警告!!これまでは株価が上がりやすい傾向でしたが…

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From；西村剛

5月の決算発表を意識する時期にきました。

4月の折返し地点を迎え、そろそろ5月の株式市場を意識するタイミングかと思います。そこで、今日は単刀直入に、5月の株式市場の傾向についてお話ししましょう。実は、この5月の株式市場ですが「くせ者」です。なぜなら、5月はこれまでの傾向が変わる、まさに節目と言える月だからです。

5月の株式市場の傾向は？

まず、5月の株式市場が上がりやすい傾向があるのか？それとも下がりやすい傾向があるのか？それについてお伝えすると「下がりやすい傾向」があります。その理由は、以下の検証結果です。

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◯勝率：43.02％

◯平均損益：-0.65％

◯プロフィットファクター：　0.855

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株価をデータ分析するために検証をしてみると、このような結果がでました。勝率は5割を切っています。また、平均損益はマイナスです。プロフィットファクターも1を切っています。つまり、これが意味することは、仮に10回トレードした場合、4勝6敗になる確率が高く、そのときの1回のトレードで得られるのは、利益ではなく損失だということです。

言い換えれば、何も対策を講じずにそのままトレードを続けると、負けるだけでなく、損失を積み上げてしまう可能性が高いということです。これが、順張り戦略のように負け越しても利益が勝っていれば良いのですが、これは負け越すうえ、損失のほうが多くなっています。これは5月が、非常に厳しい環境だということを示していると言えるでしょう。

なぜ、5月は株価が下がりやすいのか？

では、なぜこの5月は株価が下がりやすい傾向にあるのでしょうか？実は、それが「決算発表」です。5月は、この決算発表が本格化する月です。そして、その決算発表時には、多くの企業が今後１年間の業績予想を発表します。

すると、その発表はたいていの場合、大企業ほど「保守的」な数字を出す傾向にあります。やはり、これは企業側の思惑なのか、できるだけ保守的な業績予想を立てて、その後下方修正しないようにしたいというのが本音なのでしょう。

失望売りが市場を左右する

ですが、私たちのような個人投資家からすれば、期待よりも低い保守的な業績予想を発表されてしまうと「失望」を招きます。すると、当然ですが、投資家は株価が上がり利益になることを望むので、その期待が外れると、失望売りに走るようになります。

なぜか、歴史は繰り返される…

この5月は、このような理由で、5月はこの業績予想が起点となり、株価が下がりやすい傾向があります。摩訶不思議な話かもしれませんが、これだけ理由が明確なのに、同じことが何度も繰り返されるのは、まさにこれが人間心理であり、投資家心理なのでしょう。もしくは、分かっていても身体が反応してしまうというところなのかもしれません。

このように、5月の株式市場市場は、株価が下がりやすい傾向にあります。しかも、この失望売りが状況によっては、株価を大きく下げる原因になることもあります。つまり、それは、私たちシステムトレーダーにとっては、利益を上げるチャンスになるということでしょう。特に、逆張り戦略や押し目買い戦略など、そういった一時的な下落を捉える戦略が有効に機能すれば、市場自体は下がりやすくても、着実に利益を積み上げるチャンスになるでしょう。

これまでは株価が上がりやすい傾向でしたが…

ただし、今の株式市場は、下落トレンドの中にいます。とはいえ、これは私が収集した情報の範囲内の話になってしまいますが、あまりこの下落トレンドを意識しているシステムトレーダーは少ないと感じてします。

もしかすると、アベノミクスバブルをきっかけに株式投資をはじめ、それからシステムトレーダーになった人が多いからか、本格的な下落トレンドの経験がないからかもしれません。しかも今の株価は急激に下がるのではなく、じわじわと下がっている状況です。まさにこれが下落トレンドの特長ですが、この波に知らず知らずのうちに飲み込まれて、抜け出せなくなることだけは回避しましょう。

そういった意味では、この5月傾向を謙虚に受け止め、その対策を今から始めておくことをオススメします。4月上旬までは、株価が上がりやすい傾向があるので、これくらいの下落にとどまっていますが、これがここから株価が下がりやすい傾向に変わるので、状況が急転する可能性もあります。

依然として、そのような状況が続いているというより、これからが本番とも言えますので、ぜひその本番で、システムトレーダーの真骨頂を発揮できるように、準備を怠らないようにしていきましょう。日々検証。。。そして、日々1円でも利益の上がる売買ルールを探求する。。。ただ、それだけです。

ー西村剛

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西村剛

Yahoo!ファイナンス株の達人・証券アナリスト兼ファンドマネジャー・AllAboutガイド。現在、30名の一流システムトレーダーを育成する特別プログラム講師に従事（過去にも120名以上が一流システムトレーダーとして成長した実績がある）システムトレードを、全くの初心者でも分かりやすく、やさしい言葉を使うことから、受講生の成長度の高さや信頼を多く集める、教え上手な専門家。