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From;西村剛
八丁堀の事務所より、、、
「あの店は木曜日に出てるらしいぞ!」
「スゴイよ、それ~。早いのは土曜日だったのに!」
「ちょっと遠いけど、買いにいこうぜ!」
「うん、行こう!」
「16時にならないと販売しないから、
学校終わってから行けばちょうどいいよね~」
「いや~、楽しみだね~♪」
これは、もう30年以上も前、
週刊少年ジャンプの発売日を待ちわびる小学生の会話です(笑)
私もそうでしたが、
今思えば、早く買っても結局また一週間待つので、
対してお得ではないのですが、
「早く次を読みたい!」
なんて気持ちが先行し、早く発売する本屋を探したものです。
似たところですと、
私は詳しく分からないのですが、
NHKの大河ドラマがBSで早くやっているか何かで、
「真田丸」ならぬ「早丸」とファンから呼ばれるものがあるみたいですね。
まっ、それと同じところです。
そして、これって私たちシステムトレーダーというより、
私たち以外の一般的な個人投資家でもよくある話です。
それは『会社四季報』ですね。
一部の著名投資家もそうですが、
四季報を1日でも早く手に入れることが利益につながるようで…(?)
1日でも早く手に入る書店を探す人がいるようですね。
まっ、そんな感じで
これが人間の性というものなのでしょうか、
「他の人よりも情報を早く手に入れたい」
という気持ちや
「先に手に入れた情報=得」
というものがあるのでしょう。
ただ、その実態と聞かれたら、
そればかりは、分かりませんよね。
その雑誌やテレビの話も、
結局、次週までのスパンは同じなので、
早かろうが遅かろうが、それほどタイムラグなく、
全員が同じ情報を手に入れられます。
また、四季報の話も、
「四季報を1日でも早く手に入れる」=「利益になる」
という方程式は成り立ちません。
だから、私は、
「四季報を1日でも早く手に入れる」=「まだ他の人が知らない情報」=「得(利益)になる」
とは限らないと考えています。
その良い例が。。。
「リアルタイムのティックデータ」です。
理由は分からないのですが、
ここ最近、このデータを使ってシステムトレードをしたい
というトレーダーから質問がありました。
ちなみに、このトレーダーの皆さんが、
システムトレーダーかどうかは不明です。
ただ、このようなご質問が届いたのです。
私たちは、通常「日足」ベースのデータで
システムトレードを実践しています。
だから、もしかすると、
リアルタイムのデータを使ったシステムトレーダーを
あまり見かけないからなのでしょうか。
確かに、この方法を使って
システムトレードを実践している人は、
個人投資家では、ほとんど聞いたことがありません。
だから、先ほどの話と同じで、
まだ人が知らない情報のようなものなので、
これは利益になると思うところでしょう。
そのリアルタイムのティックデータを使って、
検証できれば、優位性はあるのかもしれません。
そうなると、、、
利益を上げることが目的の私たちとしては、
確かに、そのようなデータを使ってみたいという欲求があっても
おかしくないでしょう。
でも、あなたはこのデータを扱う場合、
「落とし穴」があることに気が付いているでしょうか?
これは意外な落とし穴かもしれません。。。
その落とし穴とは、、、
「有効な売買ルールが見つかったとしても、なかなか実践できない」
ということです。
これを実践することは、難易度が高いでしょう。
仮に、実践できたとしても、
検証結果と実際のトレードで大きな乖離が出ると考えられます。
もしかすると、ここが一番の落とし穴と言っても良いのですが、
「リアルタイムデータで作成した売買ルールは、
『リアルタイム発注』する仕組みが必要」
です。
でも、どんな発注の仕組みでも、
必ず時間のズレが生じます。
それは、仕方ないことですし、
どうにもならないところですよね。
だから、もし本当に実践しようとしたら、
時間のズレが全くない自動発注の仕組みが必要になるのです。
しかし・・・
それが作れるかと言えば・・・
というところなのですよね。
これが大きな理由で、
リアルタイムデータを活用して、
システムトレードを実践する個人投資家がいないのでしょう。
だから、この場合、他の人が知らない情報でもあるのですが、
結局実践が難しいということで、得はしないと考えるのが妥当でしょう。
もし、あなたがリアルタイムデータでの
システムトレードを考えているならば、
もう一度考えていただきたいのが・・・
「私たちの目的は、トレードで利益を上げること」
ということです。
私たちが日常的に使っている、
日足データでも、十分に利益を上げることができます。
しかも、まだまだその余地は残っています。
そして、そのための道具もたくさんそろっています。
しかし・・・
リアルタイムデータの道具はそろっていません。
そう考えると、「なぜ、あえてそこを選ぶか?」ということになるでしょう。
もしくは、「利益を上げるには、リアルタイムデータないといけない理由はなにか?」
それを考えると、あなたの進むべき道が見えるでしょう。
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西村 剛
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