じるようになっていたのです。

ただ、たしかに以前よりもスピードは向上したのかもしれませんが、実際にはこんなに少ない練習量で24時間走に出場したことがなかったため、正直なところ自信はあまりありませんでした。

 

そして、半信半疑なままついに本番を迎えるわけですが、

 

結果は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

自己記録を大幅に更新する約165Kmを達成!でした。

練習の「質」を上げれば(強い負荷をかければ)「量」の少なさをカバーできるだろうということは、理論上ではわかっていたものの、現実にはまだ試したわけではないのでかなり不安だったのですが、見事に自分の体を使った本番で証明することができました。

 

先述したように、統計上は「走った距離の合計が長いほど成績が良い」というのは間違いないでしょう。
しかし、この統計では変数(変えられる数値)が「走った距離の合計」の1つしかありません。
これに「走った際の負荷」という変数を加えて「走った距離の合計」+「走った際の負荷」という2つの変数で統計を出してみると、おそらくもっと正確なデータが取れるのではないでしょうか。

 

さてさて、今回はまったくシステムトレードと関係のない話になってしまいましたが、最後に無理やりこじつけて終わりたいと思います(笑)

本日のテーマは「量よりも質」という話でした。

 

これをシステムトレードに当てはめてみると、例えば「最低でも○時間は検証しなさい」という言葉をよく聞くことがあると思いますが、これはあくまでも「量」という点でみた場合の話です。

もちろん、何時間検証したかという「量」も大切ではあるのですが、「量」と「質」のどちらがより重要かと問われれば、間違いなく「質」と答えるでしょう。

 

売買ルールを作る際に、とりあえず当てはないがひたすら色々な条件を検証してみるというのは、非常に効率の悪い作業ですが、改善のポイントを絞ったり、コツを知っている状況で検証できるのであれば、はるかに少ない時間で良い売買ルールが作れるようになるからです。

 

そういう意味では、初心者なら自分自身で当てもなく検証を繰り返すよりは、用意されているサンプルをもとにして、どこをどう改良するのかポイントを絞って検証したほうがいいでしょう。

 

 

※編集者から注意事項(; ̄ー ̄)

昨日配信の西村の記事の「質」と「量」の内容と、斉藤さんの「質」と「量」の内容は、視点が違うのご注意ください。斉藤さんの内容は、あくまでもセロから売買ルールを作成するのと、サンプルを活用する場合の違いからの話です。西村の内容は、その先の改良の際、斉藤さんのいう「改善のポイントを絞ったり、コツを知っている状況」で検証しつつ、量をこなすことが重要だということです。パッと見ると反対のことを言っているように見えますが、状況のい違いであって、相違があるわけではありませんので、ご注意ください。その証拠に・・・斉藤さんの検証回数は、西村もしのぐ回数ですので(笑)

 

斉藤正章

 

 

 

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斉藤 正章

2001年に元手30万円で株式投資を開始。当初は苦戦するも、2003年1月に独自のシステムを開発してから常勝トレーダーとなり、2006年に1億円を達成した後も安定した運用を続ける。勝率80%の逆張りシステムを中心に数種類のシステムを使い分ける。